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先週の動き・・・・北朝鮮問題での融和的な動きもあって総じて株高に

ポイント
・米輸入制限措置が実際に決まると悲観的なムードが後退したことや、金正恩委員長と会談した韓国の特使が朝鮮半島の非核化に言及したことや米朝首脳会談の開催が発表されたことで北朝鮮リスクが後退したこと、強気な米雇用統計の発表からおおむね株高になった。
・外為市場では米輸入制限措置に伴う悲観的なムードの後退や北朝鮮リスクの後退、強気な米雇用統計の発表円安含みになった一方で、ECB理事会での声明やドラギ総裁の会見を受けてユーロ相場が動意の激しい展開になった。



 先週の国際金融市場は不安定な動きを継続しながらも、総じてリスク選好が強まりだして株価が上昇した。
 米国株は前週後半にドナルド・トランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムに輸入関税を課すことを発表したことで急落したなか、週初5日には大統領がカナダとメキシコにそれが撤回される可能性をほのめかしたことから、ダウが前週末比330ドル以上も反発した。その後、やや不安定な展開が続いたなか、週央7日にはゲーリー・コーン米国家経済会議(NEC)委員長が辞意を表明したことが嫌気されて一時前日比350ドル以上も下げたが、その後米地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容が好感されたこともあり、同80ドル超にまで下げ幅をかなり縮小した。
 その後、8日にはトランプ大統領が実際に輸入制限措置に署名して成立すると、当初言われていたほど強硬な措置にならなかったと評価されて底堅い地合いを継続し、同90ドル以上も上昇した。さらに週末9日には、5月までに米朝首脳会談が開催されることが発表されたことで北朝鮮リスクがかなり後退したなか、米雇用統計でも非農業部門の雇用者数の前月比の増加幅が30万人を超す極めて良好な内容になったことも重なり、ダウは同440ドル高と大幅続伸となって2万5,000ドル台を回復し、ナスダックも同130ポイント以上も上昇した。
 この結果、先週1週間でダウは800ドル近くも上昇した。

 日本株も米国株ほどではないが総じて堅調な足取りになった。
 週初5日には為替が円高に振れたこともあって軟調な展開になり、日経平均は前週末比140円近く下げた。しかし翌6日には、前日に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会談した韓国の特使が対話が持続する限り核実験やミサイル発射をしないことや、朝鮮半島の非核化に言及したことが好感されてリスク選好が強まり、前日比360円近くも上伸した。
 7日にはコーン米NEC委員長の辞任報道から同165円安になったが、翌8日には安値を買い拾われて同115円高と切り返した。さらに週末9日には米朝首脳会談の開催が発表されたことで北朝鮮リスクが一段と後退したことから続伸し、同100円超も上げた。

 外国為替市場ではリスク選好から円安含みになった一方、ユーロ相場が動意の激しい展開になった。
 ドル・円相場は前週後半に米トランプ政権による保護主義的な措置を受けてリスク回避が強まったことから軟化したことで1ドル=105円台で始まった後、週初5日のニューヨーク市場では106円台前半に水準を戻した。さらに翌6日の東京市場では、朝鮮半島の非核化の可能性に触れるなど北朝鮮リスクの後退から106円台半ば付近まで水準を切り上げた。しかし、ニューヨーク市場の終盤ではコーンNEC委員長の辞任問題が報じられたことで下落していき、翌7日の東京市場の終盤では105円台半ば付近まで水準を切り下げた。
 その後、リスク回避ムードの後退から106円を挟んで動きにくい展開になった後、週末9日には米朝首脳会談の開催が報じられて再び上がりやすくなった。さらにニューヨーク市場では米雇用統計の発表を受けてドル高圧力が強まったことから、瞬間的に107円台に乗せた。

 ユーロ・ドル相場は4日にドイツで社会民主党(SPD)が党員投票で大連立内閣への参加を承認したことで第4次アンゲラ・メルケル政権の成立が決定的になったことからユーロ高圧力が強まり、5日の東京市場では1ユーロ=1.23ドル台前半に水準を切り上げた。さらに翌6日のニューヨーク市場ではコーン米NEC委員長の辞任報道によるドル安圧力から、1.24ドル台前半に一段高になった。
 その後8日のロンドン市場では、欧州中央銀行(ECB)理事会が終わると声明で量的緩和に関する文言が削除されたことから1.24ドル台後半に上伸したが、直後の会見でマリオ・ドラギ総裁が政策姿勢やインフレ見通しにハト派的な見解を述べたことから一転して下げ圧力が強まり、ニューヨーク市場では瞬間的に1.23ドル割れまで下げた。さらに週末9日のニューヨーク市場では米雇用統計の発表を受けたドル高圧力から、1.227ドル台までさらに値位置を切り下げた。


 今週は、明日は先週、開催されたECB理事会の結果をごく簡単に触れておきます。
 明後日は先週末に発表された米雇用統計の内容を簡単に検証します。
 明後日以降は先週、世界を驚かせた北朝鮮問題について考察していきます。
 この問題が一転して南北間や米朝間で融和ムードになった背景や、その背後の米国による対中国政策について考えたうえで、鉄鋼やアルミの輸入制限措置、中国で足元で全人代が開催されていることも絡めて考えていきます。
 今週は1日多く、17日土曜日まで掲載する予定でおります。
 今週もよろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。