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中国に対する敵愾心を煽る米国での新型コロナの感染爆発

ポイント
・トランプ大統領やブラード総裁の姿勢の背景の背景として二つのことが考えられる。一つはナチズム系と敵対しているコスモポリタン系の勢力が生物兵器を投入した可能性があることであり、傘下の投機筋が多国籍企業株を売り崩して株価を暴落させた公算も。
・もう一つは新型コロナを米国内でも流行させて感染爆発の状態を引き起こすことで、米国民の間で中国に対して敵愾心を強めることだ。デカップリングにはグローバル生産体制を崩壊させることと、新冷戦体制の構築に向かわせるという二つの意味がある。
・これはいわば、普仏戦争でのエムス電報事件、第一次大戦での米国の参入の契機になったルシタニア号事件、太平洋戦争開戦の契機である真珠湾攻撃、最近では「9.11テロ事件」のように、相手に席に手を出させたように見せかけて開戦に持ち込む事例と共通している。
・今回の新型コロナについてはWHOが「Covid-19」と命名したものの一般的に用いられておらず、トランプ大統領が「 Chinese Virus 」、ポンペオ国務長官も「武漢ウイルス」と呼ぶことで、意図的に中国に対して“汚らわしい”イメージを醸成しようとしている。
・新型コロナを克服した中国では習近平国家主席が権威を高めて全体主義的な独裁体制の優位性を主張している一方、米国ではそうした体制が初動を遅らせて自国民や世界中に災厄をもたらしたと批判しており、米国内では次々に中国政府を相手に訴訟が起こっている。
・国際訴訟の構図については日韓間の徴用工問題に似ているが、日韓問題では被告側である日本側が圧倒的に強いので韓国側が現金化に着手できないのに対し、今回の米中間の問題では圧倒的に原告側である米国側が強い立場にあることが決定的に異なる要因である。



コスモポリタン系の勢力が生物兵器を投入したシナリオ

(前回の続き) ドナルド・トランプ米大統領やセントルイス連銀のジェームズ・ブラード総裁が、新型コロナウイルスの感染拡大に対して以前には楽観的だったのが最近ではかなり悲観的な見通しを示唆するようになっているが、こうした事実から類推できることは二つある。
 一つは米権力者層ではこれまで、米ロックフェラー財閥傍流系から構成されている親イスラエル右派的で国家主義的、民族主義的なナチズム系の勢力が主導権を握っていたのが、それに反対する勢力――すなわち、米国の世界覇権の維持を目指して中国を撃滅しようとしている親イスラエル左派的で社会主義的、リベラル的なコスモポリタン系の勢力が生物兵器を投入したというシナリオだ。この勢力を構成している主要な勢力が米ロックフェラー財閥本流系であり、その傘下の軍産複合体の中核である軍事産業に遺伝子操作を得意とする生物兵器部門を抱えている。
 さらにこの勢力の世界最大の石油資本と並ぶ中核企業である世界最大の金融資本であるシティ・グループ傘下のヘッジファンド群が、欧州ロスチャイルド財閥系を中心に自社株買いを繰り広げて株価を高騰させてきたことで、財務基盤が脆弱な多国籍企業の株式を信用不安が引き起こされるたびに売り崩してきた経緯がある。今回の新型コロナ騒動では株価が短期間で“怒涛”の勢いで暴落したが、そこでもこれまでと同様にこうした投機筋が欧州財閥系をはじめとする財務内容が脆弱な多国籍企業株を売り崩したことは想像に難くない。それにより、トランプ大統領としては自身がその地位に就いて以来、積み上げてきた「株高」という成果がごく短期間のうちに消滅してしまったのは、少なくとも表面的には事実である。


