FC2ブログ

記事一覧

依然としてトランプ政権に抵抗するG30勢力

ポイント
・トランプ政権は外交政策の転換から現在ではFRBにタカ派的な姿勢を強めさせているが、兵器の輸出や生産拠点の国内回帰を目指すうえで本来的には緩やかなドル安を望んでおり、これにG30の意向を受けてその地位に就いているドラギECB総裁が抵抗している。
・親イスラエル右派的なナチズム系が主導権を握っているトランプ政権は左派的なコスモポリタン系の勢力を排除して権限をホワイトハウスに集中させようとしており、金融政策を管轄しているFRBも例外ではない。
・日銀が先日、超大規模緩和策の修正措置を決めるにあたり、雨宮副総裁は米国側の意向を受けて現行の緩和策の長期化を約束するフォワードガイダンスの導入を前面に出さないようにしたが、G30からその地位に就いている黒田総裁が会見でそれを積極的に持ち出した。


トランプ大統領の要求を拒否したドラギECB総裁

 ただし、日本を筆頭に駐留米軍を撤退させることで属国群を独立させたうえで兵器やその装備品の輸出を伸ばしていくことも含めて、中国に生産拠点を設けている多国籍企業が拠点を米国内に回帰させるのであれば、国際金融市場が動揺しない程度に緩やかにドル安になっていくのが米政府としては適切な通貨政策になる。実際、ドナルド・トランプ大統領自身をはじめ、多くの経済・通商関係の閣僚が折に触れてドル安を望むような趣旨の発言をしているのはそのためだ。
 そこでトランプ政権は米ドルに次ぐ地位にある国際通貨であるユーロを管轄している欧州中央銀行(ECB)に対し、米連邦準備理事会(FRB)とともに段階的に超金融緩和策からの出口に向けて動くように圧力を強めていたが、周知の通りマリオ・ドラギ総裁はそれを拒絶し、来年夏までは利上げに動かない姿勢を示してこれに抵抗している。その背景には、ドラギ総裁が経済・財政事情が脆弱なイタリア出身であるという事情があるのは言うまでもないことだが、それ以上に重要なことがある。


中央銀行の権限も握ろうとしているナチズム系

 そもそも、世界中の主要国・地域の中央銀行の金融政策を一元的に統轄・管理しているのは、米ロックフェラー財団と深いつながりのあるロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)が強力な影響力を行使しているグループ・オブ・サーティ(G30)だ。
 もとより世界中の中央銀行は欧州ロスチャイルド財閥の影響力が強かったはずだが、FRB議長や日本銀行(日銀)総裁、及びFRBの理事や日銀の審議委員といった実際に政策決定において投票権を握っている人事については米大統領や日本の首相といった行政部門のトップが指名権を握り、議会が承認することでその地位に就いている。そのため、ドイツ連銀(ブンデスバンク)のようなところを除くと、いつの頃からか米ロックフェラー財閥がそれを握るようになったと言える。
 大事なことは、つい最近まで主要国・地域の中央銀行の金融政策は親イスラエル左派的なコスモポリタン系の勢力によって握られてきたのであり、G30を構成している人たちは「世界皇帝」として君臨してきたデイヴィッド・ロックフェラーの金融部門における“子分”のような存在だった。トランプ政権で主導権を握っている親イスラエル右派的なナチズム系の勢力は、多くの部門でいまだにそうした親イスラエル左派系の勢力が握り続けているなかで、そうした権限を次々に奪い取ってホワイトハウスに集中させることで排除していこうとしており、金融政策を統括しているFRBも例外ではない。
 以前には金融部門の法律の専門家としてFRB理事に就任しており、本来的に金融政策については“素人”であるはずのパウエル現議長をその地位に就けたのも、ホワイトハウスの“イエスマン”になることを期待してのものだ。


