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じきにリスク選好で株高が進みユーロ安要因は立ち消えか

ポイント
・トランプ米大統領の背後勢力は在韓米軍の撤退につながる朝鮮半島で平和条約を締結することが優先事項であり、そのためには朝鮮戦争の当事国である中国から合意を得ることが必要なので、信用収縮が強まるような状況は避ける必要がある。
・イタリアではロシアや米ナチズム系に支援されていると見られる極右やポピュリズム政党が主導権を握り、今後も波乱要因になり得るが、リスク選好が強まれば忘れられていくだろう。



株価はこのまま下げていく状況にはない

 先週はもとより新興国通貨不安に見舞われていたなか、米朝首脳会談を巡る動きをはじめとする“乱気流”に遭遇して株価が動揺したが、以前、当欄でも指摘したようにこのまま下げていく状況にはない。
 ドナルド・トランプ政権で主導権を握っている親イスラエル右派のナチズム系の勢力は、朝鮮半島で平和条約を締結することで在韓米軍を撤退させようとしているなかで、朝鮮戦争の当事国だった中国の協力を得る必要がある。そのため、今すぐ信用収縮を強めることで中国から資本流出が加速していき、バブル崩壊が促進されていく状況を醸成することは得策ではないからだ。
 いうまでもなく、ジェローム・パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長にもそうしたホワイトハウスの意向が届いていると思われ、23日に公表された議事録の内容がそれほどタカ派的ではなかったのは、そうした“根回し”がFOMC委員の間に浸透していることによるものかもしれない。


気になるイタリアでの政局不安

 また、外為市場では依然としてユーロ安が続いている。今年に入ってから発表されるドイツの経済指標が低調な内容のものが相次いだことや、最近ではイタリアの政局不安が嫌気され、さらに先週末にはスペインの政局不安が加わった。このうち、ドイツの景況感の悪化は昨年末までのユーロ高が重しになっている可能性があるが、だとすれば最近のユーロ安が時間的なラグを置いて好影響をもたらすことが期待できる。
 問題はイタリアの政局不安だ。“難産”の連立協議の末にようやく新政権が発足する見通しが立ったが、経済相の任命を巡りセルジョ・マッタレッラ大統領の承認を得られそうになく、混乱に歯止めがかかりそうにない。なにしろ左派的なポピュリスト政党である「五つ星運動」と極右的な「同盟」による連立政権であるだけに、今後も大きな火種になる危険性を秘めている。
 同盟のマッテオ・サルビーニ党首がウラジーミル・プーチン大統領に近いことが知られているように、その背後にはロシアや、米国でもトランプ政権で主導権を握っている親イスラエル右派的なナチズム系から密かに支援されているようだ。“バラマキ”的な財政政策で欧州連合(EU)が定めた財政収斂基準を無視するだけでなく、いずれ欧州中央銀行(ECB)に対する債務減免要求も含めて、ユーロ圏やEUからの離脱問題が強まる恐れがある。


リスク選好が強まり伊政局不安は忘れ去られる?

 もっとも、それだけにしばらくはイタリアの政局不安が国際金融市況を揺るがす要因にならない可能性もある。さしあたり、米国のナチズム系は朝鮮半島で平和条約を締結させることを優先事項としているが、それには中国を巻き込まなければならず、それまでは信用収縮を引き起こすわけにいかないからだ。それだけに、じきに国際金融市場でリスク選好が強まり株高傾向に回帰すればイタリアの政局不安に対する注目度が低下していき、忘れ去られてしまうだろう。


 明日は米政府が自動車やその部品に追加関税を課す動きを見せましたが、その標的が主にドイツであり、その背後事情について考えてみます。
 明後日からの2日間は先週後半の米朝首脳会談を巡る動きについて考察します。
 1日目はトランプ米大統領がその中止を決めると北朝鮮の姿勢が急に軟化して一転して予定通り開催する動きになっていますが、その背後事情について考察します。
 週末の2日目には、前週の貿易協議の結果を含めて米国の中国に対する戦略との関係について分析することにします。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。