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先週の動き・・・・FRB議長の議会証言でドル高後に米大統領の発言でドル安に

ポイント
・株価は週前半には好決算が続いたことで前週までの上昇傾向を継続したが、後半になると連日にわたるトランプ大統領の発言やツイートが嫌気されて反落した。
・外為市場では前半には好決算によるリスク選好に加え、パウエルFRB議長が議会証言で利上げ継続姿勢を見せたことからドル高が進んだが、後半になるとトランプ大統領がそうした政策やドル高の進行を牽制したことからドル安に振れた。
・今回のトランプ大統領による自国通貨安路線への批判の矛先は主に中国やEUに向けられており、特に日銀に対しては向けられていないので、中期的な円安や株高傾向は不変か。


 先週の国際金融市況は、株価が前半に米国での好決算から前週までの地合いを引き継いで底堅く推移したが、後半には貿易摩擦が再燃して弱含んだ。

 米国株は週初16日にはナスダックが下落したものの、ダウはバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)の決算内容が好感されて堅調に推移し、前週末比44ドル高になった。翌17日もジェローム・パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で米国経済が堅調に推移していると発言したことが好感され、ダウは前日比55ドル高と続伸した。そうした地合いは翌18日も続き、地区連銀経済報告(ベージュブック)が良好な内容だったことや好決算から続伸して同79ドル高になった。
 しかし、19日には決算内容が低調だったことや、25日に欧州連合(EU)との間で首脳会談を控えて貿易摩擦が懸念されたこと、さらにドナルド・トランプ米大統領がドル高の牽制やFRBの独立性を損なうような発言をしたことが嫌気され、同134ドル安と反落した。週末20日もそうしたトランプ大統領のドル高牽制姿勢が上値抑制要因になったが、それほど売り込まれることもなく、同6ドル安と小幅安にとどまった。

 日本株も週前半に堅調になったものの、後半に軟化した。
 3連休を明けた週初17日には前週末や週初の米株価が上昇したことから堅調になり、日経平均は前週末比100円高になった。翌18日もこれまでの地合いを引き継いで円安とともに続伸したが、高値では利食い売りを浴びて前日比96円高にとどまった。19日は前日の米国株が上昇したが、為替が円高に振れたこともあって上値が重くなり、同29円安と小幅安になった。そして週末20日にはトランプ大統領の発言からさらにドル安(円高)に振れたため、同66円安と続落した。

 外国為替市場では週前半にはパウエルFRB議長の議会証言からドル高に振れたが、後半にはトランプ米大統領の発言から一転してドル安が進んだ。

 ドル・円相場は1ドル=112円台前半で始まり、週初16日には動意薄だったが、翌17日のニューヨーク市場ではパウエルFRB議長が上院銀行委員会での証言で、今後も利上げの継続を肯定する発言をしたことからドル買い圧力が強まって上昇した。さらに18日のニューヨーク市場では米住宅着工件数が事前予想を下回ったことからいったん反落したが、その後ベージュブックの内容が好感されて再び上昇し、翌19日のロンドン市場では113円20銭近い水準に達した。しかし、トランプ大統領がCNBCのインタビューでパウエルFRB議長による利上げの継続やそれによるドル高を牽制する発言をしたことから、一転してドル安圧力が強まって反落していった。さらに週末20日もトランプ大統領がツイッターでFRBの政策や、それ以上に中国やEUが政策金利を低く抑えることで自国通貨を押し下げていることを批判したことから一段安になり、ニューヨーク市場では111円40銭まで下げた。

 ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.16ドル台で始まり、17日にかけて1.174ドル台に強含んだが、パウエルFRB議長の議会証言を受けたドル高圧力から下落していった。さらに翌18日にはベージュブックの公表を受けて下落歩調が続き、19日には25日に米EU首脳会談を控えて米欧間での貿易摩擦が懸念されて一段安になり、ニューヨーク市場では1.157ドル台まで下げた。しかし、トランプ大統領がFRBの利上げ継続姿勢を牽制する発言をしたことで急速にドル安圧力が強まり、週末20日も大統領が連日にわたり特に中国やEUの通貨・金融政策を批判したことから、ニューヨーク市場で1.174ドル近くまで急速に戻していった。


日銀は影響を受けそうもなく株高を支援へ

 日経平均は強力な上値抵抗のメドとされる2月上旬に急落した際に形成された2万3,000円前後のギャップにもう一歩のところまで戻して反落している。トランプ大統領による連日にわたるFRBのタカ派的な金融政策姿勢やドル高の進行を牽制する発言を受けて円安の流れが一服しており、当面は下値を模索する動きになりそうだ。
 ただ、今回のトランプ大統領の発言では中国や欧州とは異なって特に日本が名指しされておらず、日本銀行(日銀)の金融政策が影響を受けることは今のところ避けられている。FRBや欧州中央銀行(ECB)の後を追って日銀まで出口政策に向かうと、世界的に信用収縮が強まって中国ではバブル崩壊に拍車がかかりかねなくなるからだ。今後、トランプ政権の通商政策の矛先が日本に向けられる際に、トランプ大統領が日銀を批判する“口先介入”をすることはあっても、実際に水面下で政策変更を要求されることはないと思われる。
 だとすれば、当面は円安修正が先行しても中期的に円安傾向は変わりそうもなく、日経平均はいずれ前記のギャップを埋めて上昇に弾みがつくようになっておかしくない。また日銀による流動性供給機能が維持されれば米国株も上昇傾向が続いていき、ダウもやがて1月26日の2万6,616ドルの史上最高値を超えていくだろう。


 今週は、明日は先週のパウエルFRB議長の議会証言について簡単に検証しておきます。
 明後日からの2日間では、トランプ大統領が先週後半にFRBの利上げ路線やドル高の進行を牽制し、特に中国やEUについて批判しましたが、この両大国への米国の思惑について検証します。
 週末は米国の政策が従来からまったく変わっているなかで、日本の大企業の路線がこのままで良いのか、考察することにします。
 今週もよろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。