FC2ブログ

記事一覧

先週の動き・・・・米朝首脳会談の開催を巡るドタバタ劇もあり波乱含み

ポイント
・前週の米中貿易協議の結果やFOMC議事録から米利上げ加速観測が後退した一方、イランへの制裁や米政府による自動車関税の適用の動き、米朝首脳会談の開催に暗雲が垂れ込めたことで波乱含みとなり、特に週後半には米朝会談の開催を巡る動きに振り回された。
・外為市場では米朝会談の開催に対する動揺やイランへの制裁、米政府による自動車関税の適用の動きによるリスク回避から円高に振れ、またイタリアに加えて週末にはスペインで政情不安が高まりユーロ安圧力も強まった。



 先週の国際金融市況は米朝首脳会談の中止を巡る動揺や、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ観測の後退からやや波乱含みの展開になった。
 米国株は週初21日には前週に行われていた米中貿易協議で中国側が輸入を拡大する方針を示したことや関税の賦課が見送られたことが好感されたことで急伸し、ダウは前週末比298ドル高になった。しかし、22日には米政府がイランに対して「史上最大規模」の経済制裁の発動を発表したことや、マイク・ペンス副大統領が6月12日に予定されている米朝首脳会談を取りやめる姿勢を見せて北朝鮮側を牽制したことが嫌気され、前日比178ドル安と反落した。
 翌23日も米朝首脳会談に向けた動揺が続いたなか、トルコ・リラを中心とする新興国通貨安から当初は続落した。しかし、その後トルコ中央銀行が緊急利下げに動いたことや、今月1~2日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でそれほどタカ派的な議論が出ていなかったことで米利上げ加速観測が後退したことから切り返し、同52ドル高になった。
 24日にはドナルド・トランプ米大統領が書簡で正式に米朝首脳会談の中止を公表したことから急落したが、議事録の公表を受けた米長期金利の低下から下げ幅を縮小し、同75ドル安にとどまった。週末25日は米朝間で首脳会談の開催に向けて歩み寄りに向けた動きが見られたことから支えられたが、ベネズエラに加えてイランも先行き減産が見込まれるのを受けて、石油輸出国機構(OPEC)で協調減産の緩和を模索する動きが出てきたことで原油相場が下落したことから、石油株が売られたことで同58ドル安と続落した。

 日本株は円高に押されて米国株より軟弱な動きになった。
 週初21日は当初は円安に支えられ、また先週末の米中貿易協議の結果も好感されて引けにかけて押し上げられたことから上昇し、日経平均は前週末比72円高になった。22日も前日の米国株の急伸から高寄りしたが、米政府がイランに対して経済制裁を発動したことや、ペンス米副大統領が米朝首脳会談の開催に悲観的な発言をしたことから軟化して前日比42円安になった。
 23日もそれによる米国株の急落や円高から同270円安になり、翌24日にはトランプ米大統領が自動車やその部品に大幅に関税を引き上げる姿勢を示したことも加わって同252円安とともに大幅続落になった。週末25日も当初は続落したが、その後買い戻しが進んで同13円高と切り返した。

 外国為替市場ではリスク回避による円高や、イタリアに加えてスペインでも政局不安が高まったことからユーロ安に振れる場面が見られた。
 ドル・円相場は週初21日の東京市場では米長期金利が上昇していたなか、米中間の貿易協議の結果も好感されて1ドル=111円40銭まで上昇したが、その後上値を抑えられた。翌22日には111円を挟んだ動きになった後、23日には米政府によるイランへの制裁の動きや米朝首脳会談の開催に暗雲が垂れ込めたことからロンドン市場で円買い圧力が強まった。
 24日もトランプ大統領が自動車関税の適用を検討する姿勢を示したことから円高圧力が続き、米朝首脳会談の中止も表明されたことから一段安になってニューヨーク市場では一時109円割れまで下落した。ただ、週末25日には米朝間で歩み寄りの動きが出たこともあって下げ圧力が後退し、109円台で一進一退の動きになった。

 ユーロ・ドル相場は週前半には1ユーロ=1.17ドル台後半を中心に上値を1.183ドルとするレンジ内での動きになったが、23日にはユーロ圏景況感指数の内容が低調だったことやイタリアの政局不安からユーロ安圧力が強まり、ロンドン市場で1.167ドル台まで軟化した。
 24日はFOMC議事録の公表を受けてFRBの利上げ加速観測が後退したことからいったん下げ止まった。しかし、週末25日にはスペインで元側近が汚職で有罪判決を受けたことでマリアーノ・ラホイ首相に対する不信任案が提出される動きになったことから、ロンドン市場で1.164ドル台にまで一段安になった。


 今週は、明日は今後の市況の見通しについて簡単に述べておきます。
 来週は米政府による自動車やその部品に追加関税を課す動きを見せましたが、その標的が主にドイツであり、その背後事情について考察します。
 週末2日間は先週後半の米朝首脳会談を巡る動きについて採り上げます。
 1日目はトランプ米大統領がその中止を決めると北朝鮮の姿勢が急に軟化して一転して予定通り開催する動きになっていますが、その背後事情について考察します。
 週末の2日目には、前週の貿易協議の結果を含めて米国の中国に対する戦略との関係について考えることにします。
 今週もよろしくお願いします。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

17894176

Author:17894176
永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。