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意図的に緊張を煽る米政権と歩調を合わせて応戦する北朝鮮

ポイント
・今回の北朝鮮問題は8日にトランプ米大統領が「炎と怒り」発言をし、北朝鮮側がグアム島沖にミサイルを撃ち込む計画を公表したことで激化したように多分にヤラセである。
・朝鮮人民軍幹部を通じて親イスラエル的な勢力が北朝鮮を操っており、この勢力がトランプ米政権でも主導権を握っているので、“ヤラセ騒動”が起こっておかしくない。



米中関係が一時好転するもその後急激に悪化しかねない状況に

 先週はなんといっても米国と北朝鮮との関係が一気に緊迫化したことに巷間の関心が集中してしまい、国際金融市場でも一気にリスク回避が強まった。習近平国家主席が自身の終身的な専制権力体制の構築に向かっているなかで、中国専門家のみならず、国際情勢のウォッチャーの多くが北載河会議の動向をつかもうとしていたものだ。そうしたなかで北朝鮮情勢が急激に緊迫化したので、まさに北載河会議の話題が“消え去った”状況になった。

 そもそも、北朝鮮情勢については前週の段階では楽観的なムードが漂っていたものだ。当時、米国側ではレックス・ティラーソン国務長官が北朝鮮の核放棄を前提に体制の崩壊を求めないことや、朝鮮半島の北緯38度線を越えて進撃したり、南北統一を急ぐこともしないといったことを以前、述べていたが、これを再確認する発言をした。中国側が「4つのノー」と呼んでいるものであり、この発言を受けてすかさず王毅外相がこれを歓迎する意向を示したものだ。
 そのさらに前週末にはロバート・ライトハウザー米通商代表部(USTR)代表が中国が大規模な不公正貿易を行い、米国が多大な不利益を被っているとして通商法301条を適用して調査する意向を示したことで、両大国間の関係が“ギクシャク”していた。それが翌週には一時的に“雪解け”に向かったにもかかわらず、さらにその翌週(先週)は北朝鮮情勢の緊迫化から一気に関係が極めて悪化しかねない状況になってしまった。


危機を演出して作為的に煽り立てるシナリオ通りの展開か

 そもそも、今回の北朝鮮情勢の緊迫化はドナルド・トランプ大統領を中心に、米国側が意図的に煽って演出しているのは明らかだ。発端は8日にトランプ大統領が「北朝鮮は米国やその同盟国に脅しをかけると世界がこれまで見たことがないような『炎と怒り』に直面するだろう」と述べたことから始まった。これに反発した北朝鮮が翌9日に、米軍が駐留している米領グアム島沖に中距離弾道ミサイル「火星12」を撃ち込む計画を公表した。
 これに対し、ティラーソン国務長官は「北朝鮮が切迫した脅威とは考えていない。大統領の発言は、米国は自国やその同盟国を守る能力や意志があることを伝えたかっただけ」と述べて事態の沈静化に動いた。しかし、ジェームズ・マティス国防長官は「北朝鮮は世界から孤立して核武装に突き進むことで、体制の終わりや国民の滅亡につながる行動をすべてやめるべきだ」と反対のことを述べて火に油を注いだ。
 翌10日には朝鮮人民軍の司令官がトランプ大統領の“妄言”を非難し、グアム島包囲射撃を人民に公開することを検討すると表明した。これに対し、トランプ大統領もこれに反撃して同日に「グアム島に何かしたら誰も見たことがないようなことが起こる」と発言した。さらに翌11日にはツイッターで「北朝鮮が“浅はか”な行動をとるなら、軍事的な解決をとる準備は完全に整っている」と書き込み、まさに戦争状態に突入することも辞さない姿勢を示した。

 さらにいえば、8日には米国防総省傘下の国防情報局が、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)への搭載を可能にする核弾頭の小型化に成功したといったリポートを出したことを、ワシントンポスト紙が報じたことも付記する必要がある。これを受けてトランプ大統領が“過激”な発言をするようになったと言えなくもないが、問題はどうしてこの時期にそうした機密文書が大手報道機関にリークされたのかということだ。そこには、危機を演出して煽り立てるシナリオ通りの動きが展開している可能性を考えないわけにいかない。
 またティラーソン国務長官がハト派的な言動が目立つのに対してマティス国防長官はトランプ大統領に迎合してタカ派的な発言をしたが、この機密文書を暴露したのが国防総省であることも指摘できる――すなわち、その背後には軍需産業の意向を映した新保守主義(ネオコン)派の意向が強く働いていると思われることだ。


同じ勢力に操られている北朝鮮が米政権と歩調を合わせて動いて当然

 まさにトランプ大統領自身が積極的に“舌戦”を仕掛け、これに北朝鮮側も無視することなく、それに反応して激しく反発しているのは明らかである。まずここで指摘すべきなのは、北朝鮮は親イスラエル的な共和党系ネオコン派に操られていることだ。
 北朝鮮では金正日(キム・ジョンイル)前政権期から「先軍政治」が推進されて朝鮮人民軍が主導権を握っているが、その軍を操っているのが米共和党系ネオコン派であるからだ。北朝鮮に核開発やミサイル発射の技術を教授しているのは、ここにきてウクライナの技術を盗用したといったことがいわれているが、本当はドナルド・ラムズフェルド元米国防長官が深く関与しているスイスの巨大軍需企業だ。
 金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長は本当は祖父の金日成(キム・イルソン)元国家主席や父親の金正日前労働党総書記と同様に既に殺されており、イスラエル諜報工作員がしつらえた“替え玉”にすり替わっているという。“巨デブの若造”ごときの金委員長がアドルフ・ヒトラーやヨシフ・スターリンをほうふつとさせるほどの“恐怖政治”を繰り広げることができるのも、そうしたことを考えれば得心がいくというものだ。
 トランプ大統領の背後に控えているのも、大統領自身が娘婿のジャレッド・クシュナー上級顧問を介して親イスラエル、サウジアラビア的な姿勢を見せているように、共和党系ネオコン派が大きな影響力を行使しているので、北朝鮮と歩調を合わせて動いておかしくないと言える。


 明日も明後日の週末にかけて今回の続きを掲載します。
 今回は北朝鮮問題の前段階のような説明にとどまりましたが、明日は米国の世界戦略の観点からより地政学的な問題に踏み込んで考察します。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
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