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ドルの信認は変わらずコロナ終息後に米株価はバブル再燃も

ポイント
・今回の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて米政府が打ち出した大型の経済対策について、財源の裏付けがないのが気になるが、足元でドルの現金志向が高まっているあたり、FRBが「何でもあり」の政策を推進してもドル不安が強まる状況にはない。
・先週は大型対策の成立期待から株価が反発しただけに、実際に成立したなかで、新型肺炎が米国で猛烈な勢いで拡大している状況にあるだけに、再び株安が進んでおかしくない。とはいえ、いずれ終息していくのは間違いない。
・日経平均は8年サイクルの前半の4年サイクルの底値を探っている局面にあると考えられる。2万円を上回る水準から一気に下げただけに、中立型であるとしても強気型に近いと思われるため、起点である16年6月の安値まで下がるとは考えにくい。
・だとすれば、新型肺炎が終息すると、これまで超強力な量的緩和策が推進されて流動性が供給されただけに、これまで以上にバブル化が進む可能性が出てくる。それにより株価が高騰していけば、11月の大統領選挙で再選を目指すトランプ大統領には有利になる。
・それ以上に重要なことは、米中貿易協議の第二段階で中国側に構造改革の推進を要求するにあたり、いったんバブルを膨らませておいて崩壊させ、信用収縮を強めた方が有利であることだ。今回の生物兵器の投入は綿密に計算されて打ち出されたと見るべきだ。



ドルの基軸通貨としての信認はいささかも揺らいでいない

 先週は週初にドイツで大型の財政出動政策が決まった後、米国でその2.5倍近い規模の経済対策が決まるとの期待からリスク回避が後退し、株式市場では買い戻しが一気に進んだ。
 ドイツは財政出動の規模では米国のそれよりはるかに劣るとはいえ、これまで頑なに健全財政政策の維持にこだわってきた国であるだけに、日本円換算で100兆円に近い規模の対策を打ち出したことには大きな意義がある。
 一方で、米国では果たして財源の裏付けがあるのか、健全財政論者の間では疑義を呈する向きも多いことだろう。しかし、当面は議会が政府に対する国債発行の上限の“壁”が取り払われているなかで、今回の新型肺炎の感染拡大の危機を迎えて、安全資産の代表格とされる米国債や金までもが売られて米ドルの現金志向が強まっているのに見られるように、基軸通貨としてのドルの信認はいささかも揺らいでいない。
 少なくともしばらくは、いかに米連邦準備理事会(FRB)が「何でもあり」の姿勢で劣悪な資産を多く買い入れて流動性供給策を強めても、ドル不安が強まる状況ではない。


新型肺炎の感染症はいずれピークを迎えて終息へ

 さしあたり、先週は米国での大型の経済対策が決まるとの期待から株価が急反発しただけに、実際に27日に下院でも可決されてドナルド・トランプ大統領が署名して成立したことで、そうした期待感が剥落することになる。そうなると、米国では新型コロナウイルスの感染症の感染者が世界最多となってさらに勢いよく増加している状況が見直されることになり、株価が下がりやすくなる状況が再燃する可能性がある。実際、先週末27日に株価が急落したのは、今週のそうした動きの前兆と見られなくもない。
 しかし、いかにこの感染症が世界的に、それも特に足元では米欧で勢いよく感染者が増加しているとしても、いずれそれがピークを迎えて終息していくのは間違いない。


4年サイクルの底を目指す下げ方に

 例えば、日経平均は8年サイクルがあることが知られており、それは二つの4年サイクルもしくは三つの33カ月サイクルから構成されている。現在のこのサイクルは16年6月23日に英国の欧州連合(EU)からの離脱を問う国民投票(ブレグジット)が行われた翌日の1万4,864円(ザラバ値、以下同)の安値を起点に始まっており、今回の大暴落を勘案すると現在では4年サイクルの底を探っている局面にあると考えられる。
 16年6月から始まったこの相場は、18年1月26日の2万4,129円、10月5日の2万4,448円、19年3月19日の2万4,115円と3回にわたりどの高値をこのサイクルの天井ととるかは定かではないところがある。とはいえ、それまでおおむね2年半にわたり2万円を上回る水準で推移していたのが、20年2月下旬から一気に暴落して3月19日には1万6,358円まで下がったことを考えると、この4年サイクルは中立型のセンタートランスレーションだとしても、強気型のライトトランスレーションにかなり近いものととらえるべきだろう。
 だとすれば、今回の“怒涛”の下げはいかに世界的に新型コロナウイルスの感染がさらに拡大していき、日本でも足元では東京で状況が一段と悪化して「感染爆発」の状況に陥っても、このサイクルの起点である16年6月23日の安値までは下がらない可能性が高いと筆者は考えている。


いったんバブルを再膨張させて崩壊させた方が中国への圧力には効果的

 だとすれば、米国株も今回の大暴落でバブルが完全に崩壊し、ドル不安が高まる状況になることは考えにくい。いずれ今回の感染症の拡大が終息すると、米ドルの基軸通貨としての信認がまったく揺らいでいないなかで、超強力な量的緩和策を推進して超大規模に流動性供給を強化したことで、リスク選好が強まって従来以上に株高バブルが膨れ上がる公算が高い。それが間もなく始まるとすれば、そうした株高は11月3日の大統領選挙でトランプ大統領が再選を決めるうえで有利に働くことになる。
 またそれ以上に重要なことは、トランプ政権の背後の親イスラエル右派的で国家主義的、民族主義的なナチズム系の権力者層は米中貿易協議の第二段階で中国側に構造改革の実行を受け入れさせるにあたり、いったんバブルを膨張させたうえでそれを崩壊させることで信用収縮を強めた方が、中国側に圧力を強化するには好都合である。今回、生物兵器である新型コロナウイルスが中国・武漢に投入されたのは、それによりその裏側でトランプ大統領とともにナチズム系の権力者層につらなる習近平国家主席が一段と政治的権威を強めることで、江沢民元国家主席を中心とする勢力をはじめとする抵抗勢力を抑え込みやすくなることも含めて、綿密に計算されたうえで実行されたものであることは想像に難くない。


 明日以降は週末にかけて、再び新型肺炎の感染拡大の問題を取り上げます。
 今回は生物兵器が投入された最大の目的とでもいうべき、デカップリング化について、それも特にサプライチェーンの破壊による国家間競争の時代への突入について考察してみます。
 明日はまずその初回として、現在の日本や欧米の状況を観察してその背後事情について考えることにします。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。