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イラン攻撃を巡る動きとノーベル平和賞候補との関係

ポイント
・トランプ米大統領がイラン核合意からの離脱を発表したが、イラン側は当面は合意の順守を継続する公算が高い。ただ、米国が制裁を復活させれば経済状態が一段と悪化することが見込まれるなかで、保守強硬派を煽って軍事攻撃に踏み切る環境が整うことになる。
・トランプ大統領が北朝鮮問題を解決することでノーベル平和賞の候補に浮上したのは、この賞は欧州の権力者層の意向が強く働くため、大統領が早期に攻撃に踏み切るのを阻止する思惑が透けて見える。



イランの保守強硬派を煽り攻撃に踏み切る環境を整備へ

 今週の最後に、8日にドナルド・トランプ米大統領がイランの核合意から離脱することを発表したことで、いずれ同国への攻撃の可能性が高まってきたことについて、今回は次のことを指摘しておく。詳細については、近いうちに考察することにしたい。
 トランプ大統領がこの合意から離脱すると表明したことで、イランに対して制裁を復活させることになる。イラン側は核開発を再開すると米国がイスラエルやサウジアラビアを支援する形で軍事攻撃に踏み切ることを正当化するので、当面は合意の順守を継続する可能性が高いだろう。
 とはいえ、イラン国内では17年初頭にトランプ政権が成立して以来、米国との対立が激化しつつあるなかで、改革派のハサン・ロウハニ大統領への不満が強まりつつあり、米国による制裁が復活して一段と経済状態が悪化すればよけいにそうした傾向が強まるだろう。それにより保守強硬派が勢力を強めれば、米国としては水面下でそうした勢力を煽ることで軍事攻撃に踏み切る環境が整うことになる。
 イスラエルの政権政党であるリクードにつらなるトランプ政権の背後勢力は、当初からイスラエルやサウジを後押しして攻撃する機会をうかがっていたものだ。


ノーベル平和賞に名前が挙がる背後には?

 ただし、だからといって米国がすぐにイランを攻撃できるわけではない。それは攻撃に向けて相応の時間を要することや、トランプ大統領の背後勢力である親イスラエル右派のナチズム系は最初から攻撃するつもりがなかったとはいえ、極東で北朝鮮問題を抱えているなかで、中東との問題とも二正面で対処するには限界があるからだ。
 ただそれだけでなく、欧州勢はトランプ政権の強硬姿勢を思いとどまらせようとしているなかで、トランプ大統領が朝鮮戦争を終わらせる“大立役者“としてノーベル平和賞の候補者に名前が挙がっていることも指摘できる。さすがにそこに有力な候補者として浮上すると、容易に攻撃がしにくくなっておかしくない。
 このノーベル賞の授与には欧州の支配勢力が関係しているため、トランプ大統領に早期に攻撃に踏み切るのを阻止するための策略であるような気がしてならない。

 いずれにせよ、この問題については北朝鮮問題が終われば、それと入れ替わって主流な地政学的要因になり得るので、いずれより深く掘り下げて考察する必要があるだろう。


 今週はこれで終わりになります。今週もご拝読いただき、ありがとうございました。
 来週もこれまでと同様に週明け14日の月曜日から掲載していくのでよろしくお願いします。
 米朝首脳会談の日程や開催場所が決まったり、中東でも米国のイラン核合意により混沌としつつあるなど、情勢の変化が激しいようですが、できる限り分析をしていきたいと思います。
 なにかありましたら書き込んでいただければ幸甚です。
 できる限り、返信していきたいと考えております。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。