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ドル高は離陸寸前、ユーロ高はひとまず終わりか?

ポイント
・ドル・円相場は北朝鮮の日本上空を飛び越えたミサイル発射で108円台前半に下げたが4月の安値を下回らず、核実験が実施されても応分の下値の堅さが見受けられ、底入れの兆候が見受けられる。
・ついに一時1ユーロ=1.2ドル台に乗せたが、今回はテーパリング計画の公表の可能性がないことがECB関係者から明言されたことで、ひとまずユーロ高修正が進むことが濃厚に。



ドル・円は下値抵抗の強さが認められ底入れも

 ドル・円相場は北朝鮮リスクの高まりによる円高圧力から再び1ドル=108円台に軟化したが、4月17日の108円13銭の安値は下回らなかった。このままこの安値を割り込まずに上昇していけば、1年サイクルがこの安値で底入れして新上昇局面に移行していることが確認されると同時に、6月14日の108円84銭の安値とともに三点底(トリプルボトム)を形成することになり、これから上昇しやすくなるはずだ。
 足元では北朝鮮問題をめぐり、依然として緊張状態が強い状態が続いており、9日の建国記念日に向けて、さらには10月10日の労働党創建記念日に向けてミサイル発射に踏み切り、最終的には軍事衝突に至る可能性も強まりつつあり、予断を許さない。それに加え、北朝鮮問題の高まりから議会も政権側に協力することが求められるなど、以前に比べると不安感が薄れているとはいえ、米国でも債務上限引き上げや予算策定問題が迫っており、米国債が債務不履行(デフォルト)に陥ったり政府機関が閉鎖される恐れがあることが懸念される。
 ただ、週末1日には米雇用統計が事前予想を下回ったことでドル安に振れてもすぐに押し返されるあたり、下値抵抗の強さがうかがえる。さらに3日に北朝鮮が6回目の核実験に踏み切ったのを受けて、週明けには109円台前半まで反落したが、それでも108円台への再突入が避けられており、応分の下値の堅さが見て取れる。このまま下がらずに111円台に乗せてくると、円買いポジションの手仕舞いが一気に出てくることで上昇に弾みがつく可能性がありそうだ。


ユーロ高もそろそろひとまず終焉か

 またその一方でユーロ高傾向が止まらず、先週29日にはついに対ドルで1ユーロ=1.2ドル台に到達したが、“いい加減”そろそろ達成感が出ておかしくない。
 これまで、欧州中央銀行(ECB)理事会が近づくとそこで量的緩和策の縮小(テーパリング)や利上げが決まったり、決まらないまでもその計画が公表されるといったことをはやしてユーロが買い進まれてきた。マリオ・ドラギ総裁はじめECB執行部がしばしば現行の量的緩和策をこのまま続ける意向を示しても、市場はそれを無視し続けてきた。
 しかし、ECBは既に年末までは現行の国債をはじめとする資産を毎月600億ユーロのペースで買い入れる政策を続けることを決めているなかで、テーパリングの計画の公表についても関係者が明確に12月まではそれがないことを明言している。それによりこれからユーロ買いポジションの整理が進むとともに、ひとまず行き過ぎたユーロ高の修正が進んでいく場面になっておかしくない。


 明日は先週末に発表された米雇用統計について検証しておきます。
 明後日は北朝鮮問題について、日本上空を越えたミサイル発射に絞って考察します。
 週末は中国の動向に焦点を当てて、歴史的な観点での大局的な潮流について考えることにします。
 なお、3日に北朝鮮が核実験に踏み切りましたが、それについての詳細な考察は十分に検証をしたうえで、来週に掲載したいと思います。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。