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先週の動き・・・・米中での良好な景気指標の発表もあり株価が堅調に

ポイント
・株価は米国や中国での良好な景気指標の発表や人民銀行がオペを再開したことから総じて堅調な展開になった。
・外為市場ではリスク選好からドル・円相場は112円台に乗せると上値が重くなった一方で、米長期金利の上昇や低調なユーロ圏の景気指標の発表から週後半にユーロ安が進んだ。
・株価は日経平均が中段の保合いを上放れたことで本来の上昇波動に回帰した公算。外為市場では日米通商協議が始まったなか、為替条項が導入されるとの観測から円高見通しが出ているが、それは杞憂に過ぎないと思われる。


 先週の国際金融市況は株価が総じて堅調に推移した。

 米国株は前週末12日にJPモルガンチェースの好決算から上伸したなか、週初15日には続く金融機関の決算内容が思わしくなかったことから頭重くなり、ダウは前週末比27ドル安になった。ただ、16日には人民銀行が4週間ぶりに公開市場操作(オペ)を再開したことで中国株が上伸し、独ZEW景況感指数が良好な内容だったことから欧州株も上昇したことで米国株も堅調な展開になり、前日比67ドル高になった。17日も中国の実質国内総生産(GDP)成長率が事前予想を上回ったことや、米中貿易協議が早ければ5月にも成立するとの見通しが出たことから当初は続伸したものの、その後主要企業の決算内容が低調だったことから反落していき、同3ドル安と小幅安になった。18日には米小売売上高や週間新規失業保険申請件数が極めて良好な内容だったことや、主要企業の決算内容も良かったことから同110ドル高と堅調な展開になった。週末19日は聖金曜日(グッドフライデー)で休場。

 日本株も総じて堅調な展開になった。週初15日には前週末12日に米国株が上伸したなか、中国株も上昇したことで為替相場が円安に振れたなかを強調地合いとなり、日経平均は前週末比298円高と上伸して2万2,000円台に乗せた。16日には当初は利食い売りが先行したが、その後人民銀行がオペを再開したのを受けて中国株が上伸したことから出直っていき、前日比52円高と続伸した。17日も中国のGDP成長率が予想を上回ったことが好感されて続伸したが、引けにかけて利食い売りが出たことで上昇幅を縮小していき、同56円高にとどまった。18日には前日の米国株の引け味が良くなかったなかで、そうした利益確定売りが一気に出たことから同187円安と軟弱な動きになった。週末19日には前日の米国株が上昇したなか、中国・広東省で家庭用ゲーム機の販売が承認された任天堂株が大幅高になったことに牽引され、同110円高と堅調な動きになった。

 外国為替市場では小動きが続いていたドル・円相場の値動きが一段と小さくなった一方で、週後半にユーロ安が進んだ。

 ドル・円相場は週初15日の東京市場では中国株高で円安気味に推移し、さらにニューヨーク市場ではニューヨーク連銀製造業景況指数が良好な内容だったことからドル高圧力も強まり、1ドル=112円10銭付近に達した。ただ、16日の東京市場では上値抵抗を超えられず111円80銭台に下押したが、ニューヨーク市場では米長期金利が上昇したことからドル高圧力により再び112円台に乗せ、翌17日の東京市場では中国のGDP成長率の発表を受けた円安圧力から112円20銭近い水準に達した。その後、利食い売りで112円を割り込んだ後、ニューヨーク市場では米貿易赤字が予想を下回ったことや、米中貿易協議が5月にも成立するとの見通しが報じられたことから再度112円台に乗せた。18日の東京市場では株価が利食い売りで下げたことから111円80銭割れに下落したが、ニューヨーク市場では米小売売上高や週間失業保険申請件数がかなり良好な内容だったことからドル高圧力が強まり、再び強含んでいった。週末19日にはニューヨーク市場が休場で閑散な商いとなったなか、111円90銭台で動意薄になった。総じて週を通して底堅く推移したが、112円台に乗せると上値が重くなる展開が続いた。

 ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.132ドル台で始まり、週初15日のロンドン市場ではフランス中央銀行のフランソワ・ビルロワドガロー総裁がユーロ圏の景気認識や欧州中央銀行(ECB)の金融政策姿勢についてハト派的な発言をしたことからユーロ安圧力が、またニューヨーク市場ではニューヨーク連銀景況感指数が良好な内容になったことからドル高圧力が強まり、1.13ドルを割った。16日のロンドン市場では独ZEW景況指数が良好な内容だったことから一時的にユーロ高圧力が強まって1.13ドル台半ばまで戻したが、ニューヨーク市場では米長期金利が一気に上昇したことからドル高圧力が強まり、1.128ドル付近まで下げた。その後、17日のニューヨーク市場では米主要企業の決算内容が不調だったことから株価が頭重くなったことでいったん反発し、1.13ドル台を回復した。しかし、18日のロンドン市場ではIHSマークイット社によるドイツ及びユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)が低調だったことからユーロ安圧力が強まり、さらにニューヨーク市場では米小売売上高や失業保険申請件数がかなり好調な内容だったことからドル高圧力が強まり、1.122ドル台に急落した。週末19日はニューヨーク市場が休場だったため動意薄。


日経平均が中段の保合いを上放れ

 日経平均はザラバで昨年12月26日の1万9,000円割れの安値で底入れして年明け以降、順調に反発してきたが、3月に入ってから2万1,900円付近を上値抵抗とする中段の保合いを形成して上値が重くなった。しかし先週初15日に上伸して2万2,000円台に乗せたことで本来の上昇波動に回帰したと思われる。
 一方で、米国ではこれまで、世界経済の減速懸念や米中貿易摩擦、米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的な姿勢を背景に株安が進む局面では長期債が買われ、逆イールド化が進んでいた。しかし、最近では世界経済不振の震源になっていた中国で良好な景気指標が発表されるようになったのを受けてリスク選好が強まりだすにつれて、長期金利が上昇するとともに株価も上がりやすくなっている。ドナルド・トランプ政権の意向を受けてFRBがハト派的な金融政策姿勢を示すようになったなかで、こうした傾向はしばらく続きそうだ。


為替条項の導入問題を懸念するのは杞憂に過ぎない

 こうしたなかで、ドル・円相場も足元では1ドル=112円台に乗せると上値が重くなるが、じきに一段高に向かうだろう。日米通商協議が始まったなかで、市場では米政府が為替条項の導入を求めてきた(通商協議と切り離して両国の財務相間で協議されることになったが)ことが警戒されており、年後半には円高見通しを唱える識者も見受けられるようになっている。
 しかし、筆者はそれは杞憂に過ぎないと考えている。むしろ、足元ではそうしたことを懸念して円買いをする向きが多くなればなるほど、112円台半ば近くまで切り上がると損失覚悟の手仕舞いが出てくることで一段と円安が進みやすくなると予想している。


 今週は先週初から日米通商協議が始まったなか、明日は米国側が求めている為替条項の導入について、USMCAで導入されたものの内容を検証することで考察します。
 明後日は先週初頭での協議で米国側が求めてきたもののうち、農産品について見ることにします。
 その翌日は米国側が対日赤字の縮小を求めてきたことについて、米権力者層が本当に日本に求めていることについて、構造問題の観点から考察します。
 週末はそれに関連して、先週後半には安倍首相の側近が消費増税の延期をほのめかす発言をしましたが、その本質を考察したうえで今後の展望をします。
 今週もよろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。