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米朝首脳会談での米大統領の本音と日本の資金拠出について

ポイント
・米朝首脳会談では核放棄の具体的な手順が示されなかったが、もとより両首脳の背後勢力は一心同体であり、両者は阿吽の呼吸で動いてきたことや、体制を維持したまま核放棄をすることはあり得ないことから、そうした批判や懸念をすること自体が無意味である。
・トランプ米大統領が米韓合同軍事演習の中止を表明した際に「カネのかかることをしないで済む」と述べたことや将来的な在韓米軍の撤退の可能性に言及したのは、まさに本音が出ていたといえるものだ。
・トランプ大統領は非核化の費用について自国ではなく韓国や日本が負担すべきものとしていたが、そこについ先日に含まれていた中国が入っていないことは、同国には核放棄で口出しをさせず、経済開発をする段階になっても利権を与えないということだと思われる。
・非核化に巨額な費用がかかることが想定されるが、拉致問題を“人質”にとられている日本はそのかなりの負担を強いられる恐れがある。ただ、賠償金については既に韓国側に“先渡し”しているので、本来なら払わなくて済むはずのものだ。


米韓合同軍事演習の中止の表明はおかしなことではない

 米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の行方と密接に絡んでくるので、先週12日にシンガポールで歴史的な会談とされる米朝首脳会談が行われたので、少し検証しておく。
 この会談では共同声明で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が朝鮮半島の完全な非核化を、ドナルド・トランプ米大統領が体制の保証を約束することが謳われたのは想定内である。具体的な核放棄の手順が示されず、トランプ大統領は時間がなかったのでそこまでできなかったとしていたが、まずは首脳同士で会談することに意義があり、詳細についてはそれ以降の交渉で詰めていけば良いとするならそれで良いのだろう。
 多くの論調では、北朝鮮はこれまでことごとく約束を反故にしてきたので、具体的な放棄の手順を後回しにしたのではまたその二の舞になるといった懸念が聞かれる。しかし、そもそも体制を維持したままで核放棄などあり得ないという“絶対的な法則”があることを考えれば、そうした指摘をすること自体に意味がないといえる。
 金正恩委員長は米国の親イスラエル派の“傀儡”としての“影武者”であり、トランプ大統領と“阿吽の呼吸”で動いてきた。そのため、今回の会談では北朝鮮側が具体的に何らかの行動を起こすことを約束せずに、トランプ大統領が交渉が続いている間は米韓合同軍事演習を中止することを表明したことを批判する向きが多いが、両首脳の背後勢力が“一心同体”なのだから何らおかしなことではない。
 演習の中止が米国防総省や韓国の国防省には“寝耳に水”だったとされるが、トランプ大統領は従来通り米国の世界覇権の維持を目指すコスモポリタン的な勢力や軍需産業系が根強い国務省や国防総省、それにつらなる属国群の勢力をも排除して“強行突破”的に物事を推進しようとしているので、それについても特におかしなことではないはずだ。


資金拠出反対の本音が出ていたトランプ発言

 ただここで興味深かったのが、トランプ大統領が米韓合同軍事演習の中止を表明する際に「カネのかかる演習をしなくて済む」と述べたことであり、それこそまさに本音が出ていたといえるものだ――すなわち、その中止の目的が北朝鮮に圧力を加えるのを避けるためではなく、単に名分に過ぎないことをはからずも吐露したということだ。そのついでに将来的な在韓米軍の撤退の可能性にまで言及したのは、まさに本音以外の何物でもないといえるものだ。
 記者から非核化の費用の捻出について聞かれると「米国は払わない。隣国なのだから、韓国や日本にはその準備ができているはずだ」と述べたことが一般的な映像で放映されている。ただこの発言について、少し以前には資金拠出するのは「中国や韓国、そして日本」と言っていたのが、今回ではそこに中国が抜けているのは、朝鮮半島の問題に出来る限り中国を関与させたくないということなのだろう――すなわち、カネを払わなくて良い代わりに“口出し”をさぜず、経済開発をする段階になっても利権も与えないということだ。


言われているほど日本が資金拠出しないで済む可能性も

 非核化の費用として10年間で220兆円といった概算の数字が出ているようであり、拉致問題による“人質”をとられているのでそのかなりの負担を日本側がしなければならなくなることを危惧する声が、国内での一部の識者から聞かれる。
 ただ、実際には北朝鮮が本当に核兵器を放棄することなどあり得ないことを考えると、在韓米軍が撤退して沖縄はじめ日本に駐留している米軍も退いていくことが視野に入る段階でその事実が明らかになれば、日本国内では世論が騒然となってしまうだろう。軍備増強や憲法改正、さらには核保有に向けて世論が急速に傾く可能性がある。そうした状況になると、北朝鮮に非核化のために資金拠出をするような状況ではなくなっていくかもしれない。


日本は既に北朝鮮向け賠償金を韓国に支払っている

 もっとも、日本側が支払う金額については、平和条約が締結されて日朝間で国交が結ばれる段階になると、北朝鮮側は戦前の植民地支配に対する戦後賠償金を支払うべきだと主張するはずであり、そこに経済進出をしようとしている米国もそれに同調するだろう。ただ本質論でいえば、日本は1965年に日韓基本条約が締結された際に既に北朝鮮に支払う分も払っているので、本来的にはその負担をする必要はないはずだ。
 当時、日本政府は韓国側に無償で3億ドル、有償で2億ドル、民間の借款で3億ドルを支払っているが、これは当時の日本の予算の2.3倍もの規模であり、ドイツが支払ったそれを大きく上回るものだ。それ以外にも韓国に残した資産を放棄しているが、これは軍部のものを除いても53億ドルにも換算されるという。韓国では従軍慰安婦の問題をはじめ、反日的な人たちが日本は賠償をしていないといったことや、ドイツを見習うべきだといったことを“馬鹿の一つ覚え”で主張する向きが後を絶たないが、事実誤認も甚だしいと言わざるを得ないものだ。
 ただどうしてここでこのことを採り上げたかというと、この時に日本側が支払った賠償金は韓国だけでなく朝鮮半島全体が対象になっていたのであり、韓国側が統一したら北側に渡すのでその分も払うように求められたとされていることだ。
 韓国政府が日本側が多額の賠償金を支払ったことを隠していることから多くの韓国人がそれを知っておらず、いうまでもなく北朝鮮に支払うべきものを既に先取りして受け取っていることも知る由もない。しかし、実際には日本側は既に北朝鮮に支払うべき賠償金を韓国に渡しているのであり、それをまともに主張すると多くの韓国人の対日感情が悪化して日韓関係に亀裂が入るだろうが、事実は事実なのであり、そのことをしっかり主張する必要はあるだろう。


 週末の明日もこの続きを掲載します。
 明日は非核化や賠償金で日本が巨額の支払いを強いられる恐れがあり、実は安倍首相はそれを存分に支払うことで経済進出や利権の獲得を目指しているフシがありますが、その背後に“資金源”である財務省が“落城”したことについて考えます。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。