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先週の動き・・・・南欧の政情不安や貿易摩擦への懸念からやや荒れた動き

ポイント
・週前半にイタリアやスペインでの政情不安によるリスク回避が強まり、イタリアで新政権が発足するなどそれが薄まったことで反発しても、貿易戦争への懸念が高まるなど株価はやや荒れた展開になった。
・外国為替市場では週前半に欧州の政情不安からユーロ安や円高圧力が強まったが、後半になるとそれが薄らいだことや、雇用統計はじめ良好な米景気指標が好感されたことからその修正が進んでいった。



 先週の国際金融市況は欧州の政情不安や米国を中心とする貿易摩擦から荒れた展開になった。
 米国株は週初28日の「戦没者記念の日(メモリアルデー)」による休場を経た週明け29日には、イタリアで「五つ星運動」と「同盟」が示した組閣人事をセルジョ・マッタレッラ大統領が認めず、再選挙の可能性が出たことや、スペインでもマリアーノ・ラホイ首相(当時)に対する不信任案が可決される見通しが高まったことから欧州株主導で急落し、ダウは前週末比391ドル安になった。ただ、翌30日にはイタリアで両政党が焦点となっていた経済相にユーロ懐疑派をはずしたことからリスク不安が遠のき、石油輸出国機構(OPEC)も協調減産を維持する姿勢を見せたことで原油相場が上昇したことから、前日比306ドル高と急反発した。
 しかし、31日には通商交渉を行っている最中であることで棚上げされていた欧州連合(EU)やカナダ、メキシコに対し、米政府が他の国々と同様に鉄鋼やアルミニウムに追加関税を発動すると発表したことから、貿易戦争に突入していくことが懸念されて同251ドル安と急反落した。ただ週末1日になると、イタリアでジュゼッペ・コンテ新政権が発足したことでリスク回避要因の一つが剥落したなか、米雇用統計を筆頭に米供給管理協会(ISM)製造業景況指数、建設支出といった複数の米経済指標が事前予想を上回る良好な内容になったことから、同219ドル高と上伸した。

 日本株は米国はじめ他の主要国の株価に比べると比較的落ち着いた動きになったなか、軟調気味に推移した。
 週初28日は米国では連休中で閑散な商いになったなか、底堅く推移して日経平均が前週末比30円高になった。ただ、29日にはイタリアやスペインでの政情不安から欧州株が大きく下げたことで前日比122円安になり、翌30日にはそれにより米国株も急落したことから同339円安と大幅続落になった。
 その後、31日には米国株が急反発したのを受けて上昇したが、円高に上値を抑えられて同183円高にとどまった。ただ、週末1日には米国株がかなり下げたものの、欧州不安の後退から円安に振れたことに支えられて同30円安にとどまった。

 外国為替市場では週央にかけて欧州不安によるリスク回避から円高やユーロ安が進んだが、後半にはそれが後退したことでその修正が進んだ。
 ドル・円相場は1ドル=109円台で始まった後、イタリアやスペインでの政情不安から円高圧力が強まり、29日のニューヨーク市場では108円10銭超まで下げた。その後、スペイン不安から弱含む場面もあったが、イタリア不安の後退から円高圧力が弱まり、下げ渋るようになった。週末1日のニューヨーク市場では、雇用統計をはじめとする良好な米経済指標の発表を受けてドル高圧力から109円70銭台まで上昇した。

 ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.16ドル台を中心に上値を1.17ドル台前半までとするレンジ内で始まった後、29日にイタリアの政局不安が極限に高まった際に急落し、ニューヨーク市場で1.510ドルの安値をつけた。しかし、翌30日頃からそうした不安が後退していったことから反発していき、31日のニューヨーク市場では1.172ドル台にまで戻した。
 ただ、週末1日には大手格付け会社S&Pグローバル・レーティングがドイツ銀行の長期発行体格付けを引き下げたことから、一時ユーロ安に振れる場面も見られた。


 今週は、明日は欧州の政情を概観したうえで、市況の今後の見通しを簡単にしておきます。
 明後日は先週末に発表された米雇用統計がかなり良好な内容になりましたが、その分析を簡単にしておきます。
 週末の2日間では、最近、FRBの政策姿勢が政策金利の天井が議論されるなど、1~2カ月前に比べるとハト派的になっていますが、その背景について、特に中国を中心に北朝鮮問題も含めて、米国の対外政策の観点から考察します。
 今週もよろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。