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先週の動き・・・・週央にかけて株価戻すも週末に米中貿易戦争激化でリスク回避強まる

ポイント
・米国株は週初には米政府の対中制裁措置の一部緩和や中国、ドイツでの景気対策期待、週央には小売関連企業の好決算からおおむね上昇したが、週末には中国政府が米国側の追加制裁への報復措置を、それに対抗して米政府も制裁の強化を発表したことから急落した。
・外為市場ではコンテ伊首相の辞任表明やECBの議事要旨の内容を受けてユーロ安圧力が根強い状態になったが、週末には米中貿易戦争が一段と激化したことで米長期金利が急低下したことからドル安圧力が強まった。



 先週の国際金融市況も前週までと同様に不安定な動きを継続した。

 米国株は週初19日には米政府が中国に対する追加関税の発動の一部延期や、華為技術(ファーウェイ)に対する調達禁止措置の猶予期間をさらに90日間延長すると発表したこと、中国人民銀行が貸出金利の引き下げを計画していると報じられたこと、さらにドイツのオーラフ・ショルツ財務相が経済危機時に最大500億ユーロの財政支出が可能と発言したことからリスク選考が強まり、ダウは前週末比249ドル高に、ナスダックも同106ポイント高と上伸した。20日はイタリアで連立与党間の不和からジュゼッペ・コンテ首相が辞意を表明したことから欧州株が下落したことで軟調な地合いになり、ダウは前日比173ドル安に、ナスダックも同54ポイント安になった。21日は前日の反動で欧州株が反発したなか、米国でも小売関連企業の好決算が好感されて切り返し、ダウは同240ドル高に、ナスダックも同71ポイント高と上伸した。22日もIHSマークイットによるドイツやフランスの製造業購買担当者景気指数(PMI)が事前予想を上回ったことで欧州株が上昇したことや小売関連企業の好決算から続伸したが、米国の製造業PMIが低調な内容だったことからダウは同49ドル高と上昇幅を抑制し、ナスダックは同28ポイント安と安値引けした。そして週末23日には中国政府が米国側による追加制裁関税に対する報復措置を発表し、ドナルド・トランプ米大統領もその対応策を講じるとツイッターに投稿(その後、具体的な対抗策を発表)したことから急速にリスク回避が強まり、ダウは一時同750ドル近く下げて同623ドル安に、ナスダックも同239ポイント安と急落した。

 日本株は週末の海外市場でのリスク回避の動きを織り込まなかったため、総じて堅調な展開になった。週初19日には前週末にドイツや中国での景気浮揚策への期待から海外株が上伸したことから堅調な動きになり、日経平均は前週末比144円高になった。20日もドイツや中国での景気浮揚策に加え、米政府が中国に対する追加制裁関税措置の一部延期を発表したこともあって海外株が続伸したことから前日比114円高になった。21日にはイタリアでの政局不安による海外株安から反落したが、景気対策期待で中国株が下げ渋ったことから同58円安と下げ幅は抑制されたものになった。22日は前日の米国株が上昇したことで当初は堅調に推移したが、その後外国人投資家がいっせいに手仕舞い売りに動いたことから同9円高と小幅高にとどまった。週末23日には米連邦公開市場委員会(FOMC)委員による相次ぐタカ派的な発言から円安(ドル高)に振れたのが好感され、同82円高になった。

 外国為替市場ではおおむねユーロ安に振れてドル強含みになったが、週末の海外市場ではリスク回避や米長期金利の低下から円高やドル安が進んだ。

 ドル・円相場は週初19日には米政府が中国に対する制裁関税の一部延期やファーウェイに対する調達禁止措置の猶予期間をさらに90日間延長すると発表したこと、中国での貸出金利引き下げやドイツでの財政出動の可能性が報じられたことでリスク選考が強まり、米長期金利が上昇したなかをニューヨーク市場で1ドル=106円70銭付近まで上昇した。20日はイタリアの政局不安から株安となったことで円高圧力が強まり、弱含み気味となった。21日には米中古住宅販売件数が好調だったことや、7月30~31日開催分のFOMC議事要旨の内容がそれほどハト派的ではなかったとされたことからドル高気味に転じた。22日のニューヨーク市場ではカンザスシティ連銀のエスター・ジョージ、フィラデルフィア連銀のパトリック・ハーカー両総裁の発言がハト派的でなかったことと、米製造業PMIが低調だったことが相殺して動きにくくなった。そして週末23日には中国の国務院が米国に対して報復的な関税措置を打ち出し、それに対抗してトランプ大統領も一段と関税率を引き上げる対抗措置の発動を表明したことから急速にリスク回避が進み、米長期金利が急低下したなかを円高及びドル安圧力が強まったことから、ニューヨーク市場で105円20銭台半ば付近まで急落した。

 ユーロ・ドル相場は週初19日には米中貿易戦争の緩和期待や中国、ドイツでの景気浮揚策への期待からリスク選好が強まったものの、動意薄となった。20日にはロンドン市場でイタリアのコンテ首相の辞任表明からユーロ安圧力が強まって下落したものの、ニューヨーク市場では総選挙後の新連立政権が欧州連合(EU)との財政問題での協議を再開させるとの期待から戻した。21日もロンドン市場では当初、英国のEU離脱の基本的なシナリオは合意のないものとフランス政府高官が発言したことからポンド安に追随してユーロ安圧力が強まったが、すぐに欧州株が全面高となったことから下げ渋った。22日もロンドン市場では欧州中央銀行(ECB)理事会の議事要旨の内容を受けてユーロ安圧力が強まったが、ニューヨーク市場では米国の製造業PMIが低調だったことから相殺された。そして週末23日には米中貿易戦争が激化するとの懸念からドル安圧力が強まったため、1.11ドル台半ば付近まで上昇した。


 今週は先週22日に韓国政府が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄したことが国内では大きな話題になったので、それを取り上げることにします。
 破棄することになった背景を日米韓のそれぞれの政府の思惑、さらにそこから話を発展させて朝鮮半島情勢をめぐる国際権力の思惑、戦略について考察します。
 まず明日は文在寅大統領を中心とする勢力が以前からGSOMIAをどのようにしていたかについて見ていきます。
 今週もよろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。