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左翼的な文在寅政権の本質と韓国の宿命

ポイント
・旧来のコスモポリタン系とは異なり、ナチズム系主導の米国は豊富な地下資源の利権の獲得を目指して北主導で朝鮮半島を統一しようとしており、日韓関係の清算を求めている。日本でも、“真正”右翼勢力にとっては歴史的な経緯から北側の方が親和性が強い。
・左翼的な文在寅政権が成立したことで韓国では“人治”を基盤とする儒教による統治体制に回帰しており、“ミニ中華思想”的な観点から反日的な姿勢を推進しているが、それは米トランプ政権や日本の真正右翼的な勢力を基盤とする安倍政権には好都合である。
・朝鮮半島が統一されると、核兵器を保有し、米国が日本やロシアとともに経済進出していく北朝鮮が優位に立つと予想される。それ以前に日韓通貨スワップ協定が再締結されるメドが立たなくなったなかで、金融危機が強まると韓国は日米の“金融植民地化”の恐れも。


米ナチズム系は日韓関係の清算を求めている

 北朝鮮である程度の核兵器や短中距離ミサイルが温存されるなかで、米軍が韓国を皮切りに沖縄からも撤退していくことが視野に入ることで、日本では核兵器に対する恐怖が強まることが予想される。それにより、国内世論をどれだけ右翼タカ派的に誘導していけるかが焦点になってくる。そのためには、今のうちに日本と韓国との関係を悪化させて分断しておく必要がある。
 戦後、日本の右翼勢力は米国の後押しで北朝鮮の共産主義独裁政権に対抗するために朴正煕(パク・チョンヒ)軍事政権を支援していき、それ以来、軍事利権を握っている韓国の保守層と日本の自民党政権は良好な関係を築いてきた。しかし、米国でドナルド・トランプ政権で主導権を握っている親イスラエル右派的で国家主義的、民族主義的なナチズム系の権力者層はウラン鉱石をはじめとする豊富な埋蔵資源の利権を握るにあたり、北主導で朝鮮半島を統一させようとしているため、戦後続いてきた関係を清算するように求めている。
 しかも、そうした韓国の保守派との関係が長く続いたことで今でも多くの日本の右翼や保守派は洗脳されたままでいるのだろうが、洗脳されていない“真正”右翼の人たちにとっては北側の方が親和性が強いのである。戦前の日本の植民地統治時代には資源が豊富な北部地域が政治や経済の中心地だったことや、日本の軍部が中国東北部の満州地方を基盤に「五族協和」による「大東亜共栄圏」の構築を目指したなかで、その地域は朝鮮半島北部と隣接しているからだ。


儒教的な性格が強い韓国の左翼勢力と文在寅政権

 日韓関係を分断するにあたり、文在寅(ムン・ジェイン)大統領による親北反日米的な左翼政権の性格は、米ナチズム系の権力者層や日本でも安倍晋三首相の背後の真正右翼的な宗教勢力にとっては好都合である。
 ここで指摘すべきことは、韓国では左翼主義といえばマルクス主義を含む社会主義や共産主義を指すのではなく、復古主義的な儒教主義への回帰を意味することだ。いわゆる「左翼」といえば革新がさらに先鋭化した急進勢力のことを指すはずであり、その意味では本当は韓国の左翼勢力は「右翼」なのかもしれないが、それについては深く考えないことにする。
 通常、共産主義でも特にマルクス主義では無神論的で唯物論的な観点から宗教的な要素は排撃される傾向にある。儒教の“本場”である中国でも、毛沢東が文化大革命を推進していた際にはそれは古い“因習”だとして攻撃されたものだ。ところが、もとより朝鮮半島では日本に統治される以前には、紀元前108年に前漢の武帝が衛氏朝鮮を滅ぼして楽浪郡を置いて以来、1894~95年の日清戦争で清朝が敗れるまで2,000年もの期間にわたり中華帝国の属国であり続けたので、社会の底辺には「ミニ中華思想」が染みついている。
 韓国では同じ左翼政権でも、当時は米国では親イスラエル左派的で世界単一政府志向のコスモポリタン系の勢力が強く、また金大中(キム・デジュン)大統領が亡命生活をしていただけに日本通であったこともあり、次の廬武鉉(ノ・ムヒョン)政権まではそれほどそうした性格が強くなかった。しかし、現在の文在寅政権になってからそうした性格がかなり強くなっているようだ。


