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米長期金利の上昇で天井打ち後に株価は急落か

ポイント
・最近の株価の上昇は大型税制改革の成立によるところが大きいが、日本はじめ独立させていく属国群に兵器を輸出していくことで軍需が盛り上がっていくことを織り込んでいくと思われる。
・6月のFOMCでは利上げの決定に加えてドットチャートで年内の利上げの回数が4回に引き上げられる公算が高いが、それ以上に利上げ打ち止めの水準がどこまで引き上げられるかが焦点だ。
・本来、その妥当な水準は4%まで引き上げられておかしくないが、本当にそれに近い水準にまで引き上げられると長期金利は5~6%に、場合により7~8%まで上昇する可能性があり、信用収縮が強まる恐れがある。
・トランプ政権で主導権を握っている勢力は、中国に軍事的・経済的に対外膨張路線を推進させながら国内的には国有企業改革を推進させようとしているが、そのためにかつて、欧州財閥系やウォール街勢力による金融市場での「中国売り」を中止させた経緯がある。
・世界経済が安定した状態が続くと中国政府は国有企業改革に踏み出さない可能性があるため、米権力者層は長期金利の上昇で信用収縮を引き起こし、資本流出を加速させることで脅すこともあり得る。



株価は経済活動の活発化を織り込んで上昇へ

 FRBの利上げ加速観測によるドル高圧力からアルゼンチン・ペソをはじめ新興国通貨が動揺しているが、米国株は堅調な展開になっている。
 昨年末にドナルド・トランプ政権が大型税制改革を成立させたことで、賃金が伸びて個人消費がさらに活発化することや、多国籍企業が海外に滞留させている資金が米国内に還流してくることで設備投資も活発化することが期待されている。そうしたことを先取りして、新興国はじめ海外から還流した資金が国債だけでなく株式市場にも向かっており、それはまた米国経済がこれから浮揚していくのを先取りしている動きといえなくもない。
 おそらく、需要創出面では公共インフラ事業だけでなく、日本はじめ独立させていく属国群に兵器を輸出していくにあたり、そうした軍需がこれから盛り上がっていくことを、株価の動きはその“神の見えざる手”によって織り込んでいくのではないか。


ドットチャートで利上げ打ち止めの水準が焦点に

 ただし、6月12~13日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げの決定がもはや確実な状況であり、FOMC委員の利上げの回数の見通しを示すドットチャートの行方が焦点になる。そこでは年内の利上げの回数の中心値が4回に引き上げられる公算が高いが、前回の当欄でも指摘したように、より注目されるのは利上げ打ち止めの水準だ。
 リーマン・ショックによる巨大な金融危機に襲われたことで、米国では中立金利が0%程度に低下したといった見方が出ている。それでも、米国経済の潜在成長率が2%程度とされており、これに連邦準備理事会(FRB)の物価目標水準である2%を加えれば、本来なら政策金利を最終的に4%程度にまで引き上げなければならないはずであるだけに、次回のドットチャートでどこまで引き上げられるか注目される。


長期金利の上昇で大きな信用収縮の到来も

 ただ、本当に政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利がいずれ4%程度かそれに近い水準にまで引き上げられていくとすれば、妥当な長期金利の水準は、これまでのようにイールドカーブがフラット(平坦)な状態が続くとしても5~6%程度に上昇していくだろう。何かのきっかけでその形状が正常な状態に向けてスティープ(傾斜)していけば、長期金利は7~8%程度にまで上昇していく可能性もなくはない。
 そうなると消費や投資目的の各種ローン金利もかなり上昇してしまい、住宅はじめ資産価格はかなり厳しい調整局面に見舞われざるを得ないだろう。当然のことながら、株価もしばらくは高騰を続けても、天井を打つと急落する恐れが出てくる。
 それにより世界的に信用収縮の“嵐”に襲われることになり、その時に新興国が被る苦難の衝撃は、足元で見舞われているものの比ではないはずだ。


中国を世界的に躍進させるために「中国売り」を中止させる

 これまで当欄で何度も指摘しているように、トランプ政権で主導権を握っている親イスラエル右派的なナチズム系は、米国の世界覇権が絶頂期を過ぎて斜陽期に転じたなかで、世界各地に駐留している米軍を撤退させて、日本はじめ属国群を独立させていこうとしている。その一方で、中国で習近平国家主席に絶対的な権力を握らせたうえで、対外的には軍事的にも、また「一帯一路」はじめ経済的にも対外膨張路線を推進させながら、国内的には莫大な過剰債務を抱えている国有企業の改革を推進させようとしている。
 そのためには、米国が世界的に後退していくのに伴って中国を躍進させていかなければならない。そのため、米ナチズム系は欧州ロスチャイルド財閥系や、同じ米ロックフェラー財閥系でも親イスラエル左派系のウォール街の勢力が「中国売り」攻撃を仕掛けていたのを中止させた経緯がある。


国有企業改革の推進に向けて信用収縮で脅すことも

 とはいえ、米株価が高騰を続けていては信用収縮が強まらず、中国経済もバブル崩壊が進まずに安定成長を継続する公算が高まるため、中国政府は本格的に国有企業改革に取り組もうとしないだろう。
 そこで足元の米株価が天井を打った後に、長期金利の上昇に伴って米株価も急落することで信用収縮が強まれば、中国では資本流出に見舞われることでそうした過剰政務≒国有銀行の不良債権を顕在化させやすくなる。米権力者層としては長期金利の上昇に伴う信用収縮の到来は“織り込み済み”のはずであり、中国の当局がそれまでに国有企業改革をしっかり進めていなければ、信用収縮の到来を“脅し”に使うことができるわけだ。
 ただし、こうしたことはまだ先の話であり、しばらくは株高傾向を継続するだろう。


 明日、明後日の2日間は、6月12日にシンガポールで米朝首脳会談の開催が決まりましたが、“猿芝居”としてのその本質を考えます。
 週末にはトランプ米大統領がイラン核合意からの離脱を発表しましたが、その背景について、サウジアラビアとの関係をはじめロシアの立ち位置を重点的に考察します。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。