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円安・ドル高や株高が進みやすい状況が続く

 新年、明けましておめでとうございます。今年は覇権国としてグローバル志向で世界を管理してきた米国で、これまでとは打って変わって反グローバル志向で保護貿易主義的、右翼国粋主義的なドナルド・トランプ政権が発足して最初の年を迎えます。これまでの大きな潮流が変わる節目となる歴史的で劇的な年になる可能性を秘めるだけに、これまでにも増して情報収集と分析業務に精進してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。


ポイント
・先週は週半ば以降、東芝問題からリスク回避が強まる場面があったが、それ以外は年末を迎えて閑散ななか動意薄となり、ユーロ相場が利食いの買い戻しで反発した。
・ドル・円相場や株価は米次期政権が発足する前に調整局面を迎える可能性があるが、ドル・円相場はテクニカル的には4-6月期に1ドル=130円程度まで上昇する可能性も。



 2016年最後の週となった先週の国際金融市況は、クリスマスを過ぎて年末に向けて年間で最も閑散になりやすい時期を迎えただけあって、前半の株価は動意薄の展開を継続した。週央には東芝が米原子力発電事業で巨額な特別損失を強いられるとの報道からリスク回避が強まり、28日にはダウが前日比111ドル安に、翌29日には円高も重なって日経平均株価が同256円安になるなど、週末・年末にかけて利食い売りが先行して軟弱な動きになった。

 外国為替市場でも週前半は動意薄になったが、半ば以降は東芝問題によるリスク回避から円高に振れ、ドル・円相場は週末30日の東京市場では1ドル=116円05銭台まで下げた。ただ、その後の海外市場では落ち着きを取り戻して116円台後半を中心とする値動きになった。

 ユーロ・ドル相場はイタリアの銀行不安から28日のロンドン市場では一時1ユーロ=1.037ドルに軟化したが、すぐに東芝問題によるリスク回避からドル安圧力が強まり、反発していった。さらに週末にかけては年末から利食い先行の動きが一段と進んでいき、30日の東京市場では1.062ドル台まで戻した。


ようやくやや本格的な調整局面入りも

 ドル・円相場は11月9日に大統領選挙でトランプ候補の勝利が決まって以来、一時的に1ドル=101円20銭割れに急落してから一気に高騰していき、12月15日には118円65銭とわずか1ヵ月超で17円50銭超も上げた。その後、年末にかけて東芝の巨額減損処理問題からリスク回避が強まり、30日には116円すれすれまで下げたが、それでも調整局面としては下げ幅が不十分である。それだけに年明け以降、やや本格的な調整局面を迎える可能性があるだけに注意を要する。

 昨年の年初には年明けから中国不安を発端に信用不安が強まったが、一昨年も基本的にはリスク選好が強い状況が続いていたにもかかわらず、年初から一時的に調整局面を迎えたものだ。これまではトランプ政権が発足するのを控えて、その経済政策を先取りして米長期金利の上昇やドル高、株高傾向が続いてきただけに、20日の大統領就任式がいよいよ迫ってくるにつれていったん調整局面が先行しておかしくないだろう。


4-6月期に130円程度まで上昇か?

 もっとも、大統領選挙が終わって一気にドル高や株高が進み、調整らしい調整を入れてこなかったため、多くの投資家はそれほどドルや株式を買うことができないでいた。それだけに、これから訪れるであろう調整局面では、そうした投資家にとってはようやく買い拾うことができる局面を迎えることができるのだろう。

 ドル・円相場は英国で欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う国民投票が行われた昨年6月23日の翌24日の東京市場で1ドル=99円の安値をつけた時点で5年サイクルが底入れしたと思われる。現在は新5年サイクルの上昇局面の初期にあたり、最初の1年サイクルの途上にある。
 通常、最初の1年サイクルはかなり強気のライト・トランスレーション(上昇局面が下降局面より長い強気型サイクル)になることが多いため、4~5月頃まで天井を打たないだろう。おそらく、短期的に調整局面を迎えてもかなり軽度のものにとどまり、その後4-6月期にかけて二段上げに向かうのではないか。その天井については15年6月5日の125円82銭の高値を超えてくると思われ、130円程度まで上昇すると予想している。


 明日は日本の政局と中国の空母が南シナ海を航行した件について考察した後、2日間にわたり長期的な景気循環の観点から今年以降の景気を大雑把に考察します。週末には中国の今年の位置づけについても触れていきます。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。