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景気循環からはミニ黄金時代を迎え日米主導でデフレ克服へ

ポイント
・現在はコンドラチェフ・サイクルの上昇局面の前半期であるクズネッツ・サイクルの上昇局面にさしかかっており、最も好ましい局面を迎えている。
・これは米国で大規模な軍需の創出に動き、それにより増発される米国債を日本側が引き受ける「日米マネタイゼーション政策」が強化されていくことを示唆している。
・それより短期的な波動である在庫投資循環も設備投資循環も好ましい局面を迎えており、昨今の日米の株価の動向は日米主導で世界経済がデフレ圧力を克服していくことを示唆。



現在は両サイクルの上昇局面にあり高成長が続く可能性も

 前回はコンドラチェフ・サイクルに、それより下位サイクルであるクズネッツ・サイクルを組み合わせて説明した。
 現在の局面はコンドラチェフ・サイクルが底入れして上昇局面に転じてまだ間もない時期にあたり、その前半期でクズネッツ・サイクルも上昇局面に当たる。いわば、穏やかなインフレ傾向下で比較的高めの高成長が見込める局面にさしかかり、財政政策主導で最も好ましい“黄金時代”にさしかかることになる。
 そうした景気循環の波動から見ても、これから米国では米連邦準備理事会(FRB)が利上げを推進していくことで超金融緩和策の出口に動く一方で、20日に正式に発足するドナルド・トランプ政権が東方の中東方面ではイスラム勢力のテロ組織を、西方のアジア極東方面では中国を敵視して国防費を大幅に増額していくことで大規模な軍需を創出していくことを示唆しているといえるだろう。
 そして、それにより大規模に発行される米国債を実質的に日本側が引き受ける「日米マネタイゼーション政策」が推進されていくことも、景気循環の波動からは暗示しているといえよう。

 確かにリーマン・ショックを過ぎて以来、ヘゲモニー・サイクルが下降局面に転じているので、前回のコンドラチェフ・サイクルの上昇局面の前半期に比べると経済成長は抑制されたものになるだろう。それでも、現局面では最近になく高成長が続く可能性を秘めている局面にさしかかっているといえるのではないか。
 日本経済は90年代に入ってバブル崩壊からデフレ圧力が強まるなかで低成長が続いてきたが、最近四半世紀のなかではこれまでになく高成長が続く局面を迎える可能性を秘めているといえるだろう。

 株価は景気の重要な先行指標として知られているが、昨年11月8日の大統領選挙が終わり、トランプ政権が成立することが決まってから勢いよく高騰してきたことが、今後の経済実態の動向を示唆しているのは間違いないだろう。それも、単に円安が進んでいることで日本の株価だけが上がっているのではなく、米株価もダウが史上最高値を更新して2万ドルに迫っている状況は、世界経済が日米両国に牽引されて成長していくことを暗示しているのではないか。


日米主導で世界経済はデフレ圧力を克服へ

 実際、コンドラチェフ・サイクルの下位サイクルであるクズネッツ・サイクルは本来、建設投資循環とされているが、国内の不動産市場は20年の東京オリンピックの開催に向けて上昇基調が続くことが見込まれる。
 また短期の景気循環である在庫投資循環も最近1年間は低調な状態が続いたが、鉱工業生産指数の動向を見ると、ここにきて順調に在庫が減ってきたことでようやく前向きな投資が出てくる局面を迎えている。このため、こうした短期の波動から見ても、これから2~3年の景気動向は底堅く推移しそうだ。
 しかも、生産動向の内訳を見ると機械設備関連も多く、建設投資にも支えられて設備投資も底堅く推移しそうだ。また米国でも、ここにきて株高による好影響を受けて消費者信頼感が好調に推移しており、家計の個人消費は一段と堅調になっていくことが見込まれる。そこにトランプ新政権が法人向けに大規模な減税政策を打ち出せば、企業部門の設備投資も上向いていくことが期待できるのではないか。

 世界経済を概観すると、中国はじめ新興国不安や欧州の銀行不安が今後もくすぶり続けるだろうが、日米経済は循環的に良好な局面を迎えつつある。しかも、米国でトランプ新政権が期待通りの政策を打ち出し、日本でも安倍政権が既に打ち出した財政出動政策を予定通り実施していく一方で、日本銀行(日銀)もそうした日米両政府による財政出動の“ツケ”を“尻拭い”していけば、世界経済は徐々にデフレ圧力を脱却していくのではないか。
 いうまでもなく、中国不安が高まり人民元安圧力が一段と強まることで中国政府が一段と米国債を強力に売らざるを得なくなると、日銀がそれを引き受けることで危機の克服に向けて協力する必要も出てくるかもしれない。


 明日は今年最初の今週最後として、今年の中国経済の焦点や見通しについて掲載します。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。