次期ECB総裁を巡る人事抗争

 ただし、トランプ政権としてはFRBは自分たちの影響下に置くことができても、ECBについてはそうではない。ドラギ総裁はG30の意向でその地位に就いており、実際に現総裁に強力な影響力を行使しているのは、G30の重鎮であるジャンクロード・トリシェ前総裁である。
 その意味で、ドラギ総裁がトランプ政権の意向を拒否して頑なに来年夏まで利上げをしない姿勢を続けておかしくないといえる。足元で親イスラエル左派系につらなるウォール街の勢力である米系ヘッジファンド群が強力にユーロ売り・ドル買いを仕掛けて、トランプ政権が目指している緩やかなドル安路線を挫折させようとしているのも、このように考えるとまったくおかしなことではない。
 ただし、ドラギ総裁の任期が来年10月末で切れるのを控え、ECBの金融政策がタカ派路線へのシフトを目指す意味で米トランプ政権とドイツとの間で“奇妙な”提携関係が成立しているなかで、本来ならドイツ連銀のイェンス・ワイトマン総裁が次期総裁に就任しておかしくなく、実際に今でもその最有力者であることに変わりない。とはいえ、11年11月にドラギ現総裁が就任するにあたり、本当は当時、ドイツ連銀総裁だったアクセル・ウェーバー現UBS会長が最有力だったが、米ロックフェラー財閥の後押しを受けたトリシェ前総裁が強力に圧力を強め、ドラギ現総裁を強引に自身の後任に就けた経緯がある。
 次期ECB総裁の人事を巡り、今回は米国でドイツ連銀総裁を推す勢力が主導権を握っていることから、当時に比べると波乱が起こりにくいと見られている。それでも、主要国・地域の金融政策についてはいまだにG30は水面下で隠然たる権限を行使しているところがあり、フランス中央銀行のフランソワ・ビルロワドガロー総裁はじめワイトマン総裁以外の人物を推す動きが出ていることに留意しておく必要があるだろう。


日銀の金融政策もG30の影響力がいまだに残る

 いまだにG30の意向を受けてその地位に就いている人物が影響力を行使しているのは、大場智満元大蔵省財務官の系列である行天豊雄元財務官を後見人とする日銀の黒田東彦総裁も同様である。
 先週の最後の当欄でも述べたが、トランプ政権が水面下で超大規模緩和策の修正措置を決めるように求めていたなかで、7月30~31日の金融政策決定会合でそれを決めるにあたり、雨宮正佳副総裁が米政権と財界の意向の板挟みに遭っている官邸の意向を汲み取りながら、現行の長期金利の誘導目標水準を0%に据え置いたままで、その変動許容幅を倍に拡大する方向で根回しをしていた――すなわち、長期金利の上限を0.2%まで認めるということだ。ただし、リフレ派からも同意を得るにあたり、現行の超大規模緩和策をしばらく続けることを「宣言」するフォワードガイダンス(将来の指針)を導入することにしたのであり、実際に原田泰、片岡剛士両審議委員からは同意を得られなかったものの、若田部昌澄副総裁に賛成させることで執行部としては体面を保つことに成功した。
 ただし、雨宮副総裁は米国に配慮して会合で決定する際にはそのフォワードガイダンスを出来る限り前面に出さないようにしたが、黒田総裁が会合後の会見で積極的に持ち出して、自らの“言”で「宣言」したのである。いうまでもなく、黒田総裁はG30から送り込まれているからであり、トランプ政権の意向に従うつもりはないようだ。


 明日はトルコ問題について、エルドアン政権に対して米国でトランプ政権と反目している旧勢力がそれを取り込んでともに以前にはISを支援してきたことや、現政権で主導権を握っている新勢力に対して関係が悪化していることを検証します。
 週末の明後日には、こうした旧勢力と新勢力の対立が中国の権力闘争にも反映されているなかで、特に足元では北載河会議が開催されていることもあり、簡単に見ておきます。
 よろしくお願いします。
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

17894176

Author:17894176
永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。