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先週の動き・・・・米中貿易紛争の激化から株安が続く

ポイント
・米国が知的財産権の侵害問題で中国からの輸入に500億ドル相当分の制裁関税を発動したのに反発して中国側が報復措置に動き、さらにトランプ大統領がその制裁として2,000億ドル相当分の追加関税に動き姿勢を見せたことからリスク回避が強まり、株安が続いた。
・外為市場でも米中貿易紛争の激化を嫌気したリスク回避から円高気味に振れた一方、週末にはユーロ高に振れた。


 先週の国際金融市況は米中貿易戦争への懸念からリスク回避が進み、株価が下げ続けた。
 米国株は週初18日には前週末15日に米政府が知的財産権の侵害問題で中国からの輸入に500億ドル相当分の関税を課したのに対抗して、中国側もそれと同等分の追加関税に動く報復措置に出たことから総じて軟調に推移し、ナスダックは下がらなかったもののダウは前週末比103ドル安になった。さらに翌19日には、ドナルド・トランプ米大統領がその報復措置への制裁として中国からの輸入に別に2,000億ドル規模の追加関税の適用を検討するように米通商代表部(USTR)に指示をしたことから一段とリスク回避が強まり、ダウは前日比287ドル安になった。
 その後、20日には当初、下げ過ぎ感から買い戻しが先行したが、ジェローム・パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のタカ派的な発言から米長期金利が上昇したことで地合いが悪化し、ナスダックは同55ポイント高になったが、中国関連銘柄を多く抱えるダウは同42ドル安と続落した。21日も米中貿易摩擦への懸念に加え、イタリアで上院財政委員長にユーロ懐疑派が指名されたことから欧州株が軟弱な動きになったことも加わり、ダウは同196ドル安になった。
 ただ週末22日は、石油輸出国機構(OPEC)総会で原油の増産幅が期待されていたほどに達しなかったことから原油相場が急上昇したことで堅調となり、ダウは一時同200ドル近く上昇した。しかし、トランプ大統領がツイートで、米国の制裁関税措置に対して欧州連合(EU)が報復措置に出たことに反発し、EUからの自動車の輸入に20%の追加関税を発動するように提唱したことが嫌気されて同119ドル高にとどまり、ナスダックは同68ポイント安になった。
 この結果、ナスダックは時折り上昇することがあったが、中国関連株を多く抱えるダウは米中貿易戦争への懸念を大きく受けたことで前週12日から21日まで8営業日連続下落し続け、この間の下げ幅は860ドルに達した。

 日本株は週央から後半に反発する場面が見られたなど、欧米株ほど軟弱な動きにはならなかった。
 日経平均は週前半にはトランプ大統領が中国による報復措置への制裁措置を打ち出す姿勢を見せるなど、米中貿易戦争への懸念から急落し、週初18日には前週末比171円安に、翌19日にはさらに大きく下げて前日比401円安になった。20日はそうしたリスク回避ムードが一服したなか、円安(ドル高)に振れたことから同276円高と急反発し、翌21日もそうした地合いが続いて同137円高と続伸した。
 しかし、週末22日には米中貿易戦争にイタリアの政局不安の再燃も加わったことで欧米株安となったことから、同176円安と反落した。

 外国為替市場では米中貿易紛争によるリスク回避からやや円高圧力がくすぶった一方で、週末にはリスク選好からユーロ高に振れた。
 ドル・円相場は1ドル=110円台後半で始まった後、米中貿易戦争への懸念からじり安歩調となり、19日の東京市場の終盤ではトランプ米大統領が中国の報復措置へのさらなる制裁措置を指示したことから109円台半ば近くまで下落した。その後、20日には欧州中央銀行(ECB)の年次フォーラムでパウエルFRB議長が段階的に利上げを推進していく姿勢を示すなどタカ派的な内容の講演をしたことから、米長期金利が上昇するとともにドル高圧力が強まり、ロンドン市場で110円70銭台まで戻した。
 しかし、21日には米中貿易紛争が再燃したことから再び110円割れに軟化し、週末22日には110円を挟んで動意薄になった。

 ユーロ・ドル相場は週前半から半ばにかけて、米中貿易紛争への懸念によるリスク回避から株安が進んでも特に影響を受けることなく、1ユーロ=1.16ドルを挟んで方向感のない展開になった。21日には講演でパウエルFRB議長がタカ派的な発言をしたことからドル高圧力が強まり、ニューヨーク市場では1.150ドル台まで下落した。
 しかし、週末22日にはOPEC総会の増産決定を受けてリスク選好が強まったことからユーロ高に振れ、ニューヨーク市場では1.167ドル台にまで上昇した。なお、同日にはトランプ大統領がEUからの自動車の輸入に20%の追加関税を賦課することを提唱したが、外為市場では一時的にユーロ安圧力をもたらすだけにとどまった。


 今週は、まず明日は先週末にOPEC総会で原油の増産が決まったことについて検証しておきます。
 明後日以降の3日間では、米中貿易紛争の真相、本質に迫るうえで、それを世界覇権の盛衰の観点からも考察したいと思います。
 今週もよろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。