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自動車の対外開放を巡り日本勢が有利な状況に

ポイント
・今回は自動車についても外資の過半出資が認められることになったが、従来の電気自動車だけでなくガソリン車も含まれることになったのは日本企業の参入を勧誘するための優遇措置だ。
・その背景には、米国側が通商問題で“学者肌”の劉鶴副首相ではなく、共青団出身で自由貿易の信奉者であり、親日的な李克強首相を交渉相手としたことがあったようだ。
・もう一つ言えることは、米国が韓国だけでなく沖縄からも駐留米軍を撤退させ、独立していく日本に軍事力を強化させたうえでえ中国と対峙する尖兵役にしようとしていることを感じ取っており、今のうちに日本を取り込もうとしていることがあるようだ。



ガソリン車の過半出資が認められ日本勢が勧誘される

 また、今回は金融だけでなく、自動車についても外資による過半の出資が認められることになった。
 既に昨年11月にドナルド・トランプ大統領が訪中して米中首脳会談が行われた際に、電気自動車に過半出資が認められている。これは中国政府が欧州とともに産業の高度化の一環として電気自動車の開発や実用化を重点産業として指定しているのに対し、米国側が技術強要を阻止する目的で強硬にこの分野に外資の参入を要求して実現させたものだ。
 これに対し、今回はこれにさらにガソリン車も含まれることになったが、これは日本の自動車メーカーが中国で生産している自動車の大部分を占めるものだ。まさに日本企業の参入を勧誘するための優遇措置にほかならない。


米国側が主に親日的な李克強首相と交渉

 その背景には、米国側が今回の知的財産権の侵害問題で中国側を攻撃するにあたり、習近平国家席の経済ブレーンである劉鶴副首相ではなく、主に商務省や財政省、人民銀行を傘下に抱える国務院を率いている李克強首相を相手に交渉したことが大きな意味を持ったようだ。
 米国としては、もとより現在のトランプ政権が対外的に推進している通商政策には経済理論的に不適切なところが多く、“学者肌”の劉鶴副首相を相手に交渉すると不都合である。それに対し、李克強首相は以前、その経済政策が「リコノミクス」などと言われていたように市場経済の信奉者であることから自由貿易を尊ぶ傾向が強いようだが、それだけに独裁国家である中国では通商面で高関税やそれ以外の様々な非関税障壁があることをよく認識しているので、米国側としては交渉しやすいと思ったのかもしれない。
 ただ、李克強首相はその出身母体である共産主義青年団(共青団)の系列が一様にそうであるように、もとより親日的な性格が強いことが影響したことも十分に考えられる。


中国が日本を取り込もうとして李克強がやや復活か

 最近、中国は米国が昨年末までは北朝鮮問題で、年明け以降には通商問題で激しく攻撃を仕掛けてくるなかで、李克強首相主導で日本を取り込もうとしており、また苦境に陥っている安倍晋三首相の支援に動く姿勢も見せつつある。5月上旬頃に北海道で開催されるとされている日中韓首脳会談に、李首相自身が訪日を念頭に積極的な姿勢を示している。つい最近でも、王毅国務委員兼外相が訪日して河野太郎外相と会談したことや、8年ぶりにハイレベルの経済対話を開催していく方向になっている。
 中国としては安全保障面でも、トランプ政権の米国は在韓米軍を撤退させた後も将来的には沖縄からも米軍を撤退させたうえで、日本に軍事力を強化させて中国と対峙する“尖兵役”にしようとしているので、今のうちに日本を出来る限り取り込もうとしているようだ。それにより最近、習近平主席が絶対的な権力を握るなかでめっきり影が薄くなった李克強首相の存在感が、ここにきて高まってきたといえる。
 いずれにせよ、こうした中国の動きは日本にとっては望ましいものであるのは間違いないものだ。米国ににらまれないように注意しながら、「一帯一路」に日本勢もうまく参入していくには好都合であるといえよう。


 明日、明後日はもう一度、北朝鮮問題を採り上げます。
 今、日米首脳会談が行われていますが、来週末27日の南北首脳会談を経て、米朝首脳会談の開催を控えて、もう一度、核心的なことを考える必要があるかと思います。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。