記事一覧

先週の動き・・・・新興国通貨不安がくすぶるなか米株高を継続

ポイント
・ドル高圧力から新興国通貨不安に覆われていたなか、米国株は米長期金利が上昇すると金融株が買われたり、原油相場が上がると石油株が上がったり、長期金利が下がると素直に好感されるなどして週を通して上昇を続けた。
・外国為替市場では週前半にはFRBの利上げ加速観測からドル高に、ドイツの景況感の悪化やイタリアの政局不安からユーロ安傾向が続いたが、後半になると米CPIが低調だったこともあってその流れがやや反転した。



 先週の国際金融市況は米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測から新興国通貨がやや動揺したなか、日米の株価はおおむね堅調な展開になった。
 米国株は週初7日には前週末にアップル株を買ったウォーレン・バフェット氏がハイテク株を推奨したことから上昇し、ダウは前週末比94ドル高になった。翌8日には、ドナルド・トランプ米大統領がイラン核合意からの離脱を発表したことで一時上値が重くなり、小幅高にとどまった。しかし、9日には長期金利が上昇して3%台に乗せたが、それが弱材料視されずに利ザヤの拡大から金融株が買われ、これに原油高による石油株の上昇も加わって前日比182ドル高になった。
 さらに10日は長期金利が低下すると、それがそのまま株式市場では好感されて同196ドル高にった。週末11日もナスダックは小幅安になったが、ダウはそれまでの地合いを継続して同91ドル高と続伸した。
 米国株はナスダックが先週末11日に小幅安になったが、ダウは週を通して上昇を続け、1週間で568ドル上がった。またダウは11日時点で、その前週の3日以来、7営業日続伸となった。

 日本株も週前半から半ばにかけて米株高に追随できず弱含み気味になったが、後半になると追随して堅調な展開になり、総じて底堅く推移した。
 週初7日は前週末4日に米国株が急伸したものの、為替が円高気味に振れたこともあって上値が重く小幅安になり、翌8日も上昇したが日経平均は前日比41円高にとどまった。さらに9日にはトランプ米大統領がイラン核合意からの離脱を表明したことが嫌気されて同99円安になった。しかし、10日には米長期金利の上昇によるドル高(円安)から同88円高になり、週末11日には米長期金利の低下による米国株の上昇を好感して同261円高になった。

 外国為替市場ではそれまでのドル高やユーロ安の流れを継続した。
 ドル・円相場はFRBの利上げ加速観測からドル高圧力がくすぶっていた一方で、週初7日には翌日にトランプ大統領がイラン核合意についての方針を発表することが明らかになったことで弱含みだし、翌8日には実際にその離脱が発表されたことから、1ドル=109円台前半を中心に上値の重い展開が続いた。
 9日には米長期金利が上昇して3%台に乗せたことからドル高圧力が強まり、翌10日の東京市場では一時110円台に乗せた。しかし、ニューヨーク市場では米消費者物価指数(CPI)が事前予想を下回ったことから、長期金利が低下していくとともに109円台前半に反落した。週末11日は動意薄で同値圏での値動きになった。

 ユーロ・ドル相場は週央にかけて続落した。
 週初7日はドイツの製造業受注が低調な内容だったことから下落し、1ユーロ=1.19ドルを割った。さらに翌8日にはイタリアで連立協議が難航していることが伝えられたことで続落し、9日には米長期金利が上昇したことによるドル高圧力から一段安になり、ニューヨーク市場では1.182ドル台まで下げた。
 ただ、10日には米CPIの発表を受けたドル安圧力から1.19ドル台前半に反発し、週末11日も動意薄のなか、強含み気味に推移した。


 今週は、明日は最近の株価の動向や米長期金利の動きを背景とした今後の動きを展望します。
 明後日からの2日間では、6月12日にシンガポールで米朝首脳会談の開催が決まりましたが、両国に日本も含めた首脳が“猿芝居”を演じていることについて、その本質を考察します。
 週末にはトランプ米大統領がイラン核合意からの離脱を発表しましたが、その背景について、特にイランの後ろ盾になっているはずのロシアの立場を中心に考えていきます。
 今週もよろしくお願いします。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

17894176

Author:17894176
永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。