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ナチズム系は長期的に米国から中国への覇権後退を前提に動いている

ポイント
・米国の世界覇権の絶頂期に主導権を握っていたコスモポリタン系はその覇権を再構築することを目的に中国を“殺そうと”しているが、この勢力はトランプ政権で主導権を握っておらず、そうした観点で解説をしている識者は“時代遅れの産物”でしかない。
・新たに主導権を握ったナチズム系は米国の覇権が徐々に衰えていき、将来的に中国にその地位を明け渡すことを前提に動いており、今回、「打倒中国」でコスモポリタン系と共闘することになったとはいえ、目的意識が異なり両者は“同床異夢”の関係にある。
・ナチズム系が貿易戦争を仕掛けて中国に対して圧力を強めているのは、外資に対する技術強要を禁止させることで独自ではこれ以上、経済発展できなくなる状態にすることで、抜本的に国有企業改革を推進させ、外資がその経営権をも握ることが出来る状態にすることだ。
・中国は意図的に財政基盤が脆弱で債務過多の途上国に巨額の融資をして利権を奪い取ることを繰り広げているが、本当はそれをさせているのは米ユダヤ系資本であり、米系金融資本が国有銀行に“追い貸し”をしている。


米国が中国に覇権奪取に向けて挑戦させないためとの見方は時代遅れ

 以前、当欄では、新たに主導権を握ることになった親イスラエル右派的なナチズム系と旧来の左派的なコスモポリタン系の勢力が、中国に打撃を与えるという共通目的を実現するために共闘することになったことを述べた。そこではどうして中国を攻撃するかについて、これら新旧両勢力の目的についても言及したが、今回もその文脈上、簡単にもう一度述べることにする。
 コスモポリタン系は米国の世界覇権の絶頂期で主導権を握っただけに、その目指しているものは覇権をもう一度再構築することだ。そこでは、米国の覇権の維持を揺るがしている「BRICS」と呼ばれている新興大国に打撃を与えて米国の世界的な優位性を取り戻すことに主眼が置かれることになり、その最大の標的はいうまでもなく中国である。
 そこで世界中の主要国・地域の中央銀行の金融政策を統括・管理しているグループ・オブ・サーティ(G30)の最高幹部として送り込まれたスタンレー・フィッシャー副議長(当時)主導で米連邦準備理事会(FRB)が積極的に出口に向けた戦略を推進することで、作為的に信用収縮を引き起こして中国から資本流出を加速させ、バブル崩壊を促進させようとした。また軍事的にもヒラリー・クリントン元国務長官を大統領に据えて、民主党系の新保守主義(ネオコン)派主導で中国を封じ込めようとしていた。
 そうした観点では、米国が今、中国に対して「中国製造2025」の撤廃や外資に対する技術強要の禁止を要求しているのは、中国が米国の世界覇権に挑戦するような状況にさせないようにすることが目的だということになる。これはまさに最近、日本でも多くの専門家が、米国が中国に対して貿易問題を仕掛けている目的として解説しているものだ。しかし繰り返すが、もはやこの勢力は主導権を喪失した「過去の勢力」に過ぎず、日本でも多くの専門家が指摘していることは“時代遅れの産物”でしかない。


