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第二段階の交渉に向けてFRBが超強力な金融緩和策を推進

ポイント
・第一段階の合意での対米輸入の増大措置のうち、エネルギー部門については江沢民派や李鵬元首相の系列の利権に打撃を与えるためだ。また農産物については、中国人が遺伝子組み換え穀物への依存度を高めることで中国人をコントロールする深慮遠謀が隠されている。
・新型コロナウイルスを投入した大きな目的の一つが、経済活動を停止させて一時的に恐慌状態に陥らせることで米国が超強力な財政・金融政策を推進することにより短期的にバブルを再燃させていき、より長期的にはその崩壊によりドル不安を引き起こすことだ。
・昨年末に米中貿易協議で対米輸入の増大だけを第一段階として取り決めておいて、構造改革に向けた要求を先送りしたのは、その時点ではまだ江沢民派を中心とする既得権益層による抵抗を撥ねつけて合意に持っていける状況にはなかったからだ。
・そこで香港の特権的な地位を廃止して習近平国家主席の権力基盤を一段と強化したうえで、無理に対米輸入を増大させて中国の国際収支の悪化を早めていき、バブルを崩壊させて信用収縮に悩まされる状況を醸成したうえで第二段階の交渉に持ち込もうとしている。



深慮遠謀が隠されている中国に対する対米輸入増大措置の義務化

 昨年6月29日の日本・大阪での米中首脳会談で米国側が当面は追加関税の発動を見送り、貿易協議の再開を決めたのを受けて、年末の12月15日の追加関税の適用の期限の直前に第一段階の合意が決まった。中国側が2年間で2,000億ドルもの対米輸入の実施を先行して取り決め、江沢民派をはじめとする抵抗勢力による抵抗から構造改革については第二段階での交渉に先送りしたのは、本年11月3日の大統領選挙を控えて再選を目指しているドナルド・トランプ大統領が“有権者受け”する成果を先行して出すことを望んだことや、中国側も追加関税の発動を恐れたことによる妥協の産物としての側面があるのはいうまでもないことだ。
 ただ輸入項目の内訳について、原油や石油製品、天然ガスといったエネルギー部門が524億ドルを占めているのは、周永康元中央政法委員会書記の系列である江沢民派が石油業界の利権を握っており、大手需要家である電力業界を牛耳っている典型的な「太子党」である李鵬元首相の子息の李小鵬交通運輸部長に打撃を与える目的が隠れているのは、これまで当欄で述べてきた通りだ。
 また先週末の当欄で述べたように、農産物が320億ドルを占めているのはトランプ大統領による大統領選挙での集票目的もさることながら、最近、戦略的に独バイエルに吸収合併された米大手化学企業モンサントが独占的に供給している遺伝子組み換え品種による穀物への中国人の依存度を飛躍的に高めることで、将来的に中国人をコントロールしていこうとしている米ロックフェラー財閥の深慮遠謀が隠されている。


いったんバブルを膨らませてそれが崩壊していくことでドル不安が到来へ

 ここで人工的に遺伝子操作によって生み出された新型コロナウイルスがこの時期に投入されたもう一つの重要な意義が見て取れる。本当は発症してもそのほとんどが軽症にとどまるにもかかわらず、どうして過大に恐怖心を煽って経済活動を停止させる“荒療治”をしたのかというと、一つはこれまで述べてきたように米国はじめ他の自由主義陣営を中心に世界的に中国に対する憎悪の感情を強めさせ、新冷戦体制の構築を後押しするためだ。ただもう一つが、大恐慌に陥るほどに経済活動を停止させて悪化させることで、各国の政府や中央銀行に巨大な財政及び金融政策を推進させるためだ。
 それもとりわけ米国政府に最大の経済救済策を取り決めて実現させ、米連邦準備理事会(FRB)にも最も強力な金融緩和策を推進させている。その一方で、世界最大の資産超過国(債権大国)であるがゆえに、米国にとって覇権国として、また米ドル基軸通貨体制を維持していくうえで圧倒的な原油輸出大国であるサウジアラビアと並ぶ中核的な属国である日本では、安倍晋三政権が史上最大規模とされる補正予算を2回も組んで経済救済策を打ち出したものの、それでも米政府が実施しているものに比べると見劣りするものだ。そのため、日本銀行(日銀)もさらに強力な量的緩和策を打ち出せる状況にはないため、将来的にドル不安による悪性インフレに見舞われる恐れが高まっている。
 ただ大事なことは、それはあくまでもまだ先の話であり、足元では米ドルの基軸通貨としての信用についてはいささかも揺らいでいないため、そうした懸念は杞憂に過ぎないことだ。むしろ、それほど信用のある通貨が超大量に供給されていけば、米国では株式や住宅といった資産市場に、さらには新興国にも資金が向かうことで、バブル化が再燃していくことが見込まれる。本格的にドル不安が顕在化するのは、これから膨れ上がっていくであろうバブルが崩壊に向かってからになりそうだ。


構造改革に向けた第二段階の交渉はバブルが崩壊してからに

 これは今後の米中関係について、それも貿易協議の第二段階の行方を占ううえで非常に大きな影響をもたらすものだ。
 昨年12月の時点で構造改革の問題については先送りし、対米輸入の大幅な増加だけを先行して第一段階として取り決めたのは、その時点ではまだ江沢民派をはじめとする抵抗勢力による抵抗を抑え込んで合意に持っていくことが難しかったからであるのはいうまでもないことだ。そこで習近平国家主席の権力基盤をさらに強化させたうえで、香港を共産党独裁体制に組み込んで特権を廃止することでこの勢力に打撃を与えることにした。そのうえで、中国ではもはや「世界の工場」としての面影がなく、近く経常収支が赤字基調に転じることが見込まれているなかで、第一段階で途方もない規模で対米輸入の増大を義務づけることで、その時期が早まることが避けられない状態にしている。そこにこれから積み上がっていくバブルが崩壊して信用収縮が強まり、米国に向けて資本流出が進みやすくなることで、抵抗勢力を抑え込んで構造改革に関する要求を呑ませやすくなるだろう。
 昨年12月に第一段階の取り決めが決まった際に、トランプ大統領は翌年には第二段階での交渉に取りかかる姿勢を見せていた。しかし、新型コロナ禍を受けて中国に対する感情が極めて悪化したのを受けて、先週末10日には「中国との関係はかなり損傷した」として現時点では第二段階の合意に向けた協議に取り組む姿勢を見せなかったのはこのためだ。


 週末の明日は、日本政府が地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画の停止を決めましたが、その本当の意味について簡単に考察しておきます。
 そこには、ナチズム系主導で米国の世界覇権を後退させるあたり、米軍が日本からも撤退していくことで日本が軍事力を飛躍的に強化していく方向性が垣間見えます。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。