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先週の動き・・・・米中貿易戦争の突入を控え米国株だけが堅調な展開に

ポイント
・6日に米国による中国に対する制裁関税や中国による報復関税の発動を控えたなか、中国株を中心に世界的に株安傾向になったが、良好な米景気指標が好感されたこともあり、米国株だけは概ね堅調な展開になった。
・外国為替市場では中国株や人民元安が進んだなか、リスク回避と良好な米景気指標の綱引きとなり、ドル・円は小動きになった。ユーロ・ドルは米雇用統計の発表を受けたドル安圧力から週後半に上昇した。


 先週の国際金融市況は6日に米国による知的財産権の侵害問題で340億ドル相当の中国製品に25%の追加関税を発動する期限を迎えたなか、中国株を中心に世界的に安傾向が続いたが、米国株だけは概ね堅調に推移した。

 米国株は週初2日には当初は中国株安の影響から下げたが、その後米供給管理協会(ISM)製造業景況指数が好調だったことからハイテク株主導で上昇に転じ、ダウは前週末比35ドル高に、ナスダックはそれ以上に上昇して同57ポイント高になった。翌3日には米中貿易摩擦が意識されて軟弱な展開になり、ダウは前日比132ドル安と一時的に反落した。しかし、独立記念日による休場を経て5日には欧州との自動車摩擦について、米政府高官が双方で関税をゼロにすることを提案したことでその懸念が薄れ、ダウが前営業日比181ドル高と上伸した。週末6日には実際に中国製品に対する追加関税が発動されてそうした要因が出尽くしとなったなか、米雇用統計で非農業部門の雇用者数が事前予想を上回ったことから前日比99ドル高と続伸し、ナスダックは同101ポイント高と大幅高になった。

 日本株は中国株の動きに大きく影響を受けたことから総じて軟調な展開になった。
 週初2日には中国株が急落したことから円高に振れたなかで軟弱な動きになり、日経平均は前週末比492円安と大きく下げた。翌3日にはドイツの政局不安の後退から買われる場面もあったが、米中貿易摩擦が意識されて再び下げていき、前日比26円安になった。4日は米国が祝日で市場参加者が少なく閑散な商いになったなか、貿易摩擦が懸念されて同68円安に、翌5日にはそれ以上に軟弱な動きになって同170円安になった。ただ、週末6日には実際に制裁関税が発動されたことでひとまず悪材料出尽くしになったなか、買い戻しが進んで同241円高と反発した。

 外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=110円台での動きが続いた一方で、ドイツの政局不安が後退したことから週後半にユーロ高が進んだ。
 ドル・円相場は週初2日の東京市場では中国株の急落や人民元相場が下げたことから円高圧力が強まったが、ニューヨーク市場ではISM製造業景況指数の好調からドル高圧力が強まり、翌3日の東京市場では111円10銭台にまで上昇した。しかし、海外市場に移ると米中貿易摩擦が意識されていき、さらに米国市場が休場だった翌5日のロンドン市場では110円30銭割れまで下げた。
 ただ、5日のニューヨーク市場では米欧間での貿易摩擦への懸念が後退したことや、6月12~13日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の内容が利上げの継続を示唆する内容だったことから切り返した。しかし、週末6日のニューヨーク市場では、米雇用統計で失業率や平均時給が予想ほど良好な内容ではなかったことから再び下落した。

 ユーロ・ドル相場は週前半から半ばまでは、ユーロ側の要因ではドイツの政局不安の再燃や沈静化に影響を受け、ドル側では米中貿易摩擦や良好な米景気指標の発表の綱引きとなったなか、1ユーロ=1.16ドル台で方向感なく推移した。しかし、5日には米欧間での貿易摩擦が後退したことや、米国でオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)社の雇用統計が予想を下回ったことからニューヨーク市場で1.172ドルに上昇した。週末6日にはドイツの政局不安が後退したなか、米雇用統計の発表でドル安圧力が強まったことから、ニューヨーク市場で1.177ドル近くまで一段高になった。


 今週は、明日は今後の市況展望のポイントとその見通しを簡単にしておきます。
 明後日は先週末に発表された米雇用統計の検証を簡単にしておきます。
 週末の2日間では、いよいよ先週末に米中間で貿易戦争に突入しましたが、その本質的な意義について今一度、考察してみます。
 1日目は主にトランプ政権がこうした強硬策に出ている真の目的について、これまで当欄で述べたことと異なる視点から考えます。
 週末の2日目には、そうした保護主義的な政策が経済情勢にどのような影響をもたらすかを考察することにします。
 今週もよろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。