ナチズム系が中国を攻撃することで目論んでいること

 これに対し、ナチズム系は長期的な視点では米国の世界覇権がこれから徐々にではあるがさらに衰えていき、将来的に覇権国の地位を中国に明け渡すことを「予定説」として受け入れ、またそれを“所与の条件”として動いている。実際、現在の米国のナチズム系で最大の大物であるヘンリー・キッシンジャー元国務長官は、かなり以前からそうしたことを指摘し、また中国側にも伝えている通りだ。それを前提としたうえで、覇権が移ってからもそれを内部から“蚕食”して裏側で主導権を握り続けることを目的に中国を攻撃している。
 具体的に言えば、「中国製造2025」の撤廃や特に外資に対する技術強要を禁止させ、また中国資本による米国への投資を厳格に制限(事実上の禁止と言って過言ではない)することで、中国がこれ以上、自力で経済発展できないような状態にしようとしている。
 中国では米国のように創造性を発揮して新産業を興したり、日本が得意とするような“職人気質”を働かせて技術革新に磨きをかけ、さらなる高度な部品や製品を造る能力に著しく欠けている。これまでの経済発展はもっぱら外資から技術を盗み取り、国有大企業に巨額な補助金を支給して国家ぐるみで強力に支援し、“規模の経済”を存分に働かせていくというものだった。技術強要が禁止されてしまえば中国としてはこれ以上、経済発展が出来なくなってしまうので、完全な買収も含めて経営権を完全に外資側(米系資本)が握ることで技術を導入しないことには立ち行かなくなることになる。
 それにより米系資本が中国そのものを蚕食していくことで、「一帯一路」構想はじめ中国が積極的にユーラシア大陸から中東やアフリカにまで進出していくなかで、グローバル規模でその利権を握っていこうというわけだ。こうしたことはこれまで、当欄で何度となく述べてきたことだが、大事なことなのでもう一度指摘することにする。


中国攻撃で同床異夢の関係にあるナチズム系とコスモポリタン系

 いわば今回、ナチズム系とコスモポリタン系は「打倒中国」で共闘することになったとはいえ、その目的意識が異なっており“同床異夢”の関係にあるわけだ。コスモポリタン系は米国の世界覇権を維持するために中国を“殺そうと”しているが、ナチズム系はそれは望んでおらず、あくまでも「豚(中国)は太らせてから喰え」という戦略なのである。
 こうしたロックフェラー財閥内部での抗争はかつて、英国が世界の覇権国だった当時、ロスチャイルド財閥内部では事実上の本家である英ロンドンのロスチャイルド家に対してドイツの勢力が仏パリのロートチルト家を支援して対抗したのに符合するところがある。


中国の途上国融資の背後に米系金融資本の追い貸しがある

 中国ではナチズム系に操られている習近平国家主席がその意向通りに公共インフラ事業を削るなど国有企業の債務削減計画を優先的に推進してきた一方で、対外的にもスリランカで港湾の運営権が譲渡されたように、あえて債務過多な状態にある開発途上国に返済能力を超える巨額の融資をして、最終的に奪い取ることを繰り返し行っている。
 以前、アラビア半島を上回る原油の埋蔵量を誇る(ただし、ガソリンや中間留分の精製に向かない重質油だが)オリノコ川流域の油田地帯を奪い取るためにベネズエラに巨額の融資をしたが、同国が債務不履行(デフォルト)の危機に陥ると中国経済も危機的な状況に陥りかねなくなってしまったものだ。それでもこうしたデフォルトが危惧される経済・財政事情が脆弱な途上国に融資ができる背景には、密かに米系金融資本が中国の国有銀行に簿外で“追い貸し”をしている事情があるようだ。
 そうしたなかで、FRBが積極的に金融引き締め政策を推進するなどして信用収縮局面に陥れば、国有銀行の財務内容も悪化して米系資本に対して同じような“憂き目”に遭うことになる。米中両大国は表面的に軍事的、経済的、通商面その他で激しく対立しているように見えながら、水面下ではユダヤ系資本が操る形で相互依存関係が進んでいるのである。覇権国や大帝国、王朝は“栄枯盛衰”による交代劇を繰り返しても、ユダヤ金融商人が裏側で暗躍して操っていく構図は古今東西、変わることがないようだ。


 今週はこれで終わりです。
 来週も週明け3日の月曜日から掲載していくので、よろしくお願いします。
 なにかありましたら、書き込みをお願いします。
 懇親会形式のような小規模なものでも構いませんので、筆者の講演会をお望みでしたら対応させていただきます。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。