FC2ブログ

記事一覧

先週の動き・・・・株も為替も国際商品も膠着状態

ポイント
・良好な米景気指標が発表されると株高、ドル高に、米国による保護主義的な動きや日米の政局不安が出ると円高や株安に振れるなか、株価も為替相場も、さらには国際商品市況に至るまで保合いの膠着状態になっている。



 先週の国際金融市況も方向感のない動きになった。
 米国株は週初12日には前週末9日に米雇用統計の発表から急伸したのを受けて利食い売り圧力が強まるなか、米ドナルド・トランプ政権の保護主義的な通商政策姿勢も嫌気されて軟化し、ダウは前週末比160ドル近く下げた。翌13日もレックス・ティラーソン国務長官が解任されたことで米政局不安から、前日比170ドル超も続落した。
 さらに14日も知的財産権の侵害に対する被害から中国に最大で600億ドルもの関税をかけることが検討されていると報じられたことや、トランプ大統領もツイッターで同国に年間で1,000億ドルもの対米貿易黒字の削減を求めたことから一段と地合いが悪化し、同250ドル近く下落して2万5,000ドルを割った。
 しかし、15日には週間失業保険申請件数やニューヨーク連銀製造業景況指数が極めて良好な内容だったことからようやく地合いが好転し、同115ドル高と反発した。さらに週末16日もミシガン大学消費者信頼感指数や鉱工業生産指数が好調だったことから続伸し、同70ドル超ほど上昇した。

 米国株が週前半に軟調、後半に反発したのに対し、日本株は週前半に上昇して後半に反落した。
 週初12日には前週末の米国株が急伸したのを受けて買い上げられ、日経平均は一時前週末比500円近く上昇したが、財務省による決裁報告書の書き換え問題による日本の政局不安から上値を抑えられ、同350円超の上昇幅にとどまった。翌13日には買い余力がまだくすぶっていたなか、円安気味に振れたこともあって前日比150円近く続伸した。
 しかし、19日にはティラーソン米国務長官の解任報道の余波から同190円安と反落した。15日には小動きとなった後、週末16日には再び円高から同130円近く下落した。

 外国為替市場でもこれまでのレンジ内での動きが続いた。
 ドル・円相場は日本の財務省理財局の改ざん問題による政局不安や米国の通商問題での保護主義的な姿勢から円高圧力がくすぶる一方で、良好な米景気指標の発表から株高になるとドル高圧力が強まるなか、1ドル=106円台を中心に推移した。
 先週初12日には106円台後半で始まった後、日本の政局不安が嫌気されて106円台前半に軟化した。翌13日のニューヨーク市場では米消費者物価指数(CPI)が予想通りの伸びとなり、来週20~21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げの決定が一段と確実視されたことから107円30銭近くまで上昇したが、すぐにティラーソン国務長官の解任が伝えられて106円台に下落した。さらに14日のニューヨーク市場では、米政府やトランプ大統領が中国に対して通商問題で強硬な措置の導入を示唆したことから一段安になり、翌15日の東京市場では日本の政局不安も加わって105円70銭台まで下落した。
 その後、いったん良好な米景気指標の発表からニューヨーク市場では106円40銭付近まで戻したが、すぐに米政府がロシアに対して制裁措置を打ち出したことから再び地合いが悪化し、週末16日の東京市場では105円60銭台まで下げた。その後、再び米景気指標が好調な内容だったことから、ニューヨーク市場では106円40銭近くまで戻した。

 ユーロ・ドル相場は欧州中央銀行(ECB)執行部からハト派的な発言が出たことで下振れる局面が見られた。
 週初12日には1ユーロ=1.23ドル台前半で始まった後、13日のニューヨーク市場ではティラーソン米国務長官の解任報道で1.24ドル台乗せに上昇した。しかし14日のロンドン市場では、マリオ・ドラギECB総裁がユーロ高を牽制するなどハト派的な発言をしたことから1.23ドル台に復帰した。さらに翌15日のニューヨーク市場では良好な米景気指標の発表によるドル高圧力から1.23ドルを割り、週末16日のロンドン市場ではECBのペーター・プラート専務理事の発言がハト派的と受け止められたことから1.22ドル台半ば近くまで下げた。


注目される二大国際商品の動き

 依然として株価も主要通貨の為替相場も、さらにそれらに連動している国際商品市況では金相場や原油相場に至るまで、ほとんどの市況が保合いでの推移を続けている。ただ、先週末には原油相場がこれを上放れるのに対し、金相場が下放れる兆しを見せているのが注目される。
 このうち、原油相場は株価と連動する傾向があるだけに、株価が上放れて上昇していくことを暗示している可能性がある。これに対し、金相場は「永遠不変にして普遍」の「無国籍通貨」としての性格からドル相場と逆相関の関係にあり、また究極の安全資産としての性格からリスク資産の代表である株価とも逆相関の動きを示すことが多い。原油相場の動きと合わせて考えるなら株高を示唆しているといえるが、これからドル高が進む可能性についても考慮すべきだろう。

 最近では、米国で良好な景気指標が発表されると株高とともにドル高に振れることが多くなっているだけに、やがてそうした傾向が強まることを暗示しているといえなくもない。2月中には良好な指標の発表で米長期金利が上昇すると株価が動揺することが多かったが、これからはそうした不安は払拭されていくのだろう。
 ただし、最近では通商面で米国と欧州連合(EU)との対立が強まりつつあるが、米国はドル安をもたらしているECBの超金融緩和策も批判しているだけに、対ユーロでドル高がいつまでも続くことはないはずだ。


 今週は、明日、明後日には米国がさらに中国に対して通商面で圧力を強める姿勢に出ているなかで、その中国に対して米国が何を考えているか改めて考察します。
 今週後半には財務省による決裁文書の改ざん問題で安倍政権が苦しい状況に追い込まれているなかで、その背後にどのような思惑があるのか、米国との関係を踏まえて考えることにします。
 今週もよろしくお願いします。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

17894176

Author:17894176
永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。