記事一覧

先週の動き・・・・税制改革期待と米大統領の言動が綱引き

ポイント
・米国での税制改革期待や債務上限引き上げへの期待がリスク資産市況の下支え要因になる一方で、相変わらずトランプ大統領の言動がその重しになった。


 先週の国際金融市況は北朝鮮リスクが後退しているなかで、ドナルド・トランプ米政権の動向が株価はじめリスク資産市況の動きに影響を及ぼした。
 米国では税制改革の行方や債務上限引き上げ問題が焦点になっているなかで、22日にはスティーブン・ムニューシン財務長官やゲーリー・コーン国家経済会議(NEC)委員長らが楽観的な見通しを示したことからダウが前日比200ドル近く上昇した。しかし翌23日には、トランプ大統領が政府機関が閉鎖されてもメキシコ国境沿いに壁を建設すると述べたことから同90ドル近く下落した。総じて2万1,800ドル前後で方向感のない動きになった。

 日本株も米政権の動向を背景とする円相場の動きに左右される以外に、それほど大きな動きが見られなかった。週初21日には円高から日経平均が前週末比80円近く、24日も前日比80円安になった一方で、週末25日には同100円近く上昇した。

 外国為替市場でも主に米政権の動きに影響を受ける展開になった。
 ドル・円相場は1ドル=109円近い水準で始まった後、週前半には米国での税制改革期待から23日の東京市場では109円80銭台に上昇した。その後、トランプ米大統領による「メキシコの壁」発言から政権への不安が高まり、ニューヨーク市場では一気に109円割れまで下げた。その後、109円を挟む動きになりながらも、米国での税制改革案や債務上限引き上げへの期待から次第に強含んでいった。
 週末25日には、米ジャクソンホールでの講演でジャネット・イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が追加利上げに向けてタカ派的な発言をするとの期待から、東京市場の終盤では109円80銭まで再び上昇したが、実際には講演では金融政策に言及されなかったことから一転して109円10銭まで反落した。

 ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.17ドル台での小動きが続いた後、24日には良好なドイツの経済指標の発表を受けて1.18ドル超にやや水準を切り上げた。週末25日のニューヨーク市場では米ジャクソンホールでの講演で、マリオ・ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は特にタカ派的な発言をしたわけではなかったが、市場では量的緩和策の縮小(テーパリング)に向かうとの期待が高まったことで、一気に1.19ドル台半ば近くまで急上昇した。

 北朝鮮リスクについては、21日から米韓合同軍事演習が実施されているのに反発して26日には同国が短距離弾道ミサイル3発を発射したが、あくまでも“形式的”なものに過ぎず、米朝両国で当面は対立をエスカレートさせないように配慮していることがうかがわれる。とはいえ、来週9日に北朝鮮で建国記念日を迎えるまでは“ヤラセ”的な衝突が起こる可能性もなくはなく、リスク回避による円高や株安リスクを抱える状況が続きそうだ。
 またFRBはこれまでのところ、意図的にハト派的な地区連銀総裁に活発に発言をさせているようだが、9月19~20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を機にタカ派的な総裁に発言をさせるようになると、12月の追加利上げ観測が高まる状況になっていくことが考えられる。
 さらには、来週7日に開催されるECB理事会で年明け以降のテーパリングの実施に向けて議論することが明らかになると、ひとまず材料出尽くしでユーロ高修正が進むことも考えらえるだろう。


 今週は、明日は直接的に市況に関係する要因として、米ジャクソンホールでのイエレンFRB議長とドラギECB総裁の発言について検証をしておきます。
 今回の講演では金融規制が主要なテーマであり、金融政策に関する話はありませんでしたが、断片的にそれに関する証言を集めることで検証したいと思います。
 明後日以降は、米政権の主導権が欧州系財閥から米系財閥に変わったことで北朝鮮問題の本質も変わっていきましたが、それをもう一度、体系的に採り上げます。
 さらに、そこには中国で北載河会議が終わり、習近平国家主席が権力基盤を盤石なものにしたことも関係しているので、週末1日には中国情勢を考察します。
 よろしくお願いします。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

17894176

Author:17894176
永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。