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トランプ政権の背後勢力につらなる習近平を操る勢力

ポイント
・今回の米中貿易摩擦を巡る両大国間での交渉では米国側の“顔”が目に付くのに対して中国側ではあまりそれが見えないが、特に最高権力者間でトランプ大統領がかなり目立っているのに対し、習近平国家主席がいっさい発言をしていない。
・これは習近平主席が米国による外圧を利用して国有企業改革を進めようとしているからであり、より本質的にいえば、トランプ大統領の背後勢力が習主席をも操っているからだ。
・習近平主席を最高権力者に押し上げたのはトランプ大統領や安倍首相の背後勢力ともつらなる大物政治家であり、この人物が江沢民元主席の後継者や習主席の権力基盤を脅かす可能性のある大物共産党員を陥れた張本人だ。
・習近平主席は共産党大会や全人代を経て絶対的な権力基盤を確立したが、共産党常務委員や政治局員の人事で江沢民派がほぼ全滅したことで、習主席はこれから“大ナタを振るって”国有企業改革を断行できることになる。
・それにより米系資本が中国そのものを“蚕食”していき、「中国製造2025」の撤廃や技術強要の禁止により経済発展の道がふさがれる中国企業に対して技術を導入しながら、米系資本がグローバル規模で利権を拡大することで新フロンティア開発の道が開けてくる。


動きが目立っている米国側と目立たない中国側

 今回の米中貿易戦争で注目されるのは、米国側では交渉担当者やそれを取り仕切る人物の“顔”がはっきり出ているのに対し、中国側ではそれが少なくとも表面的にはほとんど見えないことだ。
 米国側ではロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表やピーター・ナバロ大統領補佐官、ウィルバー・ロス商務長官、スティーブン・ムニューシン財務長官といった実際の交渉担当者の顔ぶれが知られているが、なんといっても大きな影響力を行使しているという観点から際立って目立っているのがドナルド・トランプ大統領だ。
 これに対し、中国側では主に商務省がこの問題を扱っているが、交渉担当者としてはせいぜい経済政策担当の劉鶴副首相の名前が出てくるだけで、実際に交渉に同席しているはずの鍾山商務相や肖捷財政相の名前もあまり出てこない。なにより、米国側では最高権力者であるトランプ大統領が盛んにツイッターへの書き込みその他で影響力を行使して介入してくるのに対し、中国側ではその商務省や財政省、人民銀行を傘下に抱える国務院を統括している李克強首相が時折り発言することはあるが、最高権力者である習近平国家主席はこの問題ではいっさい発言をしていない。
 もとより経済政策や外交政策を直接的に統轄している最高責任者は表向き李克強首相ではあるが、既に習近平主席は李首相を抑え込んで絶大な権力基盤を確立しているにもかかわらず、何ら影響力を行使しようとしないのは不可解である。さらにいえば、習主席は米国との交渉を意図して、本来なら慣行では引退する年齢にさしかかっていたはずの年長の“盟友”の王岐山前中央規律検査委員会書記を国家副主席に就けており、実際に副主席は米国に渡ってこの問題で決着をつけに行くといった見方も出ていたが、その副主席もほとんど動きらしい動きを見せていない。


共青団系と肌合いが悪く上海閥からは嫌われてきた

 これはどうしてなのかというと、結論から先に言えば、最高権力者である習近平主席自身がいずれは国有企業改革の推進に踏み切ろうとしており、その目的を達成するために米国による“外圧”を利用しようとしているからだ。もっとも、こうしたこともある意味では表面的な解釈でしかないともいえなくもなく、より本質的な真実を言えば、習主席自身もトランプ政権で主導権を握っている親イスラエル右派的なナチズム系の権力者層に操られているからだ。
 習近平主席が中央政界に登用されたのは鄧小平が最高実力者だった時代なので、その意向によるところが大きいのは間違いないだろう。とはいえ、習主席は鄧小平の意向を最も受け継いでいるとされる胡錦濤前国家主席や李克強首相を輩出している共産主義青年団(共青団)系の勢力とは、その“エリート官僚”のような性格から肌合いが悪く、対立することが多かったようだ。かといって、90年代から00年代にかけて大きな権勢を振るった江沢民元国家主席を頂点とする「上海閥」の勢力からは、“田舎臭い”として嫌われていたという。
 その結果、江沢民元主席を中心とする勢力が米国側ではゴールドマン・サックス系と深い関係を結んだのに対し、習近平現主席は盟友の王岐山副主席が“金融畑”を歩んできた関係からシティ・グループの勢力とつながりを深めたようだ。実際、習主席が最高権力者になって以来、中国ではゴールドマンに代わってシティが影響力を強め、またエクソンモービルもかなり進出しているのにそれが見て取れる。


