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先週の動き・・・・荒い値動きを継続したなかリスク回避で急落する場面も

ポイント
・米中貿易協議で中国側が農産物の輸入拡大やハイテク政策の見直し等で譲歩したことから上昇する場面もあったが、英国でEU離脱をめぐる議会での採決が延期になったり、世界経済の減速懸念が強まったこともあり、荒い値動きのなか急落する場面も目に付いた。
・外為市場では英国でのEU離脱案の採決の延期やその修正協議をEU側が拒否したこと、ECB理事会でインフレ見通しが引き下げられたこと、ユーロ圏の景況感指数が低調だったことからユーロ安が進む場面が見られた。



 先週の国際金融市況も米中貿易問題を中心に、英国の欧州連合(EU)からの離脱を巡る動き、イタリアの財政問題その他、注目要因が目白押しのなか、世界経済の減速懸念も加わって動意の激しい展開を継続し、株価が急落する場面も目に付いた。

 米国株は週初10日には英国で翌日に控えていたEU離脱案の議会での採決が延期になったことから当初は前週末に続いて大幅安になったが、その後それまで売り込まれていたハイテク株に買い戻しの動きが進んだことから急速に切り返し、ダウは前週末比34ドル高に、ナスダックは同51ポイント高とそれ以上に上げた。翌11日もEUが離脱案の修正協議を拒否する姿勢を示したことから当初は下落したが、その後米中間で貿易協議が再開され、中国側が米国車の輸入関税の引き下げを検討する姿勢を示したことから再び切り返し、ダウは前日比53ドル安の下げ幅にとどまってナスダックは同11ポイント高と小幅続伸した。さらに12日にはカナダで逮捕されていた華為技術(ファーウェイ)の幹部が保釈されたことや、中国が農産物の輸入拡大やハイテク政策の見直しを検討する姿勢を示したことから一段と地合いが強くなり、ダウは同157ドル高に、ナスダックも同66ポイント高になった。
 13日は英国でテリーザ・メイ首相の保守党での不信任案が否決されたことや、米国でも新規失業保険申請件数が良好な内容だったことから当初は上伸したが、その後中国でのハイテク企業の不振が嫌気されてダウは同70ドル高まで上昇幅を縮小し、ナスダックは同27ポイント安と反落した。週末14日は中国の経済指標が悪化したことからアジア株が軟弱な動きになり、さらにユーロ圏の景況感指数(PMI)も低調だったことから世界経済の減速懸念が高まり、ダウは同496ドル安に、ナスダックも同159ポイント安と急落した。

 日本株は週初10日には米中貿易戦争への懸念の高まりから米国株が急落した流れを受けて円高とともに軟弱な動きになり、日経平均は前週末比459円安と急落した。翌11日も英国でのEU離脱案の議会での採決の延期を受けて続落したが、その後押し目買いから下げ幅を縮小し、同71円安にとどまった。12日にはカナダの裁判所が逮捕・拘留されていたファーウェイの幹部の保釈を条件付きで認めたことから急速に地合いが好転し、同454円高と急反発した。翌13日も中国政府が農産物の輸入拡大やハイテク政策の見直し等で米国側に譲歩する姿勢を示したことが好感され、同213円高と続伸した。しかし、週末14日には日本銀行(日銀)の企業短期経済観測調査(短観)で先行きの見通しが悪化したことや、それ以上に中国の社会消費品小売総額(小売売上高)や工業生産高が悪化したことが嫌気され、他のアジア株とともに軟弱な動きになって同441円安と急落した。

 外国為替市場では米中貿易戦争で中国側が譲歩する姿勢を示したことでドル高気味に推移した一方で、英国でのEU離脱案の採決の延期や欧州中央銀行(ECB)理事会の結果、ユーロ圏の景気指標の悪化からユーロ安が進んだ。

 ドル・円相場は週初10日には1ドル=112円台半ばで始まった後、東京市場では株価の急落による円高圧力から弱含んだが、ニューヨーク市場では株価が反発したことから113円30銭台に上昇した。11日には113円台前半で小動きが続いた後、12日にはファーウェイの幹部の保釈や、中国政府が農産物の輸入拡大やハイテク政策の見直しを検討する姿勢を示したことでリスク選好が強まったことから円安圧力が優勢になり、翌13日のロンドン市場にかけて113円70銭付近まで強含んだ。しかし、週末14日には東京市場では中国での景気指標が、ロンドン市場ではユーロ圏景況感関連の指標の悪化による世界経済の減速懸念からリスク回避が強まったことで円高圧力が強まりだし、ニューヨーク市場では113円20銭付近に弱含んだ。

 ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.140ドル前後で始まった後、ロンドン市場ではEUからの離脱案を巡り議会を通過するメドが立たなかったことからメイ首相が採決の延期を決めたことから、ポンド安とともにユーロ安圧力が強まった。さらに翌11日もジャンクロード・ユンケル欧州委員長が離脱案の修正協議の開催を拒否する姿勢を示したことから一段安になり、リスク選好からドル高圧力が高まったことも加わってニューヨーク市場では1.130ドル台まで下落した。その後、イタリアの財政問題が落ち着いてきたことから1.14ドル近い水準まで戻したが、13日にはECB理事会でインフレ率の見通しが引き下げられたことや、会見でマリオ・ドラギ総裁が「リスクバランスは下振れ方向に向かいつつある」と述べたことから再びユーロ安圧力が強まりだした。そして週末14日のロンドン市場ではドイツやユーロ圏の景況感関連指数が悪化したことから一段と下げ圧力が強まり、1.1270ドル付近まで下落した。


注目されるFOMCでのドットチャートの行方

 今週は18~19日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。焦点は声明文でこれまで盛り込まれていた「段階的な利上げが正当化される」という文言が削除もしくは修正されるかどうかもさることながら、最も注目されるのが、各委員の今後の利上げの見通しの分布状況を示すドットチャートの行方についてである。ジェローム・パウエル連邦準備理事会(FRB)議長を除くと、ラエル・ブレイナードFRB理事やシカゴ連銀のチャールズ・エバンズ総裁といったタカ派の論客の論調はこれまでと変わっていない。ドナルド・トランプ大統領が利上げの決定を牽制しているなかで、前回からどの程度ハト派的な見通しにシフトしているかが注目される。


 今週は、明日はECBの金融政策の意義を簡単に検証しておきます。
 明後日はここにきてイタリアの財政問題が沈静化してきましたが、その背景について考えます。
 明後日以降はファーウェイの幹部の逮捕の本質を考えながら、米中間の協議について今一度、考察します。
 今週は1日多く、22日の土曜日まで掲載します。
 今週もよろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。