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先週の動き・・・・米中貿易戦争への懸念に振り回される展開が続く

ポイント
・米中貿易戦争への懸念に市場が振り回されているなか、週央に米通商関係の閣僚が交渉を優先する姿勢を示したことから株価が戻したものの、週末にはトランプ米大統領が中国側の報復措置を批判して追加措置を打ち出す姿勢を示したことから再び株価が急落した。
・外為市場でも週央に貿易戦争への懸念が後退したことからドル高に振れたが、週末にはその懸念が再燃したことから再びドル安気味に推移した。



 先週の国際金融市況も主に米国と中国との間での通商問題を背景に動意の激しい展開を継続した。
 米国株は週初2日には前週に米国側が知的財産権の侵害問題で中国からの輸入に500億ドル相当分の関税を課す措置に出たのに対し、中国側が前日に報復関税を課すことを発表したことから、両大国間での貿易戦争への懸念が高まって急落し、ダウは一時的に2月9日の安値を下回って引値でも前週末比460ドル近く下げて2万4,000ドルを割り、ナスダックも同190ポイント超も下落した。
 ただ、3日にはドナルド・トランプ政権の通商関係の閣僚が中国と交渉する動きを示したことからその懸念が後退し、ダウは前日比390ドル近く戻した。翌4日もホワイトハウスが中国に対してこれ以上の追加措置を検討していないと表明したことから同230ドル高に、5日も米政府高官が交渉を優先する姿勢を示したことから同240ドル高と連日の続伸となった。
 しかし、週末6日にはトランプ大統領が中国の報復措置を批判して米通商代表部(USTR)に1,000億ドルもの関税上乗せを指示したと報じられ、これに中国側がさらに報復に出ることを匂わせる姿勢を示したことから再び貿易戦争への懸念が高まり、ダウは570ドル超もの急落となって再び2万4,000ドルを割り、ナスダックも同160ポイント超も下げた。

 日本株は米国株に比べるとそれほど大きな値動きにはならなかった。
 週初2日には堅調に始まったものの、前日に中国側が報復関税を課すことを発表したことから値位置を下げていき、日経平均は前週末比65円安になった。翌3日もその流れを受けて前日比100円近く続落した。4日はその懸念が後退したことから底堅く推移したが、積極的に買われる展開にはならず上値を抑えられ、上昇幅は同30円に満たなかった。ところが、翌5日には引けにかけて買われていき、同320円以上も上昇した。
 しかし、週末6日にはトランプ米大統領が追加措置を打ち出す姿勢を示したのに対し、中国側もさらに報復に出ることを示唆したことから売られやすくなり、同80円近く反落した。

 外国為替市場では米中貿易戦争の高まりから、週初と週末にドル安圧力が強まった。
 ドル・円相場は週初2日の東京市場では1ドル=106円台前半で始まった後、前日に中国側が報復関税に出たことが嫌気されてニューヨーク市場では105円60銭台に軟化した。その後、米通商関係の閣僚が中国側と交渉を優先する姿勢を示したり、市場の動揺を沈静化させるように配慮する発言をしたことから貿易戦争への懸念が後退したことで徐々に値位置を切り上げていき、5日のニューヨーク市場では107円台半ば付近まで上昇した。
 しかし、週末6日にはトランプ米大統領が追加措置を打ち出す姿勢を見せたことでその懸念が再燃したなかで、米雇用統計の発表で非農業部門の雇用者数が事前予想を大幅に下回ったことも加わり、106円80銭割れに反落した。

 ユーロ・ドル相場は週初2日の東京市場では1ユーロ=1.23ドル台前半で始まった後、週半ばにかけて米中貿易戦争への懸念が後退したことでドル高圧力が強まり、弱含み傾向で推移した。さらに5日のロンドン市場ではユーロ圏景況感関連の指標が低調だったことから、1.221ドル台まで一段安になった。
 しかし、週末6日には貿易戦争への懸念が再燃したことからドル安圧力が強まり、ニューヨーク市場では1.23ドル台に目前の水準まで戻していった。


不安心理が払拭されれば株高傾向に回帰も

 先週は週末6日に米雇用統計の発表やジェローム・パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演といった、本来の金融市況の変動要因があったがあまり注目されず、市場では中国を標的とした米国の通商政策とそれに対する中国側の反発の動きだけに振り回されているといった感が強い。どうしても二大国間で貿易戦争のような状態になれば世界経済に大きな打撃をもたらさずにおかないので、株式市場が動揺するのは致し方ない面がある。
 ただ、現状ではあくまでも不安心理が先行しているに過ぎず、じきにそれが払拭されてくるにつれて本来の上昇傾向に回帰していく公算が高い。明日以降述べるが、この米中間の通商紛争は米国側の攻勢に対して中国側が“やせ我慢”をして必死に耐えているといった様相を呈している。水面下での交渉で中国側が米国側の要求を受け入れれば、米権力者層による世界戦略が軌道に乗っていき、世界経済の成長軌道が見えてくるはずだ。


 今週は、明日は先週末に発表された米雇用統計について簡単に見ておきます。
 明後日は最近の米国と中国との間での通商紛争の動向について、通商関係の閣僚が市場の動揺を抑える動きを見せたにもかかわらず、トランプ大統領が強硬姿勢を維持して再燃しておりますが、そのあたりの事情を考察します。
 明後日以降は週末にかけて、北朝鮮を巡る周辺各国の動きについて考えていきます。
 今週は1日長く、14日土曜日まで掲載します。
 今週もよろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。