FC2ブログ

記事一覧

株価高騰で米国経済がV字回復を実現する可能性も

ポイント
・投機筋はFOMCの開催を機にリスク回避を演出したのは、パウエルFRB議長も含めて弱気見通しを公表したことがその根拠の一つとされていたが、緩和策を打ち出すには当然の動きであり、最初から仕組まれていたものであった可能性が高い。
・今後の米国経済はL字回復を見込む向きが多いが、もとより資産価格の影響力が強い性格があり、新型コロナの感染第二波が警戒されているとはいえ多分にマスコミが騒いでいることで大問題化している要素が強いため、株価高騰でV字回復の可能性は小さくない。
・ナチズム系の管轄下にあるFRBが今、関心を抱いているのが、市場に大量に流動性を供給するのと同時に短期金利だけでなく長期金利もゼロ金利状態に押し下げることだ。そこでまず、水面下でマイナス金利の導入を打診したところ、大手商業銀行系から反発を受けた。
・そこでFRBはイールドカーブ・コントロールの導入に関心を示している。ただ、日銀は0%を中心に上下0.1%(その後0.2%)の範囲内で抑え込もうとしているが、FRBは短期金利から順次、期間が長めの国債の利回りを押し下げていこうとしている。



FOMCやFRB議長の弱気見通し公表でのリスク回避演出は仕組まれたもの

 前回の最後の部分では、将来的なことはともかく、足元では依然として米ドルは基軸通貨としての信用を失っていないことを指摘した。そうした意味でも、先週9~10日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で決まったことについて簡単に見ておく。
 今回の会合で決まったことは、ゼロ金利の状態を22年末まで続けることと、毎月の資産購入量を国債で800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)で400億ドルに設定したことだ。
 FOMC委員の経済見通しも、またジェローム・パウエル連邦準備理事会(FRB)議長自身も先行きの米国経済について、回復力が鈍いといった展望を示すなど少なくとも楽観的な見方を示さなかったことで、市場ではそれも投機筋がリスク回避局面で株式を売り崩し、米国債を買い上げる要因にしていた。しかし、FRBとしては今回、緩和的な政策姿勢を打ち出すにはそうした見方を示すことは避けて通れないものであり、むしろ投機筋がそれを一つの根拠としてリスク回避局面を演出したあたり、最初から仕組まれていた動きであったといわざるを得ないものだ。


V字回復を実現する可能性は小さくない

 今後の米国経済の展望については、ドナルド・トランプ大統領が提唱しているようなV字回復になることなく、L字回復を見込む向きが圧倒的に多く、新型コロナウイルスの感染第二波が訪れるともう一度景気後退(リセッション)を迎える“ダブルディップ”に陥るとの声も聞かれる。
 ただし、新型コロナについてはこれまで当欄で述べてきたように季節性インフルエンザと変わるものではない。米国内で死者が大勢出ているのは、黒人やヒスパニック系を中心とする低所得者層の間で病院に行けずに心臓その他の内臓疾患を抱えているような人たちが、この感染症に罹ることでそうした持病を悪化させて死に至るケースがほとんどである。これまでインフルエンザで多くの死者が出ていたのと同じなのであり、権力者層の意向でマスコミ等が騒がなければ問題が大きくなるようなことはないはずだ。
 また米国経済は株価や住宅価格といった資産価格が経済成長を押し上げる影響力が非常に大きいだけに、筆者はV字回復を実現する可能性は決して小さくないと見ている。


マイナス金利はG30系を中心に多くの反対に遭う

 親イスラエル左派的で社会主義的、リベラル的なコスモポリタン系の勢力の中核である米ロックフェラー財閥本流系の直系であり、主要国の中央銀行の金融政策をこれまで統括・管理しているグループ・オブ・サーティ(G30)の管轄から離れ、実質的に親イスラエル右派的で国家主義的、民族主義的なナチズム系が主導権を握っている米ホワイトハウスの管理下に置かれることになったFRBが今、大きな関心を抱いているのが、市場に超大量の流動性を供給するのと同時に、短期金利だけでなく長期金利もできる限りゼロ金利状態に押し下げることだ。
 そこでトランプ大統領の意向を受けたパウエル議長は水面下で極秘にマイナス金利政策の適用を各方面に打診したが、収益面で打撃を受けかねない銀行業界を中心に多くの反対に遭ったのはいうまでもないことだ。ウォール街の金融資本では、これまで欧州ロスチャイルド財閥系を中心とする多国籍企業株を自社株買いで株価を高騰させてきたなかで、新型コロナ禍による大暴落から苦しい状況に陥っているゴールドマン・サックスは好反応だったという。しかし、大手商業銀行系は一様に反対したようであり、またその意向を受けて地区連銀総裁の多くも否定的な反応だったという。
 こうした地区連銀総裁の多くはいまだに前記のG30の影響下にあり、ホワイトハウスの意向では容易に動かないからだ。


FRBもYCCの導入に向けて動くことに

 そこでパウエル議長を中心とするFRB執行部は今、ホワイトハウスやその背後の権力者層の意向を受けて、日本銀行(日銀)が初めて採用したイールドカーブ・コントロール(YCC)の導入に意欲を示している。実際、FOMCが終わった後の会見でも、パウエル議長は将来的にこの制度の導入に向けて検討していることをほのめかしていたものだ。
 ただ、日銀はこの制度を導入するにあたり、10年国債の利回りを対象に、その金利水準を0%を中心に当初は上下0.1%で、後に同0.2%の範囲内で収めることを目標に、その範囲からはずれそうになれば強力に反対方向にオペレーションに動いたり、またその姿勢を示すことで対処しようとしている。
 これに対して今、FRBがその導入を検討している制度では、期間が短い金利から順次、0%水準に低下させていくことで、より長めの金利にも低下圧力を強めて実現していこうとしている。今回、FOMCでゼロ金利状態を22年末までは続けることを決めたのも、そうした政策の導入を前提にしたものであり、実際にこの政策決定を受けて2年債の利回りまでが0%付近に低下している。今後、より期間が長めの国債を対象に当初は上限目標を設定して過度な金利上昇を抑え込む姿勢を強めながら、いずれその目標を0%に引き下げたうえで買いオペレーションを強化していったり、ゼロ金利を維持する期間を延長することで対処していくのではないか。


 明日は米国側が政府、FRBともに超強力な経済救済策に迅速に動いているものの、安倍政権が打ち出した対策は史上最大規模ではあるものの、米国に比べると抑制的なものにとどまっている背景について考えることにします。
 よろしくお願いします。
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

17894176

Author:17894176
永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。