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先週の動き・・・・FOMCの声明文から米利上げ観測が一段と後退

ポイント
・週央以降、FOMCでの声明文の内容からFRBの追加利上げ観測がさらに後退したことで株価が一段高になる一方、外為市場ではドル安が進んだ。



 先週の国際金融市況は週初を除いてリスク選好が強まり、株価が上昇した。
 米国株は週初24日にはジャレッド・クシュナー上級顧問が上院情報特別委員会で証言したことでドナルド・トランプ政権のロシアゲート問題への不安から軟化し、ダウは前週末比70ドル近く下げた。しかし翌25日には、トランプ大統領が医療保険制度改革(オバマケア)の代替案を巡り協議の再開を決めたことから前日比100ドル高と反発した。さらに26日には、米連邦公開市場委員会(FOMC)で公表された声明文の内容を受けて連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が後退したことや主力企業の好決算から、同100ドル近く続伸して史上最高値を更新した。
 その後も利上げ観測の後退が強まるなか、好決算の発表が続いたことや、耐久財受注はじめ良好な内容の米景気指標の発表が散見されたことも重なり、翌27日も同85ドル高になるなど、週末28日にかけて最高値を更新し続けた。
 それにより、ダウは週初24日を除く4日間で317ドルも上昇した。

 日本株は為替が円高気味に振れたことから、世界的な株価の動きのなかで唯一、弱含んだ。
日経平均は週初24日にはロシアゲート問題による円高(ドル安)から前週末比124円安になった。週央26日にはFOMCでの声明文の公表を控えて円安に振れたことから前日比100円近く上昇して2万円台を回復したが、週末28日には再び円高(ドル安)に振れたことから同120円近く下げて再び2万円を割り込んだ。

 外国為替市場では週央以降、米利上げ観測の後退から再びドル安が進んだ。
 ドル・円相場は週初24日にはロシアゲート問題の高まりからニューヨーク市場で1ドル=110円60銭超に軟化した。ただ、翌25日には米消費者信頼感指数が良好な内容だったことから米長期金利が上昇したことでドル高圧力が強まり、さらに26日にはFOMCでの声明文でFRBのバランスシートの縮小を示唆する内容になるとの思惑から、ロンドン市場では112円20銭近くまで上昇した。
 しかし、声明文が公表されると追加利上げ観測の後退からドル安が進みやすくなり、翌27日にはスティーブン・ムニューシン財務長官が為替操作国に対して相殺介入を示唆する発言をしたことや、共和党も税制改革案に国境調整を含まないとの声明を出したことから一段と下落した。
 週末28日にはラインス・プリーバス大統領首席補佐官が更迭されたことからトランプ政権の動揺が意識されたことや、米国内総生産(GDP)成長率が事前予想を下回り、特に個人消費支出(PCE)価格指数が大幅に鈍化したことが意識されて一段とドル安圧力が強まった。さらに、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したことでリスク回避による円高圧力も重なり、ニューヨーク市場では110円50銭台にまで下落した。

 ユーロ・ドル相場も週央以降、ドル安圧力から上昇しやすくなった。
 週初24日にはユーロ圏製造業景況感指数(PMI)が低下したことから東京市場の終盤に1ユーロ=1.163ドル割れに下げたが、すぐにニューヨーク市場ではロシアゲート問題の高まりから押し上げられた。26日のロンドン市場ではFOMCでの声明文の公表を控えて再び1.162ドル割れに下げたが、公表後には米追加利上げ観測の後退からドル安圧力が強まり、上昇しやすくなった。
 さらに週末28日のニューヨーク市場にかけて、ムニューシン財務長官の相殺介入発言やプリーバス首席補佐官の更迭、米GDP統計の発表を受けて一段高になり、ニューヨーク市場では1.17ドル超に達した。

 先週は米国ではロシアゲート問題でのクシュナー上級顧問の証言やプリーバス首席補佐官の更迭、さらにはジェフ・セッションズ司法長官に対するトランプ大統領による度重なるツイッターでの攻撃に対して共和党から批判が高まっているなど、相変わらずトランプ大統領を巡る動揺や醜聞の話が出てきた。
 それに関連し、25日には下院がロシア制裁強化法案を圧倒的多数で可決し、拒否権を行使しても成立する可能性が高まっていることからトランプ大統領が仕方なく署名する意向を示したが、これに対してロシアのウラジーミル・プーチン大統領が対抗措置を講じる姿勢を示した。
 さらに日本国内では相変わらず森友学園や加計学園を巡る問題が紛糾したなか、週末28日には特別防衛観察が陸自の幹部が日報を意図的に隠蔽したとの報告を出したのを受けて、稲田朋美防衛相(当時)が引責辞任した。そして同日深夜には再び北朝鮮がICBMを発射するなど、いろいろなことが起こった。
 ただ足元の市場ではFRBの追加利上げ観測の後退が最大のテーマになっているので、25~26日に開催されたFOMCでの声明文の内容から検証していく。


 明日はfFOMCでの声明文の内容を検証したうえで、明後日は米国のロシア関連制裁法案について考察します。
 週末の2日間は北朝鮮によるICBMの発射と防衛相の辞任の背後事情について見ていきます。
 今週もよろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。