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先週の動き・・・・北朝鮮情勢の緊迫化からリスク回避が進む

ポイント
・8日にトランプ米大統領が「炎と怒り」発言をし、それに対抗して北朝鮮側もグアム島沖にミサイルを撃ち込む計画を公表したことでリスク回避が強まり、円高や株安が進んだ。



 先週の国際金融市況は北朝鮮問題をめぐる米国との緊張の高まりによる地政学的リスクからリスク回避が意識され、アジア株を中心に世界的に株価が急落した。
 米国株は週初7日には先週までの地合いを引き継いで底堅く推移してダウは史上最高値を更新する展開が続いたが、翌8日にドナルド・トランプ米大統領が北朝鮮に対して「炎と怒り」発言をした頃からリスク回避が強まりだした。
 その後、北朝鮮側がグアム島沖にミサイルを撃ち込む姿勢を示して対抗したが、米国側もトランプ大統領が軍事的な対応も含む強硬姿勢を発し続け、ジェームズ・マティス国防長官も警告を発する発言をするなど両国間で“舌戦”がエスカレートした。
 それにより、ダウは10日に前日比200ドル以上も急落したのをはじめ、8日からの3日間で270ドル超も下落した。

 日本株も北朝鮮問題による円高圧力もあって米国株以上に強力な下げ圧力を受け、それを日本銀行(日銀)による上場投資信託(ETF)が買い支えることで下げ圧力を吸収する展開になった。
 日経平均は週初7日には前週末4日に良好な内容の米雇用統計が発表された余波で前週末比100円超も上昇して一時2万円台を回復したが、翌8日には円高から軟調な地合いに移行した。
 さらにトランプ米大統領が北朝鮮に強硬な姿勢を示す発言をしたことで世界的にリスク回避が強まりだすと、翌9日には北朝鮮がグアム島沖へのミサイル発射計画を公表したことから前日比260円近く急落した。ただ、連休を控えた翌10日には日銀が強力にETF買いで支えたことから小幅安にとどまった。

 外国為替市場ではリスク回避から円高圧力が強まった。
 週初7日には前週末に米雇用統計が発表された余波からドル高圧力が根強い状態が続いたが、複数の地区連銀総裁によるハト派的な発言から上値を抑えられて1ドル=110円台の動きになった。
 翌8日のニューヨーク市場からトランプ大統領の発言を機に北朝鮮問題が意識されてリスク回避から下がりやすくなり、翌9日の東京市場では北朝鮮のミサイル発射計画の発表もあってアジア株の急落とともに110円を割った。
 翌10日のニューヨーク市場でも米国株の急落から軟弱な展開が続き、週末11日には米消費者物価指数(CPI)が事前予想を下回ったことからドル安圧力が強まり、108円台後半に一段安になった。

 ユーロ・ドル相場は市場の関心がリスク回避による円買いに向いたなか、動意薄の展開になった。
 週前半には前週末に米雇用統計が発表された余波によるドル高圧力と地区連銀総裁によるハト派的な発言が相殺し、1ユーロ=1.18ドルを挟む動きになった。その後、9日には北朝鮮問題の高まりによるリスク回避の強まりからロンドン市場で一時1.17ドルを割ったが、すぐに1.18ドルを挟む動きに回帰した。


三点底を形成する動きに見えるが・・・・

 ドル・円相場は4月17日の1ドル=108円13銭、6月14日の108円84銭に続く今年3回目の108円台をつけた。テクニカル的には三点底(トリプル・ボトム)を形成しつつあるような感があり、週明け以降、北朝鮮リスクが軽減することで反発していき、110円台に乗せてくるとそれが形成されることが確認できる。
 直近の1年サイクルが昨年6月24日の99円から始まっており、現時点では今年4月の安値でこれが底入れして新1年サイクルに移行していると判断している。ただ、「オーブ(許容範囲)」を考えると、この底入れの時期が8月中にまで延長されている可能性があることに留意する必要がある。


 今週は、明日は先週の一連の米地区連銀総裁の発言からうかがわれることについて簡単に検証しておきます。
 明後日以降は週末にかけて、最近の北朝鮮をめぐる問題を採り上げます。
 米国側ではここにきてトランプ大統領が相手を挑発する発言を繰り返し、それに北朝鮮も無視せずに過敏に反発している背景について考察します。
 今週もよろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。