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先週の動き・・・・FOMCのタカ派姿勢や米政府閉鎖懸念でリスク回避が強まる

ポイント
・世界経済減速懸念に加えてFOMCで市場の予想よりかなりタカ派的な姿勢が打ち出されたことや、米政府機関の一部閉鎖が現実味を帯びたことでリスク回避が強まり、日米ともに株価が急落して年初来安値を更新し、ダウの先週の下落率は08年10月以来となった。
・外為市場ではリスク回避から米長期金利の低下とともに円高圧力が高まった。一方で、イタリアの財政問題が決着したことからユーロ高圧力が高まったが、週末にはポジション調整から急落した。


 先週の国際金融市況は米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的とされた政策姿勢や米政府機関の閉鎖懸念等からリスク回避が強まり、長期金利の低下とともに株価が急落して日米ともに年初来安値を更新した。

 米国株は週初17日には前週末14日に世界経済減速懸念を受けた急落商状を継続して大幅続落となり、ダウは前週末比507ドル安に、ナスダックも同156ポイント安になった。翌18日には自律反発に加えて米住宅着工件数が良好な内容だったことから当初は上伸したが、その後FOMCの開催を控えて手仕舞い売りから上昇幅を縮小し、ダウは前日比82ドル高に、ナスダックも同30ポイント高にとどまった。19日はFOMCの結果が出るのを控えて当初は買い戻しから小反発したが、実際にFOMCでは予想よりかなりタカ派的な姿勢が示されたことから急落していき、ダウは同351ドル安に、ナスダックも同147ポイント安になった。さらに翌20日もその流れを受けてアジア・欧州株が急落したことや、ドナルド・トランプ米大統領がメキシコ国境との壁の建設費用の捻出をめぐりつなぎ予算に署名しなかったことから大幅続落となり、ダウは同464ドル安に、ナスダックも同108ポイント安になった。
 週末21日にはクリスマス休暇を控えて買い戻しが先行したことから当初は上伸し、ダウは一時同400ドル近く上げたが、その後つなぎ予算が成立せず米政府機関の一部閉鎖が現実味を帯びたことや、前日にジェームズ・マティス国防長官が2月末で辞任することを表明したことも嫌気されて再び急落していき、ダウは同414ドル安に、ナスダックも同195ポイント安になった。この結果、先週1週間でダウは1,655ドルも下げたことで下落率は6.9%とリーマン・ショックの際の08年10月以来の規模に達し、ナスダックも577ポイント下げた。

 日本株は週初17日には買い戻しが先行したことから反発し、日経平均は前週末比132円高になったが、ロンドン市場に移行するとリスク回避の動きが強まって円高に振れたことから、翌18日には前日比391円安になった。19日も弱含み商状が続いて同127円安になった後、20日にはFOMCの結果を受けて米国株が急落しただけでなく、リスク回避から円高が進んだことにも圧迫されて同595円安と急落した。さらに週末21日も米政府機関の閉鎖懸念から米国株が大きく下げただけでなく、保釈されると見られていた日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が再逮捕されたことも加わって一段と地合いが悪化し、一時2万円すれすれまで下がるなど同226円安になった。それにより、日経平均は先週1週間で1,200円以上も下げた。

 外国為替市場ではリスク回避から円高が進む一方で、イタリアの財政不安の後退からユーロ高が進んだ。

 ドル・円相場は週初17日の東京市場では1ドル=113円台前半で推移した後、ロンドン市場では世界経済減速懸念によるリスク回避から円高圧力が強まって下げていき、ニューヨーク市場ではFOMCの開催を控えてピーター・ナバロ米国家通商会議(NTC)委員長が連邦準備理事会(FRB)の利上げの決定を牽制する発言をしたことからドル安圧力も高まり、112円60銭台に下落した。18日には米株価が自律反発したことや、米住宅着工件数が良好な内容だったことからやや戻した。しかし、19日のニューヨーク市場の終盤ではFOMCの結果がタカ派的と受け止められたことで当初はドル高圧力がやや強まったが、その後一転してリスク回避から円高圧力が強まり、さらに翌20日には米政府機関の閉鎖が現実味を帯びたこともあって一段とそうした動きが助長され、ニューヨーク市場では110円80銭付近まで下落した。ただ、週末21日もリスク回避が強まりやすい状況が続いたが、クリスマス休暇を控えてポジション調整から111円台半ば付近まで戻した。

 ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.12ドル台前半で始まった後、ニューヨーク市場ではナバロ米NTC委員長のFRBへの利上げ牽制発言によるドル安圧力から、翌18日のニューヨーク市場の序盤にかけて1.14ドル台乗せまで上昇した。その後、米住宅着工件数の好調からいったん1.13ドル台前半に反落したが、19日のロンドン市場ではイタリアの19年予算案が欧州連合(EU)の欧州委員会で承認され、同国の財政問題がひとまず決着したことから1.144ドル付近まで上昇した。その後、ニューヨーク市場の終盤ではFOMCで打ち出された姿勢がタカ派的と見なされたことからややドル高圧力が強まり、1.136ドル付近まで軟化したが、すぐにそれによりリスク回避からドル安圧力が強まったことで上昇していき、翌20日のニューヨーク市場では1.148ドル台に達した。ただ、週末21日のニューヨーク市場ではクリスマス休暇を控えて一気にポジション調整が進んだことから、1.13ドル台半ば付近に急落した。


 先週はリスク回避が強まり株価が急落したなかで、FOMCで打ち出された姿勢がそれに拍車をかけたことから、今週は重点的にそうした問題を取り上げることにします。
 明日はFOMCで打ち出された姿勢が市場ではかなりタカ派的とされたことや、それを受けた市場の反応について見ていきます。
 明後日は8月下旬のジャクソンホールでの講演以来、パウエル議長の発言内容に市場が振り回されてきた経緯を振り返って考察します。
 週末の2日間では、FRBが今後も利上げを推進していく姿勢を示しているにもかかわらず、長期金利が下がり過ぎている背景について、その構造的な問題を検証することにします。
 今週もよろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。