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先週の動き・・・・欧英米の金融政策姿勢を受けて株価が乱高下

ポイント
・欧英米の中央銀行の金融政策姿勢を受けて長期金利が上昇したなか、リスク回避と銀行の収益基盤の好転がせめぎ合い、株価は動意の激しい展開になった。
・外為市場ではECBのテーパリング、英中銀の利上げ開始観測に支援されてユーロ高が一段と進む一方、ドル・円相場は強含み気味のレンジ内での動きが続いた。



 先週の国際金融市況は、日本を除く先進国・地域の中央銀行が超金融緩和策の修正に動くことを市場がようやく織り込み始めたのを背景に長期金利が上昇したなか、株価が乱高下する展開になった。

 米国株は27日に欧州中央銀行(ECB)が量的緩和策の縮小(テーパリング)に動くとの観測から欧州株が急落したことや、米国でもドナルド・トランプ政権が医療保険制度改革(オバマケア)の代替法案の採決を先送りしたことも嫌気され、ダウが前日比100ドル近く、ナスダックも同100ドル下落した。翌28日にはECB関係者がその修正に動く姿勢を見せたことや、長期金利の上昇から銀行の収益基盤が強化されるとの見方からダウが銀行株主導で同140ドル以上、ナスダックも同90ドル近く反発した。
 しかし、29日には欧米の金融政策姿勢が直接的に株式市場ではネガティブな要因としてとらえられ、リスク回避からダウが同170ドル近く、ナスダックも同90ドル下げた。週末30日は週末・月末要因でダウが同60ドル以上も反発したが、ナスダックは上値を抑えられた。
 総じて、大型株で構成されているダウは金融株に牽引されて上昇する場面が見られたのに対し、新興株主体のナスダックはハイテク株の動きに圧迫されてそれより軟弱な動きになった。

 日本株は欧米の長期金利の上昇から円安気味に推移することが多かったため、米国株が下落している場面でも総じて下げ幅は軽微なものにとどまった。
 ただ、週末30日には前日の海外市場でややリスク回避が強まって円高に振れたことから、日経平均が一時2万円を切る場面も見られ、引値では前日比190円近く下げた。

 外国為替市場では一段とユーロ高が進む一方で、総じて円は最弱通貨としての位置づけが続いた。
 ドル・円相場は1ドル=111円台で始まった後、27日に米消費者信頼感指数やリッチモンド連銀製造業指数が好調だったことから、ニューヨーク市場で112円台半ば近くまで上昇した。
 29日のニューヨーク市場では1-3月期の米国内総生産(GDP)成長率の確定値が予想に反して上方修正されたことから一時113円台に目前の水準まで買い上げられたが、すぐに長期金利の上昇がリスク回避をもたらしたことから反落し、翌30日の東京市場では111円70銭台まで下げた。しかし、その後中国の製造業景況感指数(PMI)や、米国でもシカゴ購買部協会景気指数(PMI)がかなり好調だったことから、ニューヨーク市場では112円60銭付近まで戻した。
 総じてユーロ相場主導の動きになったなかで、ドル・円相場はレンジ内での動きが続いた。

 ユーロ・ドル相場は27日のマリオ・ドラギECB総裁の発言がテーパリングに前向きだと受け止められ、ニューヨーク市場では1ユーロ=1.135ドル近い水準にまで上伸した。さらに翌28日には、ECB関係者がそうした観測の打ち消しに動いたものの、マーク・カーニー英中央銀行(イングランド銀行、BOE)総裁が利上げに前向きな発言をしたことから、ポンド高に引っ張られて上昇圧力が強まり、29日のロンドン市場では1.14ドル台半ば近くまで一段高になった。
 ただ、その後長期金利の上昇が一時的にリスク回避をもたらしたことや、良好な内容の米景気指標が発表されたことから上値を抑えられた。


 明日は今後の市況の見通しの焦点について簡単に触れた後、明後日以降は市場では先々週のFOMCで決まったFRBの金融政策姿勢が米国が世界覇権を維持するうえで不可欠なものであり、その本質について考察していきます。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
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