人治への退行が起こり日本を“卑しい国”と位置付ける価値観

 儒教的なミニ中華思想の価値観が強い勢力が青瓦台(大統領府)で主導権を握ったことで、韓国では今、近代社会における特徴的な「法治」から前近代的な「人治」による体制への退行が起こっていると言えるだろう。徴用工の問題では、いかに大法院(日本の最高裁判所に相当)が下した判決であり、三権分立だから行政権はどうすることもできないとはいっても、1965年の日韓基本条約の締結で国内法より優先される国際法的に解決済みとされているにもかかわらず、法の概念を超越した為政者による判断や意向が優先されていると言えよう。
 また対外的にも「中華」的な価値判断をするので、その中心地である中国を尊敬する一方で、「東夷」に位置している日本は“卑しい国”という価値判断になるのであり、そうした国に対しては“朝貢”させて当然だという考え方になるわけだ――すなわち、半永久的に賠償金を供出させれば良いということになるのである。米ナチズム系の権力者層が日韓関係を悪化させようと目論むにあたり、文在寅政権はまさに“打ってつけ”の性格だと言えるだろう。
 ただし、それでは韓国が全体的に中国に同質化していくかというと、筆者はそのようには考えていない。韓国の世論調査を見る限り、日本以上に中国を嫌っている人が多いからだ。言うまでもなく、米ナチズム系の権力者層もそうしたことを考慮に入れて文在寅政権を利用しているのである。


韓国は北朝鮮に対して優位に立てず日米の金融植民地化も

 朝鮮半島は南北による連邦国家のようになっていくといった予想をする向きが散見されるが、在韓米軍が撤退していくなかで、いかに北朝鮮軍が飢えている兵士もいるなど経済的に困窮しているとはいえ、ある程度は核兵器を保有している独裁国家に対して韓国がどれほど優位に立てるか心もとない。
 多くの韓国の人たちは経済力で優位に立てると思っているのだろうが、その北朝鮮には豊富な資源の利権の獲得を目当てに米国が日本やロシアとともに進出していくことになる。そこでは、拉致問題をどのように解決していくか定かではないとはいえ、水面下では米国との間での“裏合意”により、日本側が戦後賠償金や復興資金の名目で巨額の資金拠出をしようとしているフシがあり、おそらく韓国は経済力でも優位に立てないだろう。
 それ以前に、もはや日韓通貨交換(スワップ)協定が再締結されるメドがまったく立たなくなったなかで、20年には米国経済が景気後退(リセッション)に陥ると指摘する向きが多く、それに伴って信用収縮が強まり、資本流出が加速する危険性が高い。そうなれば、いうまでもなく国家レベルで債務不履行(デフォルト)に陥る危険性が高まることになる。韓国では97年11月に通貨危機に陥った際と比べると外貨準備は豊富であるものの、現在では資本流出入の規模が比較にならないほど巨大化している。当時は国際通貨基金(IMF)の管理下に置かれて多くの代表的な財閥系企業の過半の株式を米系金融資本に握られたように、じきに起こるであろう次回の危機でも実質的に日米の“金融植民地”のような状態になっておかしくない。


 今週はこれで終わりです。
 来週もこれまで通り、週明け4日の月曜日から掲載していくのでよろしくお願いします。
 なにかありましたら書き込みをお願いします。
 筆者から直接お話をお聞きしたいようであれば、少人数での講演もお引き受けいたしますので、御連絡いただければと思います。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
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