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新冷戦を望むナチズム系と望まないコスモポリタン系

ポイント
・現在では「オールアメリカン体制」での中国に対する強硬姿勢で一致しているが、基本的にコスモポリタン系は米国の世界覇権を維持するうえで中国を撃滅しようとしているので、「新冷戦」構造により“ヤラセ”の軍拡競争を繰り広げることは望んでいない。
・これに対し、ナチズム系は将来的に中国に覇権を明け渡すことを前提に動いており、世界的に駐留している米軍を撤退させて属国群を独立させて軍事力を強化させていき、兵器や装備品の輸出を伸ばそうとしているので、中国と対峙した新冷戦体制の構築を望んでいる。
・コスモポリタン系は中国を撃滅しようとしているのに対し、ナチズム系は習近平国家主席の背中を押して国有企業改革を推進させることで、“寄生虫”のごとく中国そのものを“蚕食”し、「一帯一路」構想に乗ってグローバル規模で利権を獲得していこうとしている。



中国撃滅を望んで新冷戦を望んでいないコスモポリタン系

 これまで当欄で述べてきたように、最近では米国では中国に対して「オールアメリカン体制」での強硬姿勢で一致しているが、結論から先に言えば、本来的に打倒しようとしている親イスラエル左派的でリベラル的、社会主義的な世界単一政府志向のコスモポリタン系は新冷戦体制を望んでいない。これに対し、ドナルド・トランプ大統領やその背後及び側近の勢力が最近、柔軟な姿勢を見せている親イスラエル右派的で国家主義的、社会主義的なナチズム系がそれを望んでいる面があることに留意する必要がある。
 これまで当欄で述べてきたことだが、軍産複合体を中心にウォール街の金融資本、多国籍企業や社会的ネットワーキング・サービス(SNS)関連企業、主要なメディアといったコスモポリタン系の勢力は、米国の世界覇権を維持する観点から将来的にそれに取って代わろうとしている野心を見せている中国を撃滅させようとしている。
 コスモポリタン系の“巣窟”である英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の“学閥”が大きな影響力を行使しているグループ・オブ・サーティ(G30)の最高幹部の一員として米連邦準備理事会(FRB)執行部に送り込まれたスタンレー・フィッシャー副議長(当時)が、本来的にハト派的だったジャネット・イエレン前議長を“突っついて”タカ派的な金融政策を推進させ、中国不安を引き起こしてきたものだ。またバラク・オバマ前政権期に軍産複合体に支持されていた民主党系新保守主義(ネオコン)派がヒラリー・クリントン元国務長官を次期大統領に擁立して、中国に対して軍事的に封じ込め政策を推進させようとしていたものだ。
 そこでは、いわゆる冷戦構造というのは表面的に対立構造を強めることで軍拡競争を繰り広げることなので、もとより中国を撃滅しようとしているコスモポリタン系がそれを望んでいるはずがないのだ。


新冷戦構造で兵器や装備品の輸出増加を目論むナチズム系

 これに対し、現在のトランプ政権で主導権を握っているナチズム系は、将来的に中国に覇権を譲り渡すことを前提に動いている。そこでは、世界各地に駐留している米軍を撤退させて覇権を放棄していく代わりに、構造的に財政負担も軽減させていきながら、独立していく属国群に軍事力を強化させていき、それらの国々に兵器やその装備品等の輸出を伸ばすことで、国内での生産活動を活発にさせるとともに貿易赤字を縮小させようとしている。
 いうまでもなく、世界でも群を抜く貯蓄超過国であり、中国の隣国でもある日本はその最大の“お得意様”である。安倍晋三首相が本来的にはリフレ派の経済学者やエコノミストの提言を信奉していながら、それでも消費税率の10%への引き上げを再延期をせずに予定通り19年10月には実施する姿勢を見せているのは、これから恒常的に拡大していく防衛費の増額分の財源を手当てするためである。
 そこではつまり、かつての旧冷戦構造がホワイトハウスをナチズム系のジョン・フォスター・ダレス、ヘンリー・キッシンジャー両元国務長官が管轄し、ソ連のクレムリンをロックフェラー財閥の総帥の地位を継承し、本来的に共産主義者だったデイヴィッド・ロックフェラーが管轄していたように、巨大な“ヤラセ”の構図が形成されていた。それと同じように、これから構築されていく「新冷戦」体制においても、共産主義青年団(共青団)出身の李克強首相を封じ込め、専制的な権力を握った習近平国家主席を操ることで巨大なヤラセが形成されていき、それを名分に両陣営間で軍拡競争が華々しく繰り広げられていくのである。


中国に寄生虫のように取り付き蚕食を目論むナチズム系

 このように、米権力者層でも両勢力の間では目的意識が異なるので、中国に対して「中国製造2025」の撤廃や外資に対する技術強要の禁止を求めていても、その意味するところが違っている。
 コスモポリタン系は米国の覇権を維持するうえで、中国がその地位を脅かすまでに興隆していかないように、また経済発展ができないような状況にしようとしている。これに対し、ナチズム系は中国がそのままではこれ以上、経済発展できないような状況に持ち込んだり、またそうした状態に陥ることを“脅し”として使うことで、習近平主席の背中を押して抜本的な国有企業改革に取り組ませることを意図している。そうすることで米系資本が国有銀行や代表的な国有企業を支配下に収めることで、“寄生虫”のごとく中国そのものを“蚕食”していき、「一帯一路」構想に乗って特にこれまで米国が進出できなかった地域を中心に、グローバル規模で利権を獲得していこうとしている。
 こうしたことはこれまで何度となく述べてきたことだが、非常に重要なことなのでもう一度指摘しておく。


 週末の明日もこの続きを掲載します。
 明日は安倍首相がその地位に就いて以来の米国との関係を振り返ることで、現在の日本が置かれた状況を考察することにします。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。