習近平の本当の性格とそれを擁立した黒幕の背後勢力

 習近平主席を最高権力者の地位に押し上げたのは、江沢民元主席が政財界で強い影響力を行使していた時代には「上海閥」に属しているように見せかけて勢力を強めながら、本当は朝鮮族出身として安倍晋三首相の背後勢力ともつらなる親イスラエル派の大物政治家の工作によるところが大きいのである。この人物が、江元主席や曽慶紅元国家副主席がその後継者として擁立しようとした陳良宇元上海市党委員会書記を陥れて失脚させたことで、上海閥の勢力が共青団系出身の李克強首相が最高権力者になることだけはどうしても嫌った結果、習主席がその地位に就いたのである。
 習近平主席の権力基盤を脅かす動きを見せた薄熙来元重慶市党委員会書記や周永康元中央政法委員会書記を陥れたのも、本当はこの人物の工作活動によるところが大きいようだ。さらにいえば、北朝鮮で胡錦濤前主席や李克強首相ら共青団系とつながって改革開放政策を推進しようとした張成沢(チャン・ソンテク)元国防委員会副委員長を処刑させ、親イスラエル派が仕立てた“影武者”の金正恩(キム・ジョンウン)委員長に絶対的な独裁権力を握らせたのもこの人物であるという。
 習近平主席が巨大な共産主義国家を運営する最高権力者の地位に就きながら、いかにもナチズム系の色彩が強い「中華民族(帝国)の復興」を掲げ、「大東亜共栄圏」構想にも通じる「一帯一路」構想を標榜しているのはこのためだ。中国の動向や米国との関係を考えるには、こうした誰も指摘しない習主席の本来の性格やその背後の巨大な勢力の意向を考えるのが不可欠であるのはいうまでもないことだ。
 ただ、こうしたことをより詳細に“暴く”のは危ういところがあるので、この件についてはこれ以上、詳細には触れないことにする。


江沢民派が全滅し大ナタを振るって国有企業改革を推進へ

 習近平主席は昨年10月の共産党大会と今年3月の全国人民代表大会(全人代)で絶対的な権力基盤を固めることに成功した。自身が毛沢東以来の共産党主席の地位に就くことはできなかったが、国家主席の地位の終身化に道をつけ、盟友の王岐山前検査委書記を慣例では定年を過ぎていたにもかかわらず国家副主席に就けた。さらには、習近平主席自身が唱えていた「新時代の特色ある社会主義」を党規約に盛り込むにあたり、そこに自身の名前を冠することになったことで江沢民元主席や胡錦濤前主席よりは完全に上位に立ち、しかもそれが「思想」として扱われることになったことで、「理論」にとどまっている鄧小平をも超えて「建国の父」である毛沢東と並ぶ存在になった。
 しかも、習近平主席は共産党で最上位の「チャイナ・セブン」といわれる政治局常務委員会委員はおろか、その下位メンバーである政治局員にも自身の系列の人脈を多数就けたのに対し、共青団系はそれなりに残ったが、かつて、江沢民元主席が強大な権力を握っていたことで大きな利権を握っているその系列の人脈は、郭声琨中央政法委員会書記を除いてほぼ全滅に近い状態になった。国有企業の利権の多くは江沢民派が握っているだけに、これから習主席は米国でトランプ政権で主導権を握っている親イスラエル右派の勢力の意向を受けて、“大ナタを振るって”改革を推進できるようになったといえる。


米系資本が中国を蚕食し新フロンティアを開発へ

 これから輸出も大きな打撃を受けることで中国経済が危うい状態になり、「中国製造2025」の撤廃や技術強要の禁止を受け入れざるを得なくなれば、中国経済はどうにも立ち行かなくなってしまうので、いよいよ習近平主席としては国有企業改革を断行する条件が整備されるとともにその名分を得ることになる。いうまでもなく、それにより都市部では失業者が増加して社会不安が強まる恐れがあるが、そこに習主席が絶対的な権力基盤を確立して公安部門を中心に強権体制が強化されてきた意義があるわけだ。
 国有企業改革が進めば国有銀行の巨大な不良債権が顕在化していくことになるが、既に中国では制度面では対外的な資本取引の自由化が確立されつつあるので、米系資本が完全な買収も含む資本参加をしていく道が開けることになる。そうすることで、技術強要が禁止されることで中国は経済発展への道が塞がれていくなかで、新たに中国そのものを“蚕食”していく外資による技術導入が進んでいくだろう。
 それにより「一帯一路」構想に乗ってユーラシア大陸の開発が進み、中東を経てアフリカ大陸に至るまで交易路が整備されていくことで、米系資本がグローバル規模で利権を拡大させていきながら、「新冷戦」体制の構築による軍需の創出と並んでこうした新フロンティアの開発が経済繁栄をもたらすことになると予想される。


 週末の明後日は、先週末のNATO首脳会議でトランプ米大統領が特にドイツに対して強硬な姿勢を示したことで物議を醸しましたが、その件について簡単に考えます。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。