中国に敵愾心を強めるために狸を演じる

 もう一つの可能性は、トランプ大統領やブラード総裁は米権力者層の意向を受けてつい最近まで新型コロナ騒動について楽観的な見通しを述べておいて、以前からの計画通りにここにきて一転して極端に悲観的な見通しを表明することで、意図的に人々の間で不安心理を煽っているというものだ――すなわち、この見方が正しいとすれば、この二人は“狸(たぬき)”を演じているということだ。どうして狸を演じているかというと、結論から先にいえば、米国民やその同盟国、有志国の間で、また世界的に中国に対して強烈な敵愾心を強めることで、「新冷戦」体制を構築する基盤を醸成することだ。
 米権力者層がここにきて、中国・武漢で生物兵器である新型コロナを投下した目的についてはこれまで、当欄で詳述してきたが、あえて簡単にいえば、最も重要なことは中国との間で分断や切り離しを意味する「デカップリング」を推進することだ。そこにも二つの意味があり、一つはサプライチェーンを完全に破壊することで多国籍企業主導によるグローバル生産体制を崩壊させることであり、もう一つが新冷戦体制の構築に向かわせることだ。


相手に先に手を出させて開戦に持ち込む

 こうした視点に立てば、今回の中国・武漢で最初に発生した新型コロナ騒動は、歴史的な事象でいえば、1870年7月に普仏戦争を引き起こすためにプロイセン宰相ビスマルクがフランス向けの電報を故意に書き換えたエムス電報事件、1915年5月に多くの米国人が乗船していた英客船ルシタニア号がドイツ軍の潜水艦に撃沈(本当は撃沈したのは米軍だったのだが)されたことで第一次世界大戦に米国も参戦していったこと、1940年12月に宣戦布告なし(本当は布告していたのだが)に日本軍がハワイの米軍の太平洋艦隊と基地を空爆した真珠湾攻撃、そしてつい最近ではアフガニスタンとイラクへの攻撃につながっていく「対テロ戦争」を掲げる名分になった01年9月11日の同時多発テロ事件のようなものである。いずれも相手に先に手を出させたように見せかける策略を繰り広げたうえで、開戦に持ち込む名分にしていることが共通している。


ウイルスと結びつけて中国に汚らわしいイメージを醸成へ

 今回のコロナ騒動ではこの新型コロナウイルスの正式な名称を巡り、極めて親中国的な世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長主導で、そこに発生源である「中国」や「武漢」の名称を入れない「 Covid-19 (コヴィッド19)」と命名したが、そうした名称はほとんど用いられていない。日本では日本経済新聞が使用する呼称が事実上の“ビジネス標準語”として用いられることが多いが、その日経新聞ですら重症急性呼吸器症候群の「SARS」についてはそのままアルファベットで表記しているものの、この感染症についてはそうした呼称を使わずに「新型コロナ」と呼んでいる。
 どうしてWHOが公式に定めた名称が使われないのかというと、その大きな理由の一つが覇権国として世界の“中心的な存在”である米国の政府が用いていないからだ。トランプ大統領が盛んに自身のツイッターで「 Chinese Virus (チャイニーズ・ウイルス)」と呼んでいるのはよく知られているところだ。マイク・ポンペオ国務長官も盛んに「武漢ウイルス」と呼んでいる。そうすることで、自国民や世界に向けて中国と新型コロナを直接的に結び付けて、中国に対して“汚らわしい”イメージを醸成しようとしているわけだ。


