FC2ブログ

記事一覧

先週の動き‥‥良好な米経済指標の発表やワクチン開発期待が優り前半に株価上伸

ポイント
・米国株は依然として米南部や西部での新型コロナの感染再拡大の動きが上値抑制要因になっている一方で、良好な米経済指標の発表やワクチン開発期待から下支えられる状況が続いたなか、週前半には後者の要因が注目されて上伸する場面が目についた。
・外為市場ではドル・円相場が動意薄を続けた一方で、EU復興基金の創設期待から週前半にユーロ高圧力が継続したが、後半には週末のEUサミットの開催を控えて今回の会議では創設が決まらないとの見方も根強かったことで上値を抑えられた。



 先週の国際金融市況も新型コロナウイルスの感染再拡大の動きやハイテク株の利益確定売り圧力が重石になったものの、良好な米経済指標の発表や米欧での追加経済救済策への期待が上回り、どちらかといえば週前半を中心に株価が上伸する場面が目についた。

 米国株は週初13日には当初、前週末に続いて新型コロナへのワクチン開発期待から大幅続伸したが、その後ハイテク株に利益確定売り圧力が強まったことや、米カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事が再び劇場やレストラン、ジムの営業を閉鎖するように指示を出したことから急反落していった。それにより、ダウは前週末比10ドル高と高値引けしたものの、ナスダックは当初上伸して史上最高値を更新してから急激に崩落したことで同226ポイント安になった。14日も米南部や西部での感染再拡大から経済活動を数段階戻す動きが散見されたことが嫌気されて当初は下落したが、その後ワクチンの開発やドナルド・トランプ政権が追加の大規模支援策を打ち出すとの期待が再燃して大型株主導で急反発していき、ダウは前日比556ドル高に、ナスダックも同97ポイント高になった。15日も年末までのワクチン開発期待がくすぶり続けただけでなくゴールドマン・サックスの好決算、ニューヨーク連銀製造業景況指数や米鉱工業生産が好調だったこと、さらには米政府や連邦準備理事会(FRB)による追加経済支援策への期待も加わって堅調に推移し、一時ハイテク株に利益確定売りが出たものの、ダウは同227ドル高に、ナスダックも同61ポイント高になった。16日は週間新規失業保険申請件数が17週連続で100万件以上のペースを維持したことが嫌気されたことや、ハイテク株の軟弱な動きも重なって反落し、ダウは同135ドル安に、ナスダックも同76ポイント安になった。週末17日は米住宅着工件数が良好な内容だったことから当初は堅調に推移したが、その後ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が予想に反して前月を下回ったことから下落していき、ダウは同62ドル安になった。ただハイテク株が切り返したことから、ナスダックは同29ポイント高とプラス圏を維持して引けた。

 日本株は週初13日には前週末に米国株が年内にワクチンが承認申請されるとの見通しから上伸したのを受けて大幅に上昇し、日経平均は前週末比493円高になった。14日は前日の米国株が終盤に米中西部で新型コロナの感染再拡大から経済活動の再開が停滞する動きが出たことで地合いが悪化した流れを受けて軟調な展開になり、前日比197円安になった。15日は前日の米国株がワクチン開発期待や米政府が追加の大規模支援策を打ち出すとの見方で大幅高になったのを受けて上伸し、同358円高になった。16日は中国の実質国内総生産(GDP)成長率が事前予想を上回ったものの、社会消費品小売総額(小売売上高)が予想を下回って依然として大きく落ち込んでいたことや、政府系メディアに批判された酒造企業株が急落して騰訊控股(テンセント)株も追随安になったことで中国株が暴落したことから軟調に推移し、同175円安になった。週末17日は前日の米国株が下落した流れを受けて利益確定売りが先行する展開になり、同73円安になった。

 外国為替市場では新型コロナ対応での欧州連合(EU)による復興基金への創設期待からユーロ高が進んだ。

 ドル・円相場は週初13日には1ドル=107円割れで始まり、東京市場からロンドン市場にかけてはワクチン開発期待による円安圧力から107円30銭台に強含んだものの、ニューヨーク市場では米国での新型コロナの感染再拡大による経済活動の再開が停止する動きから株価の急落とともにドル安圧力が強まり、上値を抑えられた。14日はワクチン開発期待の再燃や米政府が追加の大規模支援策を打ち出すとの期待によるドル高要因からニューヨーク市場の序盤に107円40銭台に強含んだが、その後ウェルズ・ファーゴの減配見通しやラエル・ブレイナードFRB理事のハト派的な発言からドル安圧力が強まり、再び上値を抑えられた。15日はワクチン開発期待がくすぶり続けたものの、外為市場では米政府とともにFRBの追加緩和策への期待が優ってドル安圧力が高まり、106円70銭割れに反落した。16日は106円台後半で推移した後、ニューヨーク市場の序盤では新規失業保険申請件数の発表を受けて株安とともに一時的にドル安圧力が強まったが、その後フィラデルフィア連銀製造業景況指数が好調な内容だったことから切り返し、107円40銭付近に上昇した。週末17日は107円超の水準を中心とする動きになり、ニューヨーク市場では一時的に米住宅着工件数が予想を上回ったことから強含んだものの、その後ミシガン大学消費者信頼感指数が予想に反して前月を下回ったことから107円を割った。

 ユーロ・ドル相場は週初13日には1ユーロ=1.13ドル台前半で始まり、東京市場からロンドン市場にかけてワクチン開発期待によるリスク選好の高まりによるユーロ高圧力から1.137ドル台に上昇したが、ニューヨーク市場では米国での新型コロナの感染再拡大による経済活動再開の停止の動きからリスク回避が強まってユーロ安圧力が高まり、反落した。14日はワクチン開発期待の再燃や米国での追加救済策への期待からリスク選好が高まってユーロ高圧力が強まり、またブレイナードFRB理事のハト派的な発言によるドル安圧力から1.141ドル付近に一段高になった。さらに15日は米ゴールドマンの好決算や良好な米経済指標の発表もあってリスク選好によるユーロ高圧力が、またFRBによる追加緩和策への見通しからドル卯安圧力も強まり、ニューヨーク市場で1.145ドル超に一段高になった。しかしその後、欧州中央銀行(ECB)理事会や、EU復興基金の創設期待が高まっているなかで、EU首脳会議(サミット)の開催を控えて利益確定の動きが出たことから反落した。16日はECB理事会で政策金利が据え置きになった後、クリスティーヌ・ラガルド総裁が会見で域内経済について回復傾向にあるとの認識を示したことや、EU復興基金への期待からユーロ高圧力が強まって前日の高値付近に再び上昇したものの、その後EUサミットの開催を控えて利益確定売りが出たことから伸び悩んだ。週末17日も実際にEUサミットが開催されたなか、基金創設への期待から強含む場面もあったが、依然として加盟各国間の見解の相違が大きく、今回の会議では創設が決まらないとの見方も根強いことから大きな動きは見られなかった。


 明日は日本でも東京を中心に新型コロナの感染者が増加していますが、その実態について見ることにします。
 明後日はナチズム系の米軍産複合体の勢力がそれなりに提携したとはいえ、ここにきて感染再拡大の動きが進んでいるように、両者の思惑がすれ違っている背景について考えることにします。
 その翌日には、すれ違いの背景の一つの要因として、米ドル基軸通貨体制を支えるうえで重要な日本でそれほど新型コロナの被害が出ておらず、米軍産系としては誤算だった可能性について考えます。
 週末には日本の政治情勢について、米国の情勢がそれなりに反映されていることをごく簡単に付記しておきます。
 今週もよろしくお願いします。
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

17894176

Author:17894176
永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。