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ECB総裁人事をめぐるドイツとG30との対立

ポイント
・ドイツはユーロ圏で最大の出資国であるにもかかわらず、ECBを送り出せないで不満を抱いている。トリシェ前総裁が任期を迎える際にも、前総裁が重鎮だったG30が当時のドイツ連銀総裁を追放し、その構成員だったドラギ現総裁を就けた経緯がある。
・独メルケル政権も以前にはドラギ現総裁の後任にドイツ連銀総裁を就けようとしていたのに対し、米ロックフェラー財閥本流の系列としてコスモポリタン系の巣窟であるG30がそれを阻止しようとしていた。
・トランプ米政権の成立で主導権を握ったナチズム系の勢力はNATO体制を崩壊・形骸化させて駐留米軍を撤退させたうえで、ロシアの軍事的な圧力を強めさせてドイツに軍事力を強化させようとしている。
・さらに欧州各地に反EUや移民排斥を唱えている極右勢力を支援してEUを崩壊・分裂させていき、19世紀型の国民主権国家体制に回帰させようとしている。ドイツでも極右勢力の台頭からメルケル政権がレームダック化している。



G30がドイツ連銀総裁のECB総裁への就任を阻む

 ドイツではもとより欧州中央銀行(ECB)総裁人事に大きな不満を募らせていたが、ユーロ圏での最大の出資国であるにもかかわらず、いまだに同国から総裁を送り出すことができていないのだから当然である。ジャンクロード・トリシェ前総裁が11年10月末に任期を迎えるにあたり、次期第3代総裁にはドイツ連銀のアクセル・ヴェーバー総裁(当時、現スイスUBS会長)の就任が有力視されていた。しかし、グループ・オブ・サーティ(G30)の重鎮であるトリシェ前総裁がバラク・オバマ前米政権の後押しもあって圧力をかけてヴェーバー総裁を追放し、米ゴールドマン・サックス副会長だった経歴もあってG30の構成員だったイタリア中央銀行総裁のマリオ・ドラギ現総裁を強引に擁立した経緯がある。
 これまで当欄で何度も述べている通り、このG30は「中央銀行の独立性」の美名の下、世界中の主要国・地域の中央銀行の金融政策を統括、管理している国際金融マフィア組織である。つい最近まで「世界皇帝」として君臨してきた米ロックフェラー財閥の総帥デイヴィッド・ロックフェラーが強大な影響力を行使していたフェビアン社会主義協会系のロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の人脈で固められており、典型的な親イスラエル左派的で社会主義的、リベラル的な世界単一政府志向のコスモポリタン系の“巣窟”とでもいい得るべきものだ。例えば、日本銀行(日銀)の黒田東彦現総裁も典型的なこのG30系の人脈であり、その後見役が大場智満元財務官から受け継いでG30の一員になった行天豊雄元財務官である。
 独アンゲラ・メルケル政権は当初、ドラギ総裁の後任のECB総裁にドイツ連銀のイェンス・ヴァイトマン総裁を送り込もうとした。その背景には、ゴールドマンを介して米ロックフェラー財閥とつながり、多国籍企業主導によるグローバル生産体制の構築に寄与してきた欧州ロスチャイルド財閥の親米的な勢力に対し、通貨価値の信認の維持にこだわることでそれと対立していた同財閥の反米的な勢力の意向があった。


ナチズム系が主導権を握り状況に変化

 状況が変わってきたのは、米国でコスモポリタン系の勢力が凋落して親イスラエル右派的で国家主義的、民族主義的なナチズム系の勢力が主導権を握り、16年の大統領選挙でヒラリー・クリントン元国務長官が“インチキ選挙”の末に敗れてドナルド・トランプ現政権が成立してからだ。
 これまで当欄で何度も述べてきたように、トランプ政権の背後のナチズム系の権力者層は、軍事・安全保障面では世界各地に駐留している米軍を徐々に撤退させていき、経済・通商面でも保護主義的な政策を推進してグローバル生産体制を瓦解させることで、米国の世界覇権を意図的に後退させようとしている。そのうえで、独立させていく属国群に軍事力を強化させて連携し、「悪の帝国」中国に対峙して軍拡競争を繰り広げることで巨大な軍需を創出する一方で、各国や各地域間で競争を激化させることで経済成長につなげようとしている。


ドイツの軍事力強化とEUの崩壊・分裂を目指す

 そこで欧州についていえば、北大西洋条約機構(NATO)体制を形骸化及び崩壊させて駐留米軍を撤退させたうえで、ロシアに軍事的圧力を強めさせることでドイツに軍事力を強化させようとしている。またその一方で欧州全体の政治体制についても、反欧州連合(EU)や移民排斥を唱えている極右勢力を、米国やロシアの諜報機関に潜り込んでいるイスラエルの工作員を介して支援しており、EUを崩壊・分裂させて19世紀型の国民主権国家体制に回帰させようとしている。
 実際、19世紀に「栄光ある孤立」状態だった英国は、16年6月23日の国民投票の結果、“インチキ集計”により「離脱」が「残留」を上回ったとされてブレグジットの方向性が決まっている。また中世以来、「皇帝派(ギベリン)」と「教皇派(ゲルフ)」に分かれて抗争を続けるなど容易に統一が達成されないイタリアでも、ポピュリズム勢力の協力を得ることで利用しながら右翼政党の政権が成立している。
 そうしたなかで、ドイツやフランスといったEUの中核国でも極右政党の台頭から既存政党が著しく勢力を弱めており、メルケル政権のレームダック化が進んでいる。


 週末の明日もこの続きを掲載します。
 明日は次期ECB総裁にどうしてドイツ出身者が就くことにならなかったのかを見ることにします。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。