独裁体制とカリスマ性賛美の中国と初動の遅れや体制の弊害と主張する米国

 中国では今や完全に新型コロナの感染の拡大を抑え込んでおり(ただし、特に無症状の感染者が意図的に感染者数に計上されていないなど、本当は今でも感染拡大が続いているのを政府が隠蔽しているといわれているが)、感染源である武漢でもようやく封鎖が解かれるに至っている。中国では人権を無視した徹底した封鎖と外出禁止、感染者の強制的な隔離といった極めて“荒療治”により難局を乗り切ったが、それにより国内的には習近平国家主席の“英断”が賛美されてカリスマ性を一段と強めようとしている。また対外的にも、民主主義体制に対する全体主義的な独裁体制の優位性を強調して主張している。
 ところが、米国では自国民をはじめ世界的に莫大な被害を受けるほど感染拡大が進んだ元凶は中国の当局による初動が遅れたからであり、それは全体主義的な独裁体制の欠陥にほかならず、さらには為政者の悪意に満ちた恣意的な行為であると批判している(中国政府が意図的に初動を遅らせて感染を拡大させたのはその通りであり、報告を受けた李克強首相は当初、胡錦涛前国家主席のアドバイスに従って迅速に封じ込めようとしたものの、米国側の権力者層の指示を受けた習近平主席がそれを妨害したうえで“見て見ぬふり”をしていたと筆者は裏情報筋から聞いている)。
 今や、米国内では初動の遅れが大流行を招いたとして国際法違反で中国政府を相手に訴訟を起こす動きが広がっており、英国や欧州でもこれに追随する動きが相次いでおかしくない情勢だ。常識的に考えれば、今回の件で中国政府側の違法性を立証することは難しく、また実際に賠償金を徴収しようとするなら国際司法裁判所(ICJ)で勝訴する必要があるが、その裁判を開くこと自体、中国側が同意することはあり得ない。とはいえ、ICJが開催されなくても原告側の国で“形式上”の裁判が開かれるため、不合理極まりないとしても中国側の賠償責任が認められる判決が相次ぐこともあり得なくはない。


被告側が強い日韓紛争と原告側が強い米中対立

 そうした意味では、さながら日本と韓国との間で懸案となっている徴用工の問題のようなものである。ただ日韓間と今回の米中間の紛争問題で決定的に異なるのは、前者では被告側が圧倒的に強いのに対し、後者では原告側が相当に有利な立場にあることだ。
 日韓間の経済力格差では圧倒的に日本側が強い立場にあるため、韓国側は被告の日本企業の在韓資産の現金化に着手できないでいる。着手すれば韓国では自生できない原材料の供給が途絶されたり、邦銀が供与している信用状の発行が禁止されることで韓国の銀行がドル資金を調達できなくなり、破綻が相次いで金融危機が引き起こされかねないからである。
 ところが米中間の場合、両国間の貿易戦争での経緯でも明らかになったように、圧倒的に原告側の米国の方が強い立場にある。中国との間で紛争が起これば、米国側は中国からの輸入に高関税を課すだけでなく、シーレーンでの防衛を強化して中東の親米的な産油国にも指示するなり圧力をかけるなどして中国への原油や天然ガスの供給を途絶したり、中国の銀行にドル資金の調達を禁止すれば中国経済そのものが崩壊しかねない。
 今回、米権力者層がニューヨーク州を中心に米国内にも新型コロナを大規模に蔓延させた主な理由が、あくまでも一般的な米国民の間で中国に対して“憎悪の念”を強めさせることにあるのでそうしたことは非現実的なことではあるが、それでも両国間の力関係についてはしっかり把握する必要がある。


 明日もこの続きを掲載します。
 明日は新型コロナウイルスはどこが最初の感染源なのか、またどこからもたらされたのかについて考えてみます。
 よろしくお願いします。
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プロフィール

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永山卓矢と申します。
有限会社ナリッジ・クリエイション代表です。
現在、マクロ経済の分野でアナリスト業務を中心に活動しています。
フリーの立場で従来のマクロ経済や金融市場分析に限らず、その背後の政治的な権力闘争に至るまで調査活動を行っています。
これまで、月刊誌『商品・証券・金融先物市場』とその後継の『フューチャーズ・マーケット』や投資日報社などの大部分のインタビュー記事の作成をはじめ、他の情報媒体の市況執筆に携わってきました。
また、『「実物経済」の復活』(副島隆彦著 光文社刊)』はじめ、著名評論家の著作本執筆の実質的な共著や補助などの業務に携わってきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします。