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先週の動き・・・・米長期金利の上昇によるドル高圧力で不安定な動き

ポイント
・好調な米景気指標の発表が続き米長期金利の上昇が続いたことから米国株は不安定な展開になり、どちらかといえば軟調な展開になったが、日本株は円安に支えられた。
・米長期金利の上昇が続いたことでドル高圧力から新興国通貨不安が継続され、イタリアの政局不安からユーロ安圧力も根強い状態が続いた。



 先週の国際金融市況は米長期金利が上昇して新興国通貨不安が続いたなか、不安定でどちらかといえば軟調な展開になった。
 週初14日はドナルド・トランプ米大統領が中国との貿易摩擦において、中興通訊(ZTE)への制裁を緩和する可能性をほのめかしたことから上昇し、ダウは8営業日連騰となったが、米大使館のエルサレム移転に伴う混乱から上値を抑えられ、上昇幅は前週末比68ドル高にとどまった。翌15日は小売売上高の発表を受けて米長期金利が急上昇したことから急落し、引けにかけて下げ幅を縮小したが前日比193ドル安になった。
 16日は住宅着工件数が予想を下回ったことで長期金利が低下したことから反発したが、その後発表された鉱工業生産指数が好調だったことから金利が再び上昇したため、同62ドル高にとどまった。17日もフィラデルフィア連銀製造業景況指数が好調だったことから長期金利が一段と上昇し、10年債利回りで3.1%台に乗せたことから同54ドル安になった。週末18日は米中貿易協議の動向を背景に小動きにとどまった。

 日本株もやや不安定な動きになったが、どちらかといえば円安に支援されたこともあって強含んだ。
 週初14日は米国株が上昇を続けていたのを背景に買われやすい状況が続き、引けにかけて値位置を上げて日経平均は前週末比107円高になった。ただ、その後米国株が引けにかけて上昇幅を縮小させたのを受けて、15日は前日比47円安と反落し、翌16日も米長期金利の上昇による米国株の軟化を受けて同100円安と続落した。
 しかし、週後半には円安に支えられたこともあって堅調な展開になり、17日は同121円高に、週末18日も同91円高と続伸した。

 外国為替市場では米長期金利の上昇からドル高に振れやすくなった一方で、イタリアの政局不安から再びユーロ安が進みやすくなった。
 ドル・円相場は週初14日のニューヨーク市場でトランプ大統領がZTEへの制裁緩和を示唆したことから一時上昇したが、米大使館のエルサレム移転に伴う混乱から上値を抑えられ、1ドル=109円台での動きに終始した。しかし、15日は米小売売上高の発表で米長期金利が上昇したことから110円台に上昇し、翌16日には住宅着工件数の低調からいったん長期金利が低下したことで上値を抑えられたが、すぐに鉱工業生産指数が好調だったことで堅調な地合いに戻った。
 そして17日にはフィラデルフィア連銀景況指数が好調だったことからニューヨーク市場で110円台後半に達し、週末18日のロンドン市場では一時111円台に乗せた。しかし、イタリアの政局不安を受けて長期金利が低下するとともに、リスク回避から円高となってニューヨーク市場では110円60銭前後まで反落した。

 ユーロ・ドル相場は週初14日には、フランス中央銀行のフランソワ・ビルロワドガロー総裁が欧州中央銀行(ECB)の量的緩和策の終了や利上げの時期を巡る発言がタカ派的と受け止められたことから、一時1ユーロ=1.20ドル台目前まで上昇したが、すぐにイタリアで連立政権の樹立が遅れるとの懸念から反落していった。
 その後、翌15日から米経済指標が発表されるたびに米長期金利が上昇したことでドル高圧力から下げていった。特に週央16日には、イタリアでの連立協議で「五つ星運動」と「同盟」が合意した協定の中で、ECBに対する債務減免が含まれるとの報道からロンドン市場で1.176ドル台まで下落したが、両党がその報道を否定したことからすぐに戻した。
 ただその後も、米長期金利の上昇がくすぶった一方で、イタリアの政局不安も続いて同国債の利回りが上昇したことから1.180ドルを挟んで不安定な動きになり、週末18日のロンドン市場では一時1.1750ドルまで下げた。


 今週は、明日は米長期金利の上昇による影響について、特に巨大な債務を抱えている中国への影響や、その背後の米権力者層の思惑について考察します。
 明後日からの2日間では、先週も北朝鮮問題を巡り韓国との南北閣僚会談を一方的に延期し、米国との首脳会談も再考を匂わせるなど強硬な姿勢を示しましたが、その背景の事情について、米朝間の裏側の動きについて考察してみたいと思います。
 週末はそれに絡んで、日本の現政権の思惑や目指しているものについても考えていきます。
 今週もよろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。