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リスク選好が強まり株高や円安傾向か

ポイント
・1日に米雇用統計が発表されて以来、市場ではFRBの利上げ加速観測が再燃しつつあるが、トランプ政権が朝鮮半島で平和条約の締結を最優先事項にしているなかで、“イエスマン議長”に率いられたFRB執行部はFOMCでハト派的な姿勢を打ち出す可能性も。
・米国経済が良好ななかでFRBがハト派的な政策を推進することで株価には申し分のない環境になりそうだ。外為市場ではECBの出口戦略に関心が集まることでユーロ高が進みやすくなってドル指数は下げていくが、リスク選好からそれ以上に円安になりそうだ。



リスク選好に回帰もドル高圧力が抑えられる

 今週行われる12~13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、14日の欧州中央銀行(ECB)理事会、そして地政学的には12日の米朝首脳会談の開催を前に、既にユーロ高・ドル安やリスク選好による株高傾向に回帰しつつあるようだ。
 最近、FOMC委員が盛んに「政策金利の天井」に関するハト派的な発言をするようになったことで、市場では連邦準備理事会(FRB)の年内の利上げの回数は3回にとどまるとの見方が強まった。ところが1日に発表された米雇用統計がかなり良好な内容だったことから、それ以降、4回に増えるといった利上げ加速観測が再燃しつつある。
 ただ、それが一方では米国経済の好調が意識されたことで株価が上昇し始めたことから、米利上げ加速観測から新興国通貨不安が再燃せず、ECBの出口観測によるユーロ高圧力もあってドル高の進行も抑えられたものになっている。


FOMCではタカ派的になりそうもない

 ただ以前、当欄で指摘したように、ホワイトハウスの“イエスマン”であるジェローム・パウエル議長に率いられているFRB執行部は、最近までFOMC委員がそうした論調を強めていたように、しばらくはハト派的な政策姿勢を推進するように指示を受けているはずだ。
 これはドナルド・トランプ政権で主導権を握っている親イスラエル右派的なナチズム系が、いずれは中国に国有企業改革の推進に向けて圧力を強めようとしているものの、まずは在韓米軍の撤退につながる朝鮮半島での平和条約の締結を最優先事項にしているためだ。平和条約を締結するためには、朝鮮戦争で北朝鮮に義勇軍を送り、休戦協定を締結した際に署名している当事国である中国を排除するわけにいかないからだ。
 だとすれば、今週12~13日のFOMCでは利上げの決定はもはや既定路線だが、声明文やパウエル議長の会見の内容や、FOMC委員の利上げの回数の見通しの分布状況を示すドットチャートでもそれほどタカ派的にはならない可能性がある。


米経済良好とハト派姿勢から株価には申し分のない状況に

 米国経済が足元の4-6月期には4%台の成長率を記録することが見込まれているほど良好な状態を継続しているなかで、FRBがしばらくはハト派的な金融政策姿勢を推進していけば、株価には申し分のない状況が訪れることになる。ここにきてハイテク株主導で上昇していることからナスダックが先週5日以来、史上最高値を更新したのに対してダウはまだ1月26日に記録した最高値に到達していないが、間もなくそれを超えていくだろう。
 外為市場ではFRBが緩やかな利上げを続けていくとしてもそのハト派的な姿勢に市場の関心が向かうことで、よりECBの出口路線に注目が集まることになり、ドル指数は下がりやすくなっていきそうだ。またリスク選好が強まることでドル安以上に円安が進みやすくなり、それにより米国株以上に日本株が押し上げられる公算が高そうだ。


 明日と明後日は、12日の米朝首脳会談を控えて先週7日にはその打ち合わせを目的に日米首脳会談が行われましたが、特に共同記者会見での安倍首相の発言内容からその意義について考えます。
 明日は主に拉致問題の本質について、明後日は安倍首相の動きの本質に焦点を当てて考察します。
 週末には、シャルルボワ・サミットで米国と欧州が主に通種問題で対立を激化させましたが、その背後にどのような事情があるかを、ロシア問題も含めて考えることにします。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。