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敵対及び旧勢力に囲まれて身動きが取れなかった日米両首脳

ポイント
・トランプ大統領が日米安保条約の変更を求めると特に日本の有識者層の間で大きな衝撃が走ったが、それはそうした人たちが米国の属国統治を受けて洗脳されているからであり、大統領の背後の権力者層は世界各地に駐留している米軍を撤退させようとしている。
・トランプ大統領は16年の大統領選挙戦中からこうしたことを主張していたが、それを最近まで提唱しなかったのは、就任直後には軍産複合体や職業軍人系といった敵対しているコスモポリタン系の勢力に囲まれて身動きが取れなかったからだ。



相互に連関していた日米中ロ4首脳の動きと会談

 先週は18~19日の連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を機に一段と強まった米連邦準備理事会(FRB)の利下げ加速観測が後退したなか、週末に日本・大阪で開催された主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に並行して行われた米中首脳会談の行方が注目を集めた。また24日には米ブルームバーグ通信の報道で、翌25日には米FOXでのインタビューでドナルド・トランプ米大統領が日米安全保障条約に疑義を呈することを述べたことが日米関係者に、特に日本側の多くの有識者層に衝撃を与えた。
 それ以外にも、なにしろG20サミットでは20カ国・地域の首脳が一堂に集まっただけに個々の首脳会談の行方にも注目が集まった。例えば韓国では、徴用工問題等から日本との関係が冷え込んでいるなかで、経済情勢の悪化を危惧している文在寅(ムン・ジェイン)大統領が安倍晋三首相との首脳会談を模索したものの日本側に拒絶され、それに対する失望感や反日感情のさらなる高まりが韓国側の報道から漏れ伝わってきたものだ。週明け1日には日本側が半導体の輸出規制の強化に動き、それにより韓国では有力な電機産業が壊滅状態に陥る状況にもなりかねず、報復の連鎖になっていく恐れが出ている。
 ただ、やはり各国間の首脳会談における日本側の事情で大事なものは、3カ月間で3回目となるトランプ大統領との日米間や、声明で「永遠の隣国」という新しい文言が使用され、来年春に国賓として習近平国家主席の来日を正式に招待した日中間でのものとともに、ウラジーミル・プーチン大統領との日ロ首脳会談だっただろう。これら日米中ロの4首脳の動きは、その水面下での動向を通じて相互に連関しているものだ。


対米従属のコマとして使われてきた日本の有識者層

 まずトランプ大統領による日米安保条約に関する発言については、米軍が日本を防衛する義務を負っているのに日本は米国を守らなくても良いのは「不公平」であると主張したものだが、この発言については日本の官僚層や多くの自民党議員その他有識者層の間で大きな衝撃をもたらした。
 なにしろ日本の多くの有識者層の間では、確かに日本は防衛を米軍に依存しているものの、日本側は旧冷戦時代にはソ連に、最近では中国に軍事的に対峙していくにあたり、アジア極東で重要な基地を提供している。しかも、近年では米軍の駐留費の7割以上を日本側が負担しており、その負担割合は米軍基地がある他の国々より圧倒的に多いのに、どうして不平不満を言われなければならないのかといった論調が支配的だ。しかしこうした認識は、日本の有識者層の多くが戦後70年以上にわたり米国の属国統治を受け続け、米国が世界覇権を維持するうえでその“コマ”として使われてきたことで対米従属に洗脳され続けており、ほとんどの人たちがそうした観念から脱却できないことを物語るものだ。
 これまで世界覇権を握り続け、日本の“宗主国”だった米国の支配的な権力者層は、親イスラエル左派的で社会主義的、リベラル的な世界単一政府志向のコスモポリタン系から、16年11月の大統領選挙でトランプ現大統領が勝利したことで、親イスラエル右派的で国家主義的、民族主義的なナチズム系に主導権が移っている。この権力者層は将来的に中国に覇権を明け渡そうとしており、意図的に覇権を後退させていくうえで世界各地に駐留している米軍を徐々に撤退させていこうとしており、アジア極東地域でも韓国から撤退すれば、その次には日本の沖縄からも退いていくことになる。
 こうしたことは、これまで何度となく当欄で述べてきたことだ。


政権発足当初はコスモポリタン系に囲まれていたトランプ大統領

 そもそも、日米安保条約が片務的で不公平なものであることや、極東では軍事大国化しつつある中国だけでなく北朝鮮も核保有を進めているなかで、日本や韓国が核武装していない“不自然さ”については、トランプ大統領が16年の大統領選挙戦中から指摘していたことだ。
 トランプ大統領は17年1月にその地位に就いて以来、つい最近までナチズム系の権力者層から植え付けられた持論を主張しなかったのは、閣僚の多くが軍産複合体やそれに付随する職業軍人系といったコスモポリタン系の勢力に取り囲まれて身動きが取れなかったからだ。つい最近まで「世界皇帝」として君臨していたコスモポリタン系の“領袖格”だったデイヴィッド・ロックフェラー直系の世界最大の石油メジャーであるエクソンモービル出身のレックス・ティラーソン国務長官や、職業軍人出身のハーバート・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)やジョン・ケリー大統領首席補佐官、さらに経済金融面でも、デイヴィッド・ロックフェラーの勢力が中国に事業展開を推進してグローバル生産体制を構築するにあたり、欧州ロスチャイルド財閥の勢力と結びつける役割を果たしたゴールドマン・サックス出身のゲイリー・コーン米国家経済会議(NEC)委員長といったコスモポリタン系の勢力に取り囲まれていたものだ。
 そうしたなかで、特に極東での軍事展開をめぐっては、職業軍人系のジェームズ・マティス国防長官(いずれも当時)の影響力が強かったものだ。そのマティス長官の解任に成功した頃からトランプ大統領が主導権を発揮するようになって北朝鮮問題が動き出し、在官米軍の撤退に向けた動きが現実味を帯びるようになったのは決して偶然ではない。


 明日もこの続きを掲載します。
 明日は今回、述べたことの結論について指摘することにします。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。