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先週の動き‥‥経済活動の再開やワクチン開発の動きから株高を継続

ポイント
・株価は週後半に全人代で香港国家安全法が制定されたことやトランプ米大統領の会見を控えて米中関係の悪化懸念から一時下落する場面もあったが、全米での経済活動の再開の動きや複数のワクチン開発の動きが伝えられたことからおおむね上昇傾向を継続した。
・外為市場ではドル・円相場がこれまでの動意薄傾向を継続した一方で、EUが7,500億ユーロの復興基金を設立する流れになったことからユーロ高が進んだ。



 先週の国際金融市況は後半に米中関係の悪化懸念からやや冷やされる場面があったものの、経済活動の再開の動きやワクチン開発への期待からリスク選好が強まり、おおむね株高傾向が継続した。

 米国株は戦没者記念の日(メモリアルデー)による3連休を過ぎた週初26日には全米で一段と経済活動の再開に向けて動いたなか、メルクやノバックスはじめ新型コロナウイルスに対するワクチン開発で複数の取り組みが発表されたこと、さらに新築住宅着工件数が事前予想を大幅に上回ったことが好感されて買い気が強まった。それにより、割高感が強かったハイテク株に利益確定売りが出たことでナスダックは前週末比15ポイント高にとどまったものの、ダウは同529ドル高と急伸した。27日も欧州で7,500億ユーロの復興基金案が公表されたことで欧州株が急伸したなか、全米での経済活動の再開の動きが続いたことや、JPモルガンチェースのジェイミー・ダイモン会長兼最高経営責任者(CEO)が米国経済に対して楽観的な見通しを披露したことからダウは前日比553ドル高と大幅続伸となって引値でも2万5,000ドル台を回復し、ナスダックも同72ポイント高になった。
 28日はニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が6月初旬に第一段階の活動を再開する可能性に言及したことからおおむね堅調な地合いが続いたが、ドナルド・トランプ米大統領が香港問題で一段と中国への批判を強めているなかで、翌日にその件で会見すると発表されたことから米中関係のさらなる悪化が懸念されて引け際に急落し、ダウは同147ドル安に、ナスダックも同43ポイント安になった。週末29日もトランプ大統領の会見を控えておおむね軟調に推移したが、実際に会見では中国批判を繰り広げたものの、同国の高官を対象とする制裁や旅券発行の制限に言及することなく、貿易協議での第一段階の合意の履行を継続する見通しとなったことから地合いが好転し、ダウは同17ドル安の下げ幅にとどまってナスダックは同120ポイント高になった。

 日本株は週初25日には動意薄で寄り付いたが、その後、日本政府が緊急事態宣言の解除を発表するのを控えて次第に買われやすくなって上昇していき、日経平均は前週末比353円高になった。26日は実際に宣言が解除されると一段と買い気が盛り上がって大きく買い上げられていき、前日比529円高と大幅高になって2万1,000円台を回復した。その後、米国株も急伸したのを受けて、27日も利益確定売りをこなしながら根強く買われていき、同148円高と続伸した。さらに米国株が大幅高を継続したなか、28日も安倍晋三政権が第二次経済救済策の原資となる20年度第二次補正予算を決めたことも重なって積極的に買われていき、同497円高と大幅続伸した。週末29日は前日に中国の全国人民代表大会(全人代)で香港国家安全法が制定されたことから軟調な地合いになったが、東京都が週明け1日から経済停止措置の解除の第二段階に進み、休業要請が一段と緩和する意向であることが伝えられたことから引け際に急速に戻していき、下げ幅は同38円安にとどまった。

 外国為替市場では欧州連合(EU)が復興基金を設立する流れになったことでユーロ高が進んだ。

 ドル・円相場は週初25日には米英両国で休場だったことから閑散で動意薄になったなか、日本で緊急事態宣言が解除されるのを控えてアジア株高になったことからリスク選好で円安圧力が強まって底堅く推移し、1ドル=107円80銭近い水準にやや切り上げた。26日は実際に宣言が解除されて底堅い地合いを継続して107円90銭超に達した後、ニューヨーク市場ではシカゴ連銀全米活動指数が悪化したことから一時軟化したが、その後全米での経済活動の再開やワクチン開発への期待から株高とともに再び底堅く推移した。27日は東京市場で香港を巡る米中間の対立が嫌気されていったん107円40銭割れに下落した後、ニューヨーク委市場ではリッチモンド連銀製造業指数が予想されていたほど悪化しなかったことから107円90銭台に上昇した。しかしその後、ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁が今後の政策手段としてイールドカーブ・コントロールの導入に言及したことから、米長期金利が低下するとともにドル高圧力が一服し、上値を抑えられた。28日は東京市場で日本政府が第二次補正予算案を決めたことで株高とともに円安圧力から107円90銭付近に強含んだ後、ニューヨーク市場では終盤にトランプ米大統領が翌日に中国に関する会見を開くとされたため、米中関係の悪化が懸念されて107円60銭割れに下押した。週末29日は中国の全人代で香港向けに国家安全法が制定されたことから107円10銭割れに軟化したが、ニューヨーク市場の終盤ではトランプ大統領の会見で貿易協議での第一段階の合意事項はそのまま続くことになったことから107円90銭付近に切り返していった。

 ユーロ・ドル相場は週初25日には米英両国で休場だったことから閑散な商いのなか、1ユーロ=1.09ドル割れの水準を中心に動意薄になった。26日はロンドン市場でドイツ政府が経営不安に陥っているルフトハンザ航空の救済策を決めたことから、ユーロ高圧力が強まって1.10ドル近い水準に上昇した。しかしその後、ニューヨーク市場では全米での経済活動の再開の動きや複数のワクチン開発の動きもあってリスク選好が強まったことから上値を抑えられた。27日もロンドン市場ではEUでの7,500億ユーロの復興基金案が公表されたことで欧州株高とともにユーロ高圧力が強まり、1.10ドル台に完全に乗せたが、その後ニューヨーク市場では米国株も急伸したことからドル高圧力により1.093ドル台に軟化した。28日はロンドン市場では復興基金案の余波によるユーロ高圧力から再び上昇していき、その後ニューヨーク市場に入るといったん軟化したものの、引け際には翌日にトランプ大統領が会見を行うことが発表されて米中関係の悪化懸念によるドル安圧力から再び上昇していった。そして週末29日のニューヨーク市場ではトランプ大統領の会見を控えてドル安圧力から1.11ドル台半ば近くまで一段高になったが、会見が終わるとドル安圧力が後退して反落していった。


 今週は、明日は株価と連動している原油相場の動きを評価して今後の動きを予想するのに合わせて株価の動向も考察させていただきます。
・明日以降は、中国が全人代で事実上、香港を対象に国家安全法が制定されたのを受けて千週末29日にトランプ米大統領が会見を行いましたが、その内容を大きなテーマに分けて推察していこうと思っております。
 なお、今週も先週と同様に1日多く、週末6日まで掲載します。
 今週もよろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。