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FOMC声明文の内容の検証

 毎度、当サイトをご覧いただき、ありがとうございます。
 最初に筆者からお知らせがあります。
 このたび、筆者が講師を務める講演会が大阪で行われることになりました。
 11月19日に大阪堂島商品取引所にて、午後1時より講演を行わせていただきます。
 またそれが終わった後も、午後3時より懇親会において、気軽に質問をしていただければお答えさせていただきます。
 無料で入場できるだけでなく、皆様方と触れ合える数少ない機会ですので、大阪及びその周辺にお住まいの方は是非、下記サイトにてお申込みをしていただいたうえでご来場いただければと思います。

http://www.sunward-t.co.jp/seminar/2016/20161119_3/index.html


ポイント
・FOMCでの声明文の内容は予想されたほどタカ派的ではなかったが、トランプ・リスクから市場が動揺しており、大統領選挙の行方も不透明ななかでは致し方ないだろう。



何らかの力学が作用していた米長期金利の上昇

 先々週末28日のニューヨーク市場の引け際からトランプ・リスクによりリスク回避が強まって資金が安全資産に向かったが、そこにはそれまで、米長期金利が10年債利回りで1.9%近い水準にまで上昇していたことがその根底にあったことに留意すべきだ。
 ただし、これまで当欄で指摘しているように、12月13~14日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)が利上げを決めるのは、既にかなり織り込まれていたものだ。それだけに、最近の米長期金利の上昇は利上げが現実味を帯びてきたことによるものだけでなく、他に何らかの要因が――すなわち、作為的に信用不安を強めて株安や新興国不安、欧州の銀行不安を引き起こす“力学”が作用している感がしないでもない。

 今週はなんといっても本日の米大統領選挙の行方が注目されるが、その前に先週は31~1日に日本銀行(日銀)の金融政策決定会合が、1~2日にFOMCが開催され、週末4日には10月の米雇用統計が発表された。このうち、日銀の会合を除く後二者は米長期金利の動向と密接に絡んでくるだけに、簡単に見ておく。


それほどタカ派的でなかったFOMC声明文

 まずFOMCについては、今回はジャネット・イエレンFRB議長の会見が予定されていなかったことや、不透明感が強まっている大統領選挙が直後に迫っていることもあって今回は利上げの決定は見送られるとの見方が支配的であり、もっぱら声明文の内容に注目が集まった。
 その声明文では、次回12月の会合で利上げが決まる公算が高まっているなかでタカ派的な内容になり、決定を先取りするような踏み込んだ表現になるとの見方すらあった。ところが、公表されたその内容は「引き続き利上げの根拠は強まっている」「経済状況は緩やかな利上げを示唆」とされ、いつ利上げに動いておかしくない表現ではあったが、これまでと変わらないものだった。
 またこれまでと同様に「さらなる確証を待つことが必要」として、利上げの決定を阻害する一文も盛り込まれていた。唯一、インフレに関する部分だけが「インフレは年初より強まった」とされてより強い表現になったが、それでもそれに続けて「まだ目標を下回っている」との文言も付け加えられていた。

 いつ利上げに動いてもおかしくない内容であるとはいえ、予想されたほどタカ派的ではなかったのは、直後に控えている大統領選挙の行方に不透明感が強まっていることがあるのだろう。
 FRB執行部で主導権を握っているスタンレー・フィッシャー副議長はじめ権力者層とつながっている理事や地区連銀総裁の中には、既に選挙の結果を知らされていておかしくない。とはいえ、トランプ・リスクや米長期金利の上昇から市場が動揺しているなかでは、FRBが公式に公表する声明文の内容がそれほどタカ派的なものにならなくても、それほどおかしなことではないだろう。


 明日はもう一つの米雇用統計の検証をします。明後日以降は市況の動きに隠れている米権力者層やその意向を受けて動いている政策当局の姿勢、そして信用不安の大きなテーマになり得る中国の経済構造について述